メタニウムの全種を振り返る!インプレやおすすめ度が高いのはどれ?

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ハイギアモデルの存在を含め、ベイトフィネスの流行とマッチングしたことで、メタニウムの中でもユーザーに最も普及しました。またメタニウム全機種中最もサードパーティー製アフターパーツが生み出されたモデルでもあります。

『13メタニウム』の特徴と評価

2013年発売。全てが一新されたメタニウム

ロングセラーとなった07メタニウムから実に6年。シマノが新たな野心作として生み出したのがこの13メタニウムです。07ボディから継承されたボディ設計はより一段と低くなりました。また巻き心地を更に滑らかにするため、マイクロモジュールギアが搭載され、同時にギア比8.6のエクストラハイギアがラインナップに追加となりました。

遠心ブレーキを外部操作『SVSインフィニティ』

それまでのメタニウムの遠心ブレーキは調整の度にサイドカップを開閉する必要がありました。その手間をなくすためにシマノが取り組み開発したのがSVSインフィニティです。全てが一新された遠心ブレーキは外部からの操作が可能になり、より手軽に遠心ブレーキの調整ができるようになりました。

『13メタニウム』のスペックとインプレ

13メタニウムのスペック

本体材質/マグネシウム合金

自重(g)/170(NG、HG)、175(XG)
最大ドラグ力(kg)/5
ギア比  /6.2(NG)、7.4(HG)、8.5(XG)
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-120、14-100、16-85、20-70
ハンドル巻上長(cm/回転) /66、79、91
ベアリング数/ローラー  9/1
本体価格(税抜)  ¥47,628(全モデル共通)

13メタニウムのインプレ

ロングセラーとなった07メタニウムを越えるべく、新機能を備え発売されたのがこのモデルです。07メタニウムで初登場したハイギアはギア比7.4と少し向上。更にギア比8.5となるエクストラハイギアがラインナップされたことで、モデルごとの用途が専門化されていきました。

全てが一新された遠心ブレーキ『SVSインフィニティ』ですが、外部操作が可能とされつつも、実際の操作にあっては調整幅が小さすぎて外部調整の役割が少ないなど、残念ながら賛否の分かれるものとなってしまいました。

『15メタニウムDC』の特徴と評価

2015年発売。ユーザーを驚かせた一台

2014年から2015年にかけて、メタニウムユーザーが発売を予想していたのが、13メタニウムのDC搭載モデルでした。ところが2015年発表されたのは、2013年メタニウムとは似ているが全く新しいメタニウムのDCモデルでした。

更に進化した『DC』

08メタニウム以来のDC搭載モデルとなった15メタニウムDCですが、その中身は大きく進化していました。08メタニウムではDCモードが4通りでしたが、15メタニウムでは5通りに、さらにPE、ナイロン、フロロカーボンとラインの種類でも選べるようになり、よりきめ細やかな設定が行えるようになりました。

『15メタニウムDC』のスペックとインプレ

15メタニウムDCのスペック

本体材質/マグネシウム合金

自重(g)/190(NG、HG)、195(XG)
最大ドラグ力(kg)/5
ギア比  /6.2(NG)、7.4(HG)、8.5(XG)
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-120、14-100、16-85、20-70
ハンドル巻上長(cm/回転) /66、79、91
ベアリング数/ローラー  9/1
本体価格(税抜)  ¥57,800(全モデル共通)

15メタニウムDCのインプレ

2018年現在で最新のDC搭載メタニウムとなります。基本的なスペックは13メタニウムに準ずるものの、前作DC搭載メタニウムからDCは大きく進歩しました。その一つがDC設定のライン選択。実際のベイトリールのキャストにおいて、ナイロン、フロロカーボン、PEでは同じ『ライン』で一括りにはできないほどの違いがあります。

抜群の飛距離と安定したキャスティングを保つため、リールがライン種別まで考えて調整してくれる。釣り人はただ釣ることを考えればいい。目の前の一匹を釣り上げる集中力を保つために、これほど心強い味方はいないでしょう。

『16メタニウムMGL』の特徴と評価

2016年発売。メタニウム初『MGL』スプール搭載

ユーザーが驚く発表となった15メタDC。その答えとして示されたのが、この16メタニウムMGLでした。15メタニウムDCは、この16メタニウムのDC搭載モデルだったのです。一説では発売順が逆になった理由に、名称にもなっている『MGLスプール』の仕上がりが間に合わなかったため、ともいわれています。

13メタニウムを飛躍的に進化させた一台

13メタニウムに搭載されたSVSインフィニティは革新的だったものの、ユーザーの目は冷ややかでした。ブレーキブロックが多すぎたこと、そのため外部調整があまり効かなかったことが原因でした。

16メタニウムに搭載された『新SVSインフィニティ』はその反省を生かし、ブレーキブロックを4つに減らし、それらを全てONにしておけば、あとは外部調整ですべて賄えるという革新的なブレーキシステムに生まれ変わりました。

側面ブランキング『マグナムライトスプール』

シマノが新しいスプールに求めたのは、慣性モーメントの更なる抑制。そのために、新しいマグナムライトスプールでは側面への穴あけ処理が行われました。これによって慣性モーメントを10%低減、飛距離は20%向上しました(メーカー発表)。同時にこれらはバックラッシュの抑制にも大いに役に立っています。

『16メタニウムMGL』のスペックとインプレ

16メタニウムMGLのスペック

本体材質/マグネシウム合金

自重(g)/175
最大ドラグ力(kg)/5
ギア比  /6.2(NG)、7.4(HG)、8.5(XG)
スプール糸巻量(lb-m)/ 12-100、14-90、16-80、20-65
ハンドル巻上長(cm/回転) /66、79、91
ベアリング数/ローラー  10/1
本体価格(税抜)  ¥44,100(全モデル共通)

16メタニウムMGLのインプレ

2018年現在非DC搭載メタニウム最新モデル。13モデルのモデルチェンジですが、かなり大幅な変更が加えられており、別モデルとしても差し支えないでしょう。特徴的なのはやはり前述の『MGLスプール』。ベイトキャスティングの要となる場所だけに、この変化は見逃せません。

ルアーごとに行う適切なブレーキ設定と丁寧なサミング、そして正しいキャスティング姿勢を身につけることによって、はじき出されたルアーの飛距離は15メタニウムDCを凌駕する、とも言われています。

メタニウムおすすめの一台・活躍シーンと選び方・使い方

おすすめは16メタMGLか15メタDC!

これからメタニウムを手にしようとする方へおすすめなのは、やはり現行の最新型。メタニウムの歴史は常にメタニウム自身との切磋琢磨とも言えます。やはりおすすめなのは16メタMGLか15メタDCですね。もし少しでも飛距離を出したいという方は16メタMGLを、距離よりもキャストの安定を、という方には15メタDCをお勧めします。

ギア比の選び方

ギア比に関しては、基本的にスピナーベイトなどの巻き物からテキサスリグなどの撃ち物までオールラウンドに対応できるギア比7.4のハイギアモデルがおすすめです。様々な場面で過不足なく活躍してくれることでしょう。

もしルアー種類ごとに専用のリールを用意するなら、スピナーベイトやクランクベイトなどの巻き物にはギア比6.2のノーマルギアモデルを、テキサスリグ等ワームの撃ち物にはギア比8.5のエキストラハイギアで揃えることをお勧めします。

右ハンドル?左ハンドル?

ベイトリールで迷ってしまうのがこのハンドル。おおよその例ですが、右利きの人で遠投を多用し思い切って振りかぶってキャストする機会の多い方なら右ハンドルを、近距離の障害物に添わせるように細かく落とし込みながら釣り歩くような方には左ハンドルで細かく操作する方がやりやすい、と言われています。

メタニウムの全種類まとめ

メタニウムの耐久性

メタニウムも数年ごとに新作が発表され、新しいモデルが出るとついつい欲しくなってしまうかもしれません。一方で、冒頭にご紹介した『赤メタ』を現役で使用している方、ビッグベイト専用に『ガンメタ』を使用している方も少なくありません。適切なメンテナンスによって、耐用年数は10年を超えるのです。

波乱万丈の変遷・メタニウム

いかがでしたでしょうか?一口にメタニウムといっても、こうして一覧にしてみると驚くほどの歴史と変化があったのではないかと思います。メタニウムといえばお手頃価格のミドルエンドクラスリール、という位置づけですが、時代によって、その時々のフィッシングスタイルの変化に寄り添うように変化を遂げ続けてきたのです。

バスアングラーの要望と時代・潮流の変化を敏感にとらえながら、技術革新とともに絶えず変化を繰り返してきたメタニウム。その名前はいつまでもバスアングラーの傍らで響き続けることでしょう。手にした一匹の思い出とともに。