キャンプでの燻製とは
キャンプ燻製とは文字通りキャンプで燻製調理をすることですが、本来燻製は長い場合は数日かけて食材に煙をまとわせて、風味を引き出し、殺菌し保存可能な食材に変化させるものです。
キャンプ燻製はその工程を「熱燻製」という方法によって数時間に短縮してキャンプで行うものです。この章ではキャンプ燻製の種類と基本をご紹介していきます。
燻製の種類:冷燻法
燻製には冷燻法、温燻法、熱燻法の3種類があります。違いは調理中の温度と時間です。冷燻法は25度以下の温度で燻製する方法で、温度が低いため2週間から数ヶ月という長時間の燻製が必要です。
これによって食材の中の水分のほとんどが抜け、美味しさが凝縮されます。ただし、燻製期間中に外気温が25度を超える場合は行えません。
燻製の種類:温燻法
温燻法はもっとも一般的な燻製方法で、日頃私たちが目にする「スモーク」と名付けられている食品のほとんどがこの温燻法で行われます。特徴は50度から80度の温度で燻製し、燻製期間は数日から1週間です。
食材に残る水分は50%程度なので、日持ちしにくいため、調理後はすぐに食べたほうがいいです。
燻製の種類:熱燻法
短時間の燻製のため、食材中の水分の多くは中にとどまり、ジューシーさを残したまま、スモークされた風味を楽しむことができます。
知っておきたい燻製づくりの基本
キャンプでの燻製は比較的短時間で調理できる「熱燻法」を行います。熱燻法は「蒸し焼き+香りづけ」程度の燻製で、1時間程度のスモークがオススメです。
燻煙材はスモークチップとスモークウッドを使います。違いは、前者が電熱器などの熱源が必要で、後者はスモークウッド自体に火をつけるので熱源を必要としないところです。
簡単に作れるキャンプでの燻製レシピ
キャンプ燻製の大まかな流れは①「食材の下ごしらえ(乾燥など)」②「燻製する」の2段階です。この章では①をメインに取り上げます。
それは燻製方法での注意点が温度と時間という点が共通しており、それ以上に出来上がりは下ごしらえ次第で大きく変わってくるためです。キャンプ燻製をおいしく仕上げるためのポイントをご紹介します。
定番キャンプの燻製レシピ:チーズ
チーズの燻製の場合、下準備ほとんと必要なく、お好みで表面にブラックペッパーやハーブソルトを振ると、塩気やスパイシーさ、ハーブの香りも加わり、風味が豊かになります。
燻製時間はおよそ40分程度で出来上がるので、ちょっとおつまみが欲しい時にオススメです。
定番キャンプの燻製レシピ:ゆで卵(くんたま)
卵の中が半熟の「くんたま」のレシピをご紹介します。作り方は「半熟卵を作る」→「つけだれ(砂糖1つまみ、醤油40ml、みりん60ml、酒100ml)に一晩漬ける」→「しっかり乾燥させる」→「30分ほど燻製」→「冷蔵庫の中で1時間ほど寝かせる」。
燻製後すぐだと風味がきつい場合があるので、寝かせることで風味が落ち着きます。
定番キャンプの燻製レシピ:サーモン
スモークサーモンはおつまみだけでなくおにぎりの具としても使えるため、大人から子供まで幅広く味わうことができます。
レシピは「サーモンの切り身に塩を振る」→「ピチット(食品乾燥用シート)でくるみ1日放置」→「3〜5時間の燻製」。燻製後は冷蔵庫で寝かせることで風味が馴染みます。
定番キャンプ燻製レシピ:ナッツ類・ドライフルーツ
燻製料理で定番中に定番のナッツ類、そしてドライフルーツの燻製レシピをご紹介します。この2種類はもともと乾燥されているので下準備が不要です。
さらに燻製時間も10分程度かなり短いのでお手軽に作ることができます。おつまみで余ったナッツやドライフルーツで作ることができるのでオススメです。
簡単にできるキャンプでの燻製の方法
この章ではキャンプでの燻製方法をご紹介します。前述の燻製工程の②に当たります。スモークチップやスモークウッドなどの燻煙材やスモーカー(燻製器)の選び方、燻製工程の進め方と注意点を動画を交えながら説明していきます。
スモーカー(燻製器)の種類と選び方
スモーカーには大・中・小の大きさがあり、小さいものは小鍋程度の大きさのものから大きいと一斗缶やそれ以上の大きさのものになります。大きさを選ぶ上で重要になる尺度は「時間」です。
小さいものは短時間での燻製に向いていて、大きいものはじっくり時間をかける燻製に向いています。キャンプでは小〜中型のスモーカーがオススメです。
燻製器のおすすめについては以下の記事もあります。
燻煙材のタイプの種類
燻煙材のタイプは前述の通り熱源が必要かどうかで異なり、スモークウッドの場合はスモーカーの中が熱くなりすぎることがなく、温度管理が比較的簡単です。
スモークチップは熱源として電熱器や火を使うので、高温になりすぎないように温度計などを見つつ温度管理をしましょう。
燻煙材の選び方
燻煙材の樹種選びで大事な尺度は「食材の匂いの強さ」です。豚肉や魚など食材の匂いが強い場合は香りの強いサクラ、食材の匂いが弱い場合は風味豊かなリンゴ、初心者向けのナラ、オールマイティーなヒッコリーとクルミがオススメです。
食材の匂いが強い場合はそれに負けない香りで、逆に匂いが弱い場合はアクセントとして燻煙材を選びましょう。
実際にキャンプ燻製を作ってみよう!
ソロキャンプでの燻製の模様を動画でご紹介します。動画ではベーコンとちくわの燻製を作っています。いきなりぶっつけ本番に挑むよりも、動画を見ることで工程の進め方を確認し、イメージしておくと安心です。
コストパフォーマンス最高!ダンボールを使ったキャンプ燻製
キャンプでの燻製方法をご紹介してきましたが、スモーカーとしてダンボールを用いる「ダンボール燻製」というのがあります。メリットとしてはコストパフォーマンス良く、スモーカーの費用がほぼタダです。この章ではダンボール燻製の良さと必要な道具をご紹介します。
ダンボールを使うよさは
ダンボール燻製ではスモーカーを自作することでスモーカー代が節約できます。また、ダンボールは保温性に優れているので、内部の温度が外気に影響されにくいということが言えます。