松川事件とは?国鉄三大ミステリーとなった冤罪事件の真相とその後に迫る

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そんな佐藤さんは、2019年(令和元年)現在から10年前の6月に、亡くなられています。その時87歳でした。ご冥福をお祈り申し上げます。

松川事件の真犯人は?

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先ほどもお話しした通り『松川事件』という狐に包まれたような出来事は、でっち上げられ、黒幕、犯人に仕立て上げられた複数名の人たちが無事に無罪を証明できたからと言って、解決したわけではありません。

肝心な『松川事件』を引き起こした張本人の黒幕が誰か分かってもおらず、いや正確には国家、警察、検事は正確に知っていたかもしれませんが、検挙されていない現状がありました。

では黒幕は一体誰なのでしょうか?次にその真相の1つについて掘り下げて考察していきます。

松川事件の「真犯人からの手紙」とは?

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『松本事件』の始まりから13年後、2019年(令和元年)現在から約60年前の昭和33年に、不可思議なエピソードが起こりました。

その不可思議なエピソードとは、自らを黒幕と名乗る人物から『自分たちがやった』と証言する1つの『手紙』が、でっち上げで被告として立たされている人たちの1人の弁護人に届くというものでした。

『諏訪メモ』と同じくらい衝撃的な文章を受け取った弁護人、更には有名な推理小説家の見解では、『黒幕』本人の可能性が高いと考えられるそうです。残念ながら真実は分かっていません。

松川事件の真犯人目撃者は水死体で見つかった

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『松川事件』という狐に包まれたような出来事の『黒幕』を見たという人物はどうやら3名ほどいるらしく、その1人は舞台となった鉄道近くでなにやら怪しげな奇行をしている人物を見たらしいです。

その様子を目撃した1人は『松川事件』の1年後、つまり翌年に水死体として発見され変死を遂げてしまいました。

しかし、この情報が本当かどうかは定かではなく、もしかすると噂や都市伝説であり事実無根の可能性があります。

松川事件の真犯人は国が関与しているとの噂も

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国家の元で動く機関の警察・検察が権力を行使して、でっち上げの事象を隠蔽、捏造、改竄などで集めて別の人物を『松川事件』の黒幕にでっち上げるという、悍ましい所業を働いたという事。

つまりその一連のでっち上げ工作を指示したのは『国家』であり、本当の黒幕は国家が関与していて事実や真相をうやむやにして、闇に葬るための必死の処置であったとい『噂』も囁かれています。

松川事件当時の警察の悪意ある捜査

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『松川事件』という陰謀説が囁かれる狐に包まれたような出来事に携わった、日本国の機関の1つの『警察』はでっち上げ工作をするなど、マズイ対応、闇が深い所業を行いました。

もう一度どんなでっち上げ工作であったか。どんな対応、所業を行ったかまとめて見ていきましょう。

松川事件の容疑者に自白を強要

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『松川事件』とは結果的に一切関与していない、1人の人物を全く別の案件・事案で検挙し身柄を拘束しました。

その後、言葉と肉体的な暴力で、精神的に追い込んで『自分がやった』など、濡れ衣を着せる人物たちが黒幕だと強要させて自白させたのです。

そんな人間不信、社会不審に陥ってしまうほど長年不幸に見舞われた人物も、『松川運動』『諏訪メモ』などの支援、影響を受けて最終的には無実の罪であったことが証明されました。

供述調書を操作して改ざん

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『松川事件』の汚い警察は、あることないことを勝手に都合の良いように『改竄』するという悪事を働いたのです。そうして無実の罪である複数名を完全に黒幕としてでっち上げ陥れようとしていたのです。

アリバイを隠す証拠隠蔽

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更に『松川事件』の汚い検察は黒幕として仕立て上げ複数名が、無実の罪であると証明し、黒幕を否定するような、内容が記された『諏訪メモ』を伏せておくという『隠蔽』もしました。

『諏訪メモ』の存在が明るみになっていなかったら、一番恐れていた事態が現実になっていたかもしれません。それもひとえに大衆、民衆による働きかけ、サポート『松川運動』があってのことでしょう。

松川事件の背景にあるGHQとは?

マッカーサー最高司令官が率いるGHQのもと、日本は国家そのものを左右され、様々な政策を急激に展開していきました。

『松川事件』をはじめとした、謎めいた事象が起きて人の命が落とす事となった一連の出来事は、GHQによる所業であり、『国鉄』『共産党』に焦点をズレさせる狙いがあったのではないか?

