神経締めとは?
釣れた魚を締めて自宅に持ち帰る方法、活け締め。そのやり方には、単に魚の延髄を断ち切りる方法や、氷の中に魚を入れたり、鯖折りなど複数の方法があります。その中でも究極の活き締め、神経締めとは一体どういったものなのでしょうか。
活き締めの方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
神経締めとは
通常釣れた魚を持ち帰る手段としては、脳の一部である延髄を破壊し、即死させる方法があります。魚の急所を仕留めるだけでなく、そこからさらに神経(脊髄)までも破壊していく締め方の事をいいます。背骨の上にある神経の穴に針金のような棒状のもの(ワイヤー)を通しギコギコと出し入れするのです。
では一体なぜそのようなことをするのでしょうか?その鍵を握るのは魚の中に含まれているATPという成分が関係してきます。
美味しさの秘訣ATP
釣れた魚をクーラーボックスの中などでそのままにしていると、死んで硬くなりやがて腐敗していきます。これは魚の中に含まれるATPが分解される事によりおこります。しかしこのATPはその過程の中で、旨味成分としても変化していきます。つまりこのATPを多く残せれば旨味成分も多く残るというわけです。
このATPは、魚がストレスを感じる事により急激に消費されていきます。ですので釣った魚は放置せず、即死させてあげる事が大切です。さらに神経(脊髄)まできちんと処置すると、脊髄反射によるATPの消費も抑える事が出来ます。
神経締めするとどうなる
この方法で旨味の素を沢山残すだけでなく、魚が腐ってしまうまでの時間を延ばしてくれるというのもポイントです。つまりこの一手間で、魚の身に旨味をたっぷり残し、新鮮な状態を長く保てるという訳です。