フカセ釣りにはどんな魅力があるの?
無限に釣り方をカスタマイズできる奥深さが魅力!
「フカセ」とは、仕掛けを潮に「吹かせて」(=流して)釣ることを意味します。時々刻々と変化していく潮の流れに合わせて、仕掛けの位置を柔軟に変えていく釣り方のことです。狙う場所を臨機応変に変えることができるので、釣りたい魚や釣り場の状況に応じて無限に釣り方をカスタマイズできるという魅力があります。
フカセ釣りの特徴って?
最大の特徴は「遊動式のウキ」と「マキエ」
フカセ釣りには、大きな特徴が2つあります。それは「ウキが自由に移動する遊動式になっていること」、そして「針に刺したエサとは別に、海にマキエを撒いて獲物をおびきよせること」です。遊動式ウキとマキエによって、臨機応変で柔軟な釣り方が可能になるのです。そこで、これらの2つの要素について詳しく見ていきましょう。
特徴① 遊動式のウキ
本来の「フカセ」ではウキを使わない
「フカセ」とは元々、ウキを使わない釣り方を意味しました。ほとんど糸とハリだけの単純な仕掛けを潮に流して、ゆっくりと沈めます。チヌ狙いの「落とし込み釣り」などがこれにあたります。ただ、ウキを使わないので釣り竿が直接届く範囲にしかキャストできないという弱点があります。
現在の主流は「ウキフカセ」
そのため、現在の主流はウキを使う「ウキフカセ」です。重要なのは「ウキを固定しない」という点です。通常のウキ釣りのようにウキゴムでウキを固定すると、ウキ下の長さも固定されるのでハリが沈む深さを変えられません。そこでウキを遊動式にして、道糸上を自由に移動できるようにするのです。
ウキが動くことでタナの深さを変えられる
ウキを遊動式にして自由に動くようにすると、タナの深さ(=ハリが沈む深さ)も自由に変えることができるようになります。そのため、潮の流れなどの状況から魚の居場所を予想して、狙う深さを変えることができるのです。これが、フカセ釣りの醍醐味の1つです。
特徴② マキエ
マキエ=陸上から撒くエサ
フカセ釣りでは、マキエも大事な要素です。マキエ(コマセと呼ぶこともあります)とは、陸上から海面に向かって撒くエサのことです。海に撒いたマキエは、潮の流れに乗って海中を漂います。そこへ誘われてきた魚を狙って釣るのです。
マキエの撒き方が釣果を左右する
ただ、いくらマキエで魚を誘うことができても、ツケエサ(ハリに付けたエサ)に引っ掛からなければ意味がありません。そのためには、マキエとツケエサを「同調」させることが重要です。マキエで海中に煙幕を作り、その中にツケエサをカモフラージュさせるのです。うまく同調できるかは、マキエの撒き方に左右されます。
エサ取りをマキエでかわすことも可能
逆に、エサ取りの魚をマキエでかわすこともできます。この場合、ツケエサとマキエの同調とは正反対の戦略をとります。まずエサ取り用のマキエを投入し、そこにエサ取りをおびき寄せます。その隙を狙って、別のポイントで本命の魚を釣り上げるのです。こうした臨機応変な釣り方ができるのは、フカセ釣りの大きな魅力です。
仕掛けの作り方は?
まずは大まかな仕組みから理解しよう
それでは、仕掛けの作り方について詳しく見ていきましょう。フカセ釣りの仕掛けには、たくさんのパーツを使います。初心者には、どうしても難しく見えてしまいます。そこで、仕掛けの全体像をイメージできるように、まずはウキを遊動式にする仕掛けから説明していきます。
仕掛けの作り方① ウキが道糸を遊動する仕掛け
最重要パーツは「ウキ止め糸」
ウキを遊動式にするための最重要パーツは「ウキ止め糸」です。仕掛けの中で、釣り竿にもっとも近い位置にセットします。具体的には、ウキ止め専用のウキ止め糸を道糸に結び付けます。ウキ止め糸の色を道糸と違う色にしておけば、結んだ後に位置を把握しやすくなります。
ウキ止めの位置がタナの深さを決める
ウキ止め糸の結び目の位置で、タナの深さが決まります。その仕組みを説明しましょう。まず、ウキの位置は常に水面です。そのため、ハリが沈むとウキは道糸を上ります。その上限をウキ止めで設定します。つまり、ウキ止めを上にするほどハリが水中深く沈みます。ハリからウキ止めまでの距離が、そのままタナの深さになるのです。
ウキ止めの相棒「シモリ玉」
「ウキ止め」という名前に反して、ウキ止めだけでは完全にウキを止めることができません。ウキ止め糸の結び目を、ウキがすり抜けてしまうのです。そこで必要になるのが、「シモリ玉」というパーツです。セットする位置は、ウキ止めとウキの間です。ウキ止めがシモリ玉を止め、さらにシモリ玉がウキを止めるという仕組みです。