ウキを道糸に結び付けるだけでは、ウキが固定されてしまいます。そうならないようにするための道具が「スイベル」です。片側に道糸を通す小さな輪っかがあり、その反対側はウキと連結できるようになっています。この金具を使うことで、ウキが道糸に沿ってスライドするようになります。
道糸の終点でウキを止める「からまん棒」
スイベルによって、ウキが道糸をスライドするようになりました。またウキ止めとシモリ玉によって、釣り竿側でウキの動きを止められるようになりました。もっとも、これだけではハリス側へ際限なくウキがスライドしてしまいます。そこで、道糸の終点に「からまん棒」をセットします。これでウキがハリスに絡まないようにすることができます。
「ウキ止め→シモリ玉→スイベル→からまん棒」の順番でセット
以上が遊動式ウキの作り方です。各パーツを道糸にセットする順番をまとめると、釣り竿側から「ウキ止め糸→シモリ玉→スイベル→からまん棒」です。これらのパーツのセットが終われば、道糸部分のタックルは完成です。この後は、ハリス部分のセッティングに移ります。
Contents
仕掛けの作り方② ハリス部分の仕掛け
サルカンでハリスを道糸に接続
ハリスのセッティングは、通常のウキ釣りと同様に考えてOKです。まず、サルカンを使って道糸とハリスをつなぎましょう。サルカンとは、2つの輪っかが連結された形状の金具です。一方の輪に道糸を結びつけ、もう一方の輪にハリスを結びつけます。ハリスの素材は通常通りフロロカーボン製でよいでしょう。
ハリとガン玉も忘れずに
ハリスの先端を道糸につないだら、反対側の先端にはハリを結びましょう。また、ガン玉も忘れずにセットしましょう。ガン玉とは、オモリの一種です。風や波の状況によっては、仕掛けが沈みにくくなってしまうことがあります。そんなとき、ガン玉をハリスにセットしておくことで、仕掛けの沈み方を調節することができるのです。
フカセ釣りで釣れる魚
では、フカセ釣りで釣れる魚について見ていきましょう。非常に柔軟な釣り方が可能なので、あらゆる魚に対応できます。ただ、フカセ釣りの手法を大きく分けるならば、「メジナ狙い」と「クロダイ狙い」の2つに分類できます。そこで、それぞれの釣り方のコツについて説明します。
釣れる魚① メジナ狙いのコツ
潮の流れがある場所を狙う
メジナは、ふだん海底の岩礁帯に潜んでいます。近くへエサが流れてくると、浅い場所まで浮上します。この習性を利用して、マキエで浅い場所までおびき寄せます。なお、メジナは泳ぎが得意で、潮の流れが速くても気にしません。むしろある程度潮の流れがないと、エサがあっても反応しません。そこで、潮の流れがある場所を狙うことになります。
釣れる魚② クロダイ狙いのコツ
潮の流れが緩い場所を狙う
クロダイは、海底の傾斜部分を回遊しています。動き回っているところへマキエを撒き、足止めさせます。マキエを撒く意味合いが、メジナとは変わってくるのです。また、クロダイは泳ぎがあまり得意ではなく、潮が緩んだ場所を好みます。そのため、周囲に比べ潮の流れが緩やかなところを狙っていきます。この点も、メジナとは逆の戦略になります。
あると便利なお役立ちタックル
お役立ちタックル① バッカン・水汲みバケツ
フカセ釣りには、マキエが重要な役割を果たします。そのため、マキエを常に手元に置いておくためのバッカンを用意しておくと、非常に役に立ちます。また、マキエを練るために海水が必要になるので、すぐに海水を使えるように水汲みバケツがあると便利です。どんな場所でも海水を汲み上げやすいように、ロープ付きのものを選びましょう。
お役立ちタックル② ヒシャク
マキエを撒くにために、専用のヒシャクを用意しておくと便利です。マキエを撒くポイントが釣果を左右することもあるため、ヒシャクの使いやすさは重要です。たとえばカップ部分のサイズが大きすぎると、マキエがすぐになくなってしまいます。柄の長さもマキエの撒きやすさを左右します。一般的には柄の長さが70㎝のものが使いやすいでしょう。
お役立ちタックル③ 偏光サングラス
フカセ釣りでは、潮の流れやマキエへの反応を細かく観察する必要があります。そのため、海面を注意深く見つめなければなりません。しかし、太陽光を乱反射する海面を見続けるのは、目にとって大きな負担となります。そこで役に立つのが偏光サングラスです。不要な光をカットして、目への負担を軽減してくれます。
奥が深いフカセ釣りにチャレンジしよう!
今回は、フカセ釣りについて詳しく見てきました。仕掛けが複雑なので、初心者の方にはハードルが高いと思われることが多いのですが、ポイントを押さえれば決して難しくはありません。むしろ様々な工夫ができるので、狩猟本能を刺激してくれる奥の深い釣り方です。釣りの原点ともいえるフカセ釣りを、あなたもぜひ楽しんでみてください。