フカセ釣りってどんな釣り?仕掛けや魅力について【入門編】

ただ、いくらマキエで魚を誘うことができても、ツケエサ(ハリに付けたエサ)に引っ掛からなければ意味がありません。そのためには、マキエとツケエサを「同調」させることが重要です。マキエで海中に煙幕を作り、その中にツケエサをカモフラージュさせるのです。うまく同調できるかは、マキエの撒き方に左右されます。

エサ取りをマキエでかわすことも可能

逆に、エサ取りの魚をマキエでかわすこともできます。この場合、ツケエサとマキエの同調とは正反対の戦略をとります。まずエサ取り用のマキエを投入し、そこにエサ取りをおびき寄せます。その隙を狙って、別のポイントで本命の魚を釣り上げるのです。こうした臨機応変な釣り方ができるのは、フカセ釣りの大きな魅力です。

仕掛けの作り方は?

まずは大まかな仕組みから理解しよう

それでは、仕掛けの作り方について詳しく見ていきましょう。フカセ釣りの仕掛けには、たくさんのパーツを使います。初心者には、どうしても難しく見えてしまいます。そこで、仕掛けの全体像をイメージできるように、まずはウキを遊動式にする仕掛けから説明していきます。

仕掛けの作り方① ウキが道糸を遊動する仕掛け

最重要パーツは「ウキ止め糸」

ウキを遊動式にするための最重要パーツは「ウキ止め糸」です。仕掛けの中で、釣り竿にもっとも近い位置にセットします。具体的には、ウキ止め専用のウキ止め糸を道糸に結び付けます。ウキ止め糸の色を道糸と違う色にしておけば、結んだ後に位置を把握しやすくなります。

ウキ止めの位置がタナの深さを決める

ウキ止め糸の結び目の位置で、タナの深さが決まります。その仕組みを説明しましょう。まず、ウキの位置は常に水面です。そのため、ハリが沈むとウキは道糸を上ります。その上限をウキ止めで設定します。つまり、ウキ止めを上にするほどハリが水中深く沈みます。ハリからウキ止めまでの距離が、そのままタナの深さになるのです。

ウキ止めの相棒「シモリ玉」

「ウキ止め」という名前に反して、ウキ止めだけでは完全にウキを止めることができません。ウキ止め糸の結び目を、ウキがすり抜けてしまうのです。そこで必要になるのが、「シモリ玉」というパーツです。セットする位置は、ウキ止めとウキの間です。ウキ止めがシモリ玉を止め、さらにシモリ玉がウキを止めるという仕組みです。

ウキをスライドさせる道具「スイベル」

ウキを道糸に結び付けるだけでは、ウキが固定されてしまいます。そうならないようにするための道具が「スイベル」です。片側に道糸を通す小さな輪っかがあり、その反対側はウキと連結できるようになっています。この金具を使うことで、ウキが道糸に沿ってスライドするようになります。

NEXT 道糸の終点でウキを止める「からまん棒」