エイガードは必須なのか
アカエイの威力
アカエイは日本のほぼ全ての海底の、浅い砂場に生息しています。アカエイは大きいものだど尻尾も含めて全長2mほどにもなります。その鞭のような尾の先には細かく並んだ短い棘と、1〜2本の長い棘があり、この長い棘が毒針です。毒針の先には返しが付いていて、一度刺さるとなかなか抜けない上に強いタンパク質毒のため、強烈な痛みに苦しむ事になります。エイ達は昼間は海底の深い方に潜んでいますが、夜になると浅瀬に寄って来ます。ナイトプレイの場合は足元はほとんど見えませんので、どうしてもエイに刺される事故が多くなります。
刺されないための対策
ウェーディングは基本すり足ですが、それでも間違ってエイを踏んでしまうことはよくあります。エイガードは値段も高いので、購入をためらいがちですが、エイ対策をしておくに越したことはありません。大きなアカエイの毒針は簡単に長靴やウエットスーツを貫通します。刺されたからといって即死というものではありませんが、強烈な痛みに襲われ、毒が抜けるまで一週間から一ヶ月の治療を要するので、釣りどころか日常生活にも支障をきたすことでしょう。不慮の事故を防ぐためにも、エイガード装着は必須と言えます。
エイガードの種類
外付けタイプのエイガード
エイガードには大きく分けて2種類あり、外付けタイプとインナータイプがあります。外付けタイプというのはブーツをはいた上から装着するものです。装着の仕方も様々で、ベルトで固定するタイプや、ブーツにフックで引っ掛けるものなどがあります。ブーツの外側に装着するので、歩きにくさはありますが、一万円程で購入できるので、お財布にやさしいのは外付けタイプです。
インナータイプのエイガード
対するインナータイプはウェーダーの中にはく靴下のようなタイプのものです。靴下といっても防刃ベストや耐切創手袋などに使われる特殊繊維で出来ており、エイの棘も貫通しない防御力を持っています。しかし、特殊素材ゆえにお値段も4〜6万程と高めになっており、購入を躊躇する要因となっています。決して安い買い物ではないので予算と、はき心地、可動域などをよく確認してから購入すると良いでしょう。初心者向けウェーディングセミナーなどでは、エイガードの無料貸し出しなどもやっているので、実際使用して見てから外付けタイプにするか、インナータイプにするか決めることもできます。
防御ではなく退治のエイガード
逆転の発想でエイを寄せ付けない
上記のエイガードは、エイの攻撃から足を守るタイプのものですが、逆転の発想で、そもそもエイを自分に近づけないためのアイテムがあります。電流刺激タイプと呼ばれ、その方法はエイが嫌う特定の電流を水中に流し、エイの接近を防ぐというものです。防水ケースに電池の入った本体をライフジャケットに装着し、2本のケーブルを足に這わせる形で足に固定します。水中に入れるとケーブルの先から電流が流れ、エイが逃げていくという構造。5千円程度から購入できるので、インナータイプや外付けタイプのエイガードと合わせて使うこともできます。小型なので装着による身体への負荷はほとんどなく、長時間の使用にはぴったりです。
エイガードそれぞれのメリット・デメリット
外付けタイプのメリット・デメリット
外付けタイプは値段が一万円前後から購入でき、自前のウェーダーのサイズ、タイプに関わらず装着できるメリットがある一方、見た目がよくない、動きにくいといったデメリットがあります。ものによっては装着も面倒だったり、爪先やかかとなどは完全にガードされてはいない不安点があります。ブーツにフックで引っ掛けるタイプのエイガードだと、自前のブーツと合わず結局ウェーダーを買い替える事になった事例もありますので、注意が必要です。
インナータイプのメリット・デメリット
インナータイプは靴下のようにウェーダーの中に装着するので、見た目もすっきり、水の抵抗を受けないので歩きやすいというメリットがあります。しかし、ぴったりしたウェーダーの中には履けず、結局ウェーダーをワンサイズ大きいものに買い替えなければいけない可能性があります。さらに実際エイに攻撃された際、足まで貫通することは防げるものの、ウェーダーには穴が開くというデメリットも考えておく必要があるでしょう。
エイガードの代用品を探してみよう
スポーツ選手のレッグガード
野球の打者用の足プロテクター、ムエタイ選手用のレッグガード、空手用のレガース、マウンテンバイク用のプロテクターなどは4〜5千円から購入でき、脱着もしやすいので、代用のエイガードとしても効果が期待できます。競技用なので、膝や足首などの柔軟性、軽さ、フィット感は優れています。ただ、ふくらはぎや踵、爪先などはガードされていないので、若干不安が残ります。
安全靴・作業ブーツ
工事現場などで使用される安全靴は、工具の回転刃やドリルの貫通を防ぐ鉄板が入っているので、エイの毒針も十分防御できるでしょう。ただし、ブーツ一体型のウェーダーには当然使用できません。安全靴をウェーディングシューズがわりに使うという事なので、安全靴や作業ブーツを使用するには、排水用の穴を自作で加工する必要があります。
脚絆・ゲートル
工事現場の作業員や、港湾作業員が使用している脚絆もエイガードの代用品として一定の効果が期待できます。足のすね、足の甲を保護する目的のもので、特にステンレス入りの脚絆は、すねの部分にはステンレス板内蔵、その他の部分は丈夫な帆布でできています。外付けタイプのエイガードに似た構造で、脱着も簡単、何より2〜3千円で手に入るのが嬉しいところです。