アブラボウズとは
アブラボウズとは深海魚の一種で。カサゴ目ギンダラ科に属する魚類です。現在発見されているギンダラ科は2種類でその内の一種がアブラボウズにあたります。あまり聞いた事がない名前の魚ですが、最近注目を浴びています。
アブラボウズは大きな魚
最も大きい物で全長183㎝、体重が91kgまで成長し、カサゴ目の種類の中では最も大きいとされています。身体の特徴ですが、若い個体では身体に白い斑点模様がありますが、成長とともに灰色に統一されます。
アブラボウズの別名
明治30年代に遡りますが、小田原周辺で良く漁獲されており、地元の人たちからは「オシツケ」、「オッツケ」と言われており、地域食として人々に親しまれていました。「オシツケ」の始まりは、見た目の不気味さから毒味を押し付け合ったと言われています。
アブラボウズの生息
深海魚であり、主に北太平洋の深海で生息しています。日本では東京都伊豆大島の水深1000mにも生息しているとされています。海深くに生息する深海魚なので、体の作りが異形であり、名前の由来である油(脂肪分)が体の約40%を占めています。
アブラボウズはオホーツク海に生息している
オホーツク海とは、北海道の北東に位置する樺太、千島列島、カムチャッカ半島等に囲まれた海です。水深は最大で3668mあり平均水深は838mになります。オホーツク海でアブラボウズは水深400mの岩場などに身を隠して生息しています。
アブラボウズは千葉県などが有名
千葉県などでは良く知られた名前です。日本近郊では、オホーツク海の次に漁獲が行えます。伊豆大島付近では、年に数匹100kg超えのアブラボウズが漁獲されることもあります。また、千葉県では積極的にアブラボウズを飲食店で取り扱っている所も多いです。
アブラボウズと下痢の関係
見た目とは異なり良質な白身が有名であり、多くの食通を唸らせてきました。あの幻の魚「クエ」と肉質は似ていますが、クエとは異なり、脂がのった身はマグロに間違えられる程です。またクエよりも安価である事から、昔はクエと偽り提供されていました。安価で美味である事から、食べ過ぎてしまい、腹痛を引き起こしてしまう方が多いです。
アブラボウズは食べすぎると下痢を起こす
見た目とは異なり白身ながら淡白で美味しく、沢山食べてしまいがちですが、食べ過ぎると下痢を起こしてしまします。そのため行政の規定をもとにすると、熱処理をされていない刺身であれば一回の食事で3切れまで(約60g)、焼きや煮物等の熱処理をしていれば120gまでに留めて起きましょう(成人の場合)。
アブラボウズで下痢になるメカニズム
トリグリセリドという脂肪酸は中毒性はなく、人体の中でも分解が行える飽和脂肪酸の一種です。しかし消化をするのに時間がかかるため、食べ過ぎてしまうと消化が追いつかずに、消化不良となったのちに下痢をしてしまいます。
上記で名前が出たクエという魚は非常に高級で幻の魚と言われている程です。アブラボウズと一緒に知る価値がある魚ですので下記に紹介します。こちらもどうぞ。
アブラボウズの値段
クエよりも安価で大まかにクエの7分の1の値段で取引されています。しかし、深海魚な上に良質な身も曖昧見えて、貴重な高級魚です。同じグラム数の他の白身魚の約2倍以上の価格で取引されています(変動は激しいです)。
アブラボウズに出会えるのはまれ
アブラボウズもクエ程ではありませんが、他の魚と比べると希少な高級魚です。東京の築地にも年に数回しか出品されない程です。そのため中々お目にかかる事はありませんが、スーパーに売っている事も時々あるようです。
アブラボウズは値段が安定しない魚
値段が変動しやすく、クエは1kg8000〜10000円で取引されることが多いですが、アブラボウズは1kgあたり2000〜8000円と幅広く取引されています。現在ネットオークションでは1kgあたり1700〜1800円で落札(10kg等のまとめ売り)されています。
アブラボウズ料理をご紹介
アブラボウズは金目鯛に並ぶ高級魚であり、その身の美味しさから、生でも焼いても煮ても美味しく食べる事ができます。ここでは、それぞれの料理について美味しさの特徴や簡単な調理方法も交えて解説していきます。