ミーバイの事をよく知ろう
沖縄では高級魚として親しまれるミーバイ。しかし一口にミーバイと言ってもその種類は実に豊富です。まずはそもそもミーバイとは何か、ミーバイの生息地、どんな種類がいるのかなどを紹介していきましょう。
そもそもミーバイとはどんな魚?
そもそもミーバイとは沖縄の方言でハタ類の魚の総称で、語源は“美味”から来ているほど美味しい魚です。見た目は口が大きく顎が出ており、主に沖縄や九州など温暖な海域に生息している南国の魚のため、見た目はカラフルで見慣れないものが多いかもしれません。そんなミーバイを釣るためにまずは生息地を見ていきましょう。
ミーバイの生息地
ミーバイとは沖縄の方言ですが、ハタ類の魚の総称の事を言いますので、もちろん沖縄以外にも生息しています。ミーバイの生息地は日本国内では太平洋側は千葉県以南、日本海側では新潟県以南幅広く生息しています。その中でも沖縄は年間の平均気温が23度で海水温年間を通して暖かいためミーバイにはとても住みやすい環境です。またミーバイは珊瑚礁や岩礁を住みかとしているものが多く、そのままの自然が多く残る沖縄の海はミーバイ釣りの絶好の場所と言えるでしょう。
ミーバイの種類
ミーバイの種類は190種類程と非常に多く、そのすべてを把握するのはなかなか難しいです。さらにそのなかでも沖縄の海には約50種類程生息していると言われていますが、一般的に沖縄でミーバイと言われるのはアーラミーバイ(ヤマトハタ)を指す事が多いです。その他に沖縄で有名なミーバイといえば、イシミーバイ(カンモンハタ)、ハンゴーミーバイ(アカハタ)、沖縄の三大高級魚と言われるアカジンミーバイ(スジアラ)、などがありこれらは食べても美味しいミーバイの種類です。
ミーバイ釣り方
普段は珊瑚礁や岩礁に生息しているミーバイ。ミーバイ釣りをするならその周りを狙うのが良いでしょう。比較的小型のミーバイ(イシミーバイ、アカミーバイなど)を釣るなら、珊瑚礁のある沿岸や防波堤などで、小型ミノーやワームを使用します。大物のミーバイ(アーラミーバイ、アカジンなど)を狙うのであれば船釣りがよいでしょう。餌はメタルジグやサンマの切り身、グルクンなどの魚もおすすめです。一口にミーバイといっても10㎝〜2mを超える大型のものまで色んな種類があり、適した釣り方や食べ方はさまざまです。まずはミーバイの種類別の特徴と釣り方を見ていきましょう。
アーラミーバイを釣ろう
ー特徴ー
アーラミーバイ(ヤイトハタ)とは体が大きく全長1〜2mを超えるものも珍しくない大型魚です。 全体に黒褐色の斑点模様があり、幼魚には体側に5本の横帯が見られるが成魚になるに釣れその模様は薄くなっていきます。大きな口と鋭い歯で自分の身体ほどある餌まで食い付く大食漢のミーバイです。淡白な白身で食用としても人気のため、沖縄県内では養殖も行われていますが、天然のアーラミーバイは個体数が減ってきているといわれていますので、釣りをする際には幼魚はきちんとリリースし、ルールを守って楽しみましょう。
ー釣り方・ポイントー
アーラミーバイのシーズンは夏ですが、秋から冬にかけても釣れることがあります。アーラミーバイは珊瑚礁域、岩礁の洞穴に生息しており夜行性の魚ですので、昼間は洞穴で身をひそめ夜になると餌を探して動き回ります。餌をくわえるとすぐさま洞穴に逃げ込みますので、逃げられないようにすぐさま引き上げましょう。パワーフィッシングになるためそれなりの大型タックルが必要になります。フカセ釣り、ウキ釣り、打ち込み釣り、ルアーなどで釣れますが、生きた餌に食いつきが良く、グルクンやムロアジなどがおすすめです。
イシミーバイを釣ろう
ー特徴ー
全体に茶褐色の斑点があり、その斑紋が石垣に似ている事からイシミーバイという名前になったという説があります。体長は25㎝程とミーバイの中では小型の部類になりますが、食欲旺盛で餌に食いつきやすく、比較的初心者でも釣りやすいミーバイです。
ー釣り方・ポイントー
珊瑚礁域の浅瀬に住み礁湖(イノー)などでも釣ることが出来ます。普段は珊瑚礁や岩礁の陰に潜んでいますが射程距離内に餌を見つけると瞬時に食いついてきます。小型のミノーやワームで足元付近の浅瀬でも釣ることが出来ます。比較的釣りやすいのでルアー釣り初心者にもおすすめです。
ハンゴーミーバイを釣ろう
ー特徴ー
全体に赤色で体側に濃い赤色の横帯が5本、背ビレの上端が黒くなっており、尾鰭は丸い形をしています。大きさは生魚で30〜40㎝程で体の大きさに対して頭が大きいのも特徴です。比較的安価で取引される魚ですが他のミーバイと同じく味はよく、沖縄では一般的に流通しています。
ー釣り方・ポイントー
沿岸の岩礁から水深の深い漁港や磯など広く生息していて、夜によく釣れるミーバイです。シーズンは6月から11月で真夏によく釣れ、あまり根から出て餌を取らないため、根周りを集中して狙いましょう。ポイントはゴツゴツとした磯ですが、根のある防波堤や沿岸のリーフ周りでも釣ることができます。1オンス程度の扱えるタックルで小型のミノーやワームで狙いましょう。
アカジンミーバイを釣ろう
ー特徴ー
沖縄の三大高級魚アカジンミーバイ。市場では高価で売られており味もよく釣りファンの憧れの魚です。全体に赤色から黄色っぽいもの、暗色のものまであり、青っぽい斑点が特徴的です。体長60㎝程で1mになるものもある大型のミーバイで、似た魚にバラハタというシガテラ毒を持った魚がいます。
ー釣り方・ポイントー
シーズンは初夏から秋にかけて。昼行性で隆起の激しい珊瑚礁外縁や岩礁に生息しています。普段は穴の中で餌をじっと待ち構えますが、時折穴から出て辺りを泳ぎ回るためその時がチャンスです。グルクンが好物のためアカジンミーバイを狙うならグルクンのよく釣れるポイントを探すと良いでしょう。タックルは大型のものを用意し生きたグルクン一匹がけで、アタリがきたら、根に潜られる前に一気に引き込みましょう。
ミーバイ釣りの注意点
釣って楽しい食べて美味しいミーバイ。でもそんなミーバイには毒を持ったものもいるってし知っていますか?ナガージュミーバイ(バラハタ)やガラサーミーバイ(イシガキダイ)など食べる前に知っておきたいミーバイの毒について説明していきます。
知っておきたいシガテラ毒
ミーバイと呼ばれる魚の中にはシガテラ毒という毒をもっているものもがいます。このシガテラ毒は海藻に付着している植物プランクトンが作り出しておりそのプランクトンを小魚が食べる。そしてその小魚を大きな魚が食べる。といったように食物連鎖によってミーバイの体内に蓄積されていきます。シガテラ毒を持った有名な魚にナガージュミーバイ(バラハタ)やガラサーミーバイ(イシガキダイ)がいますがこれらの魚全てにシガテラ毒が含まれている訳ではありません。見た目だけでシガテラ毒を持っているのかを見極めることは不可能で、詳しい人なら獲れた場所で判断したり、黒っぽい色をしているものには含まれている可能性が高いなど諸説あるようですが、科学的根拠はなく実際は食べてみないとわからないという厄介な毒ですね。
食べたらどうなるの?
シガテラ毒をもつ魚を食べてしまうとシガテラ食中毒にかかってしまう可能性があります。シガテラ食中毒の症状としては手足や口の周りの感覚異常、下痢や腹痛などがあります。また温度感覚異常(ドライアイス・センセーション)という冷たいものを触るとドライアイスに触れて凍傷になったような感覚に陥るという症状もあります。回復までに半年から一年かかると言われています。
ナガージュミーバイ(バラハタ)とは
ナガージュミーバイ(バラハタ)とは、 沖縄の三大高級魚であるアカジンミーバイと見た目がよく似ておりアカジンミーバイと間違えて食べてしまったために、シガテラ食中毒にかかってしまったという例もあるほどです。このナガージュミーバイは全体が赤色で体表に斑点模様があり、見分け方は、ナガージュミーバイはヒレの後ろが黄色く、尖っているのが特徴です。
ガラサーミーバイ(イシガキダイ)とは
ガラサーミーバイ(イシガキダイ)もその個体数の少なさから沖縄では高級魚と言われており、釣りや潜りでしか獲れない魚です。ガラサーミーバイはハタ類ではなくイシダイ科の魚で本島でもよく聞くイシダイの近縁種です。ミーバイと名がつきますが実は一般のミーバイ(ハタ類)とは全く別物です。