銀ヒラスって何者?
銀ヒラスはシルバーワレフの通称
知名度はあまり高くない銀ヒラスですが、実は海外ではシルバーワレフ(Silver warehou)と呼ばれるお魚で、和名はシルバーと名付けられています。銀ヒラスというのは日本での通称なのです。日本ではこの銀ヒラスという通称か和名のシルバーで呼ばれることが多いですが、そのほかにも目鯛や、銀シルバーといった名前で呼ばれることがあります。
イボダイに近い種類
銀ヒラスは、スズキ目イボダイ科Seriolella(セリオレラ)属で、イボダイに近い種類のお魚です。60~70㎝くらいまでの大きさまで成長します。このSeriolella属には、銀ヒラス以外にオキヒラスとシロヒラスという仲間の魚がおり、いずれも食用として重用されており、その中でも銀ヒラスは比較的廉価で取引されているお魚です。
銀ヒラスとヒラスは別物
日本では同じ魚でも各地によって、まったく違う呼び方をされる魚があります。いわゆる地方名というものですが、ややこしいことに、銀ヒラスとはまったく別の種類であるヒラマサのことを大阪や高知、九州などの地域でヒラスと呼ぶ場合があるので、気をつける必要があります。
銀ヒラスの特徴①産地はどこなの?
生息域は南半球
銀ヒラスは、オーストラリア南部やニュージーランド、アルゼンチン沖といった南半球の、水深500m前後の海に群れで生息している、いわゆる深海魚です。それら南半球の国々では食材として比較的ポピュラーなのですが、残念なことに、実は日本近海では釣りや漁業で獲れる可能性がほとんどないお魚なのです。
お店で買えるのは輸入品
日本では獲れないのに、銀ヒラスやシルバーという名前で大手スーパーや鮮魚店に並んでいる銀ヒラスですが、もちろんそれらは海外からの輸入品です。オーストラリア、ニュージーランド、チリなどの国で主にトロール漁業で漁獲されたものが冷凍され、盛んに日本へ向けて輸出されており、お店、そしてわたしたちの食卓に並んでいるのです。
銀ヒラスの特徴②優れた栄養価
豊富なタンパク質とビタミン・ミネラル類
銀ヒラスは良質なタンパク質だけでなく、ビタミン・ミネラル類も豊富に含んでいます。疲労回復をはじめ体を健康な状態に保つのに役立つビタミンB群や、生活習慣病予防や免疫力のアップに効果があると言われているビタミンE、体の機能を正常に働かせるのに必要なカルシウムやリン、マグネシウムといった必須ミネラルなど、とてもたくさんの栄養素を含んだ優れた食材なのです。
実はダイエット向きの食材
栄養豊富な銀ヒラスですから、たくさん食べたいと思っても、やはり気になるのはカロリーですが、他のおもな食用魚と比べてやや低カロリーかな、という程度です。
可食部(生)100gあたりエネルギー(単位キロカロリー)(五訂増補日本食品標準成分表)
- まあじ 121
- まさば 202
- さんま 310
- すけとうだら 79
- ぶり 257
- みなみまぐろ赤身 93
- みなみまぐろ脂身 352
- シルバー(銀ヒラス) 153
ただ、銀ヒラスは、脂質や糖質を分解する酵素の働きを補助するナイアシン(ビタミンB3)の含有量が高いので、良質なタンパク質を多く含んでいる点と合わせると、実はダイエット向きの食材とも言えるのです。
銀ヒラスの旬はいつ?
脂が乗るのはやはり冬
銀ヒラスは水温が低くなる冬の時期になると脂が乗ってくるそうなので、南半球の冬、つまり日本では夏の時期が旬と言えるでしょう。ただし、銀ヒラスは南半球で漁獲され、冷凍されたものが日本へ輸出されたのち加工されたものが、一年を通して店頭に並ぶので、旬の時期というのは日本ではあまり意識する必要はなさそうです。
銀ヒラスって美味しいの?
くせのない美味しい白身魚
銀ヒラスは白身魚でありながら、かつて沖ブリという名前で、赤身魚であるブリの代用魚として利用されていたこともあり、味はブリに似ている美味しいお魚です。(現在は消費者庁の加工食品品質表示基準の規定で、銀ヒラスを沖ブリという名称で販売することはできません。)輸入品である都合上、日本では、とれたて新鮮なお刺身でというわけには、なかなかいかないのですが、さまざまな料理でその味を楽しめるお魚です
銀ヒラスのおすすめレシピ①和風料理
和食にも抜群の相性
もともと日本ではなじみがなかった銀ヒラスですが、ブリに似ているとは言っても、比較的淡白な白身のお魚ですので、スーパーなどで売っている他のお魚の切り身と同じようなレシピで調理するだけで美味しく食べることができる、とても便利な食材です。
銀ヒラスの照り焼き
ブリに似た銀ヒラスですから、ブリの代表的な料理である照り焼きが合わないはずはありません。調理方法はいたって簡単で、ブリの照り焼きのレシピをそのまま利用してみましょう。それだけで美味しい銀ヒラスの照り焼きの完成です。
銀ヒラスの西京焼き
魚の切り身を味噌漬けにして焼いた西京焼きと言えばサワラが有名ですが、銀ヒラスももちろん利用できます。西京味噌の甘味とコクが、淡白な銀ヒラスの身によく合い、とても美味しくできあがります。