カニ釣りの基本的な方法
カニ釣りは、魚のように針を口にかけて釣るわけではありません。専用の網をキャストして、網に絡ませて捕まえる釣りです。餌を入れたカニ網を投げて、カニがエサ袋のエサを食べようと爪を動かしているとナイロン網にハサミが絡まってそこを網ごと回収するという流れになります。
カニの聴覚と視覚を利用して釣るためには、狙ったポイントに仕掛けをキャストした後、1,2回しゃくりを入れることが重要です。周辺にエサの匂いを広めることができ、それをもとにカニが餌の存在を知ることができるのです。回収する際にはロッドを立てて素早くリールを引きましょう。海底で網を引きずることになるので、ロッドを降ろしたままリールを巻くと根掛かりの原因となるためです。
カニ釣りの仕掛け
カニ釣りの仕掛けは、針が必要無く、エサ袋の側についている網に絡まったカニを捕獲するというもので、その構造は非常にシンプルになっています。先端に錘、中央にエサ袋、その周りにカニを絡めとる目の細かい網という構造で、自作も簡単です。カニ釣りの仕掛けは次の2ステップで製作することができます。
1、ミチイトの先にスナップ付きサルカンを装着する。
2、スナップ付きサルカンの先にカニ釣りの網を装着する。
近年ではキャスティングすることのできるカニ釣り専用の仕掛けも市販されています。太いロープがセットになっているものは、竿を使わずに岸壁やテトラポットから直接つりさげてアプローチするタイプの製品です。岸壁沿いや船の下を泳いでいるカニを狙う際に有効な仕掛けです。
カニ釣り用のタックル
カニを釣るというからには、カニ専用の道具などが必要なのかというと、実のところほとんどは一般的な釣り用具と変わりません。カニ専用に必要なのはカニ釣り用の「カニ網」位のものです。ただし、一般的な魚をターゲットとした釣りとは少し性格の異なる釣りなので、予め要点を抑えて道具を準備するようにしましょう。
カニ釣りに必要な道具その1[竿]
カニ釣りはインターバルを置いてカニ網を回収するといった作業的な釣り方なので、重要なのは投げる重さを推定したロッドを選択することです。魚のような引きもアタリも無いため、感度を重視する必要もないので、錘に耐えられるのであればどのような竿を使っても問題ありません。錘の負荷は、使用するカニ網に付属している錘の重さより10号重い竿を選択することです。基本的には、遠投磯竿や投げ竿、船竿を使用することが多いようです。
カニ釣りに必要な道具その2[リール]
リールも竿と同様で、カニ釣り用のリールが存在するわけではありません。一般的な魚釣りのようにターゲットからの引きがあるわけでもないので、ドラグの性能を重視する必要もなく、錘に耐えられるパワフルなリールであればどのようなリールを使っても問題ありません。カニが2,3匹掛かることを想定して、カニ網と錘、カニの合計の重さに耐えられるパワーのあるリールと、その重さで切れない太さの糸を用意すればそれ以上の性能を求める必要はありません。
カニ釣りが楽しめるポイント
カニ釣りが楽しめるポイントは、河口付近やテトラポットの周辺、内湾の岸壁となっています。障害物の多い場所や、潮が集まる場所、エビや小魚、ゴカイやイソメなどのエサが豊富に存在している場所にはカニも多く集まってきます。特に、魚市場前の岸壁などはカニの好物のイソメ類や魚の死骸などのエサが豊富なポイントです。反対に、カニの天敵であるサメやエイ、タコなどの肉食生物がいる場所では障害物に隠れている可能性も高いため、釣れる可能性は低くなってしまいます。
カニ釣りで釣れるカニの種類
カニ釣りで代表的とされる5種類のカニです。テトラポットや浜辺を散策する際に見かけることも多いのではないでしょうか。カニ釣りでは、浅瀬だけではなくより深いポイントに生息するカニもターゲットとなるため、思いがけぬ大物を釣り上げることもあるかもしれません。
イシガ二
日本全国に生息する、もっともポピュラーなカニの一種です。汽水域から堤防まで、岸に近い浅瀬を特に好みます。
タイワンガザミ
青っぽい体色のため「青ガニ」とも呼ばれるカニです。
ワタリガニよりもやや暖かい地域を好みます。