という陰謀論が囁かれていますが、その真意は不明であります。

松川事件は何故福島で起きたのか?

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民間人、一般人などの個人の私怨、恨みが『動機』となったとも、戦後間もない時代背景や経済政策の一環で大量解雇があったことも考えれば、十分に可能性として考えれます。

しかしもし万が一世論で言われる様に、GHQ、国家などの陰謀説が真相であった場合、何故『松川事件』は、福島が舞台に選ばれたのでしょうか?その理由について考察して迫っていきます。

狙われた企業が集中していた土地

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国家機関の警察、検察によってでっち上げで黒幕に仕立て上げられた人たちは、皆、舞台の近くで働いていた『日本国有鉄道』と『TOSHIBA』の社員及び職員だったのです。

その当時、半ば強制的に行われた経済政策の一環である『大量解雇』の対象企業だったのが上記の2社だったのです。これは果たして偶然と言えるのでしょうか?

当時の福島は日本にとって大事な場所

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その当時GHQ、国家と対立していた『共産党』そのものと、共産党の影響力のもとで活動・労働していた組織がそこに集中していました。

また、本州の最北端に位置する『東北地方』日本の最北端に位置する『北海道』になどを結ぶアクセスの重要地点でもありました。

更に東京都を中心とした、関東エリア、首都圏を急速に成長させて経済を立てなおすための、電力と石炭のエネルギーの補給ポイントでもあったのです。どうやら福島が舞台となったのは偶然ではなさそうです。

松川事件を題材にした書籍や映画

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実は今回クローズアップしている『松川事件』という昭和初期、それも戦後まもない頃におきた狐に包まれたような出来事を題材にした書籍や映画などがたくさん存在しているのです。

たくさん存在している事はそれだけ日本の世間から注目され続けている、センセーショナルな出来事であったことが伺えます。

そんなセンセーショナルな作品をこちらで簡単に5つほどご紹介していきます。気になる作品があればぜひ一度手に取ってみてください。

謀略ー再び歴史の舞台に登場する松川事件

謀略―再び歴史の舞台に登場する松川事件

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著者が『松本善明』さんという方で、実際にその当時は1人の弁護士として、デタラメででっち上げられた裁判で戦った張本人です。

あまりスポットが当てられない被害者となってしまった3人の旬職者たちにも焦点が当てられて、また違う角度から見えてくる謀略事件の裏側を垣間見える一冊となっています。

松川裁判から、いま何を学ぶか 戦後最大の冤罪事件の全容

松川裁判から、いま何を学ぶか 戦後最大の冤罪事件の全容

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この作品は『松川事件』に巻き込まれてしまい、無実の罪なのに犯人に仕立て上げられた人物の1人である佐藤さんが亡くなった同年、つまり2019年(令和元年)現在からちょうど10年前に発売されました。

著者は『伊部正之』さんであり、昔から大学でも『松本事件』に熱心に研究し続けてきて、専門の資料室の1研究員としても知られています。

未だかつてない、デタラメ、でっち上げられた裁判の結果を批判して、無実の罪を証明するための救援を大衆、民衆が行った『松川運動』の特質・大切さを鮮明で詳細に書き記した1冊になっています。

新装版 日本の黒い霧(下)

新装版 日本の黒い霧 (下) (文春文庫)

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著者はかの有名な『松本清張』であり、『松川事件』だけではなく第二次世界大戦後、昭和に起きた真相が闇に包まれたミステリアスな事件の真相を、著者なりの解釈でリアリティに記した作品です。

著者は、無実の罪を証明するための『松川運動』にも関わっていた当事者としても知られています。

独立プロ名画特選 松川事件

 

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監督は『山本薩夫』さんで、昭和のスターである『宇津井健』『下元勉』などが出演している映画となっています。

この作品では『黒幕』や『犯人』に援助、手助けをするかのようなマズイ対応、でっち上げの所業を働いた日本の2つの国家機関である警察・検事の悍ましい実態を分かりする理解できる映像作品です。

松川運動全史―大衆的裁判闘争の十五年

松川運動全史―大衆的裁判闘争の十五年 (1965年)

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こちらの作品は『諏訪メモ』と共にでっち上げられた事実無根の事象の数々を証明する、きっかけを生んだ『松川運動』のバイブル・教科書的な一冊であります。

その題を読んでいただければわかる通り、『TOSHIBA』や『日本国有鉄道』の関係者、当事者たちだけではなく、大衆、民衆のサポートや働きかけ(松川運動)が15年あまりにも続きました。

その『松川運動』の歴史やエピソードを深堀りした全貌が詰まった貴重な資料集となっています。是非一度ご覧になって『松川運動』の理解を深めてみてください。

松川事件含む他の三大国鉄ミステリー事件

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昭和初期、それも戦後まもなくの頃、日本国有鉄道が関与している、怪事件が立て続けに起きていました。

それらは3大国鉄ミステリー事件と呼ばれ、冒頭でも解説した通り、今回クローズアップしている『松川事件』という狐に包まれたような出来事はその1つなのです。

こちらでは日本国有鉄道が舞台となった、謎めいて腑に落ちない点が沢山ある残り2つの『エピソード』を簡単にご紹介していきます。

松川事件を含む三大ミステリー①下山事件

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なんと今回のテーマでクローズアップしている『松川事件』が起きた約1か月前の出来事であり、内容も結びついています。

日本国有鉄道の最高責任者、トップであった『下山氏』が大事な会議に姿を見せることなく、突如いなくなってしまいました。

その会議では、経済政策の一環で多くの社員・職員が『解雇』『クビ』にされることについて話される予定でした。

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またトップである下山氏はその経済政策による大量解雇を反対する団体の筆頭でもあったのです。しかし、その会議の数日前にはその反対運動の願い叶わず、いよいよ解雇が実行される間際だったのです。

そんなさなかにトップの下山氏が突如としていなくなっていしまい、明くる日に奇しくも列車に轢かれて見るも無残な遺体の姿となって発見されたのです。

そして最大の謎が、轢かれる前に絶命していたか、轢かれた際に絶命したか、つまり他殺か自殺かというものでした。その大きな謎は現在も解き明かされていません。詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

松川事件を含む三大ミステリー②三鷹事件

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こちらも『松川事件』『下山事件』と同年であり同じ夏に起きた出来事です。

日本の中心地、都会、首都である『東京都』で誰も乗っていない列車が突如、勝手に動き出して、結構な勢いと速度で柵と衝突して、線路から大きく逸れて横転しました。

線路を飛び出て、住宅街、道路のほうまで行ったので、横転した際に巻き込まれた数名の命が奪われてしまいました。2019年令和となった現在も尚、当事者の裁判を巡って問題となっています。

松川事件の様に陰謀説が囁かれる冤罪事件

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今回の記事でクローズアップしている『松川事件』の様に、令和元年になった現在も国家が関わっているなどの陰謀説が囁かれている事件があります。

更にその事件では『冤罪』という言葉も付きまとっているのです。その事件とは何なのか?分かり易く簡潔にご紹介します。

ロッキード事件

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昭和の高度経済成長期に水面下で起きていた多くの謎を残した出来事です。

当時の日本、国家のトップである『田中角栄氏』をはじめとした、政治家たちが米国の名の知れた航空企業から、巨額の『ワイロ』受け取っていたと疑惑が生まれて、検挙されていった事件です。

世間に明るみになると、まるで見えない権力が働いているかのように、関係者たちが次々と変死を遂げていきました。

田中角栄は冤罪?

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日本だけではなく、関係している米国の弁護士、専門家の一部も『陰謀説』を唱えています。

同時に日本の歴史的なスキャンダルとなった『田中角栄』氏の逮捕、訴訟に関しても、何か国家権力が働いており、実は『冤罪』であったのではないか?という見解を示しています。

2019年今年で令和となった現在もその真相については謎に包まれたままであります。

松川事件は大規模な冤罪事件!真相は闇の中

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今回の記事で徹底的にクローズアップした『松川事件』は、その当時、日本国有鉄道が舞台となり立て続けに起きた難解で謎めいた事件の1つでした。

警察、検察によりでっち上げられて犯人に仕立て上げられた複数名の人たちは、長い年月を経て無事に『無罪』が認められました。

その真実にまでたどり着いたのは、大衆や民衆による働きかけ、サポート、署名などの『松川運動』更には隠蔽、捏造などのデタラメな陰謀を決定づけた『諏訪メモ』の存在が限りなく大きかったのです。

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巻き込まれて犯人・被告としてでっち上げられた人物からすれば、真実にたどり着き、無事に解決したと言えます。

しかし『松川事件』から見れば黒幕が誰なのかも分からず、逮捕もされておらず、振出しに戻っただけではなく、相当な時間が流れていたので時効を迎えてしまい、2019年令和現在まで『迷宮入り』しています。

いつか本当に真相が解明される日が訪れることを心より祈っております。

三河島事件に関する記事はこちら

下山事件に関する記事はこちら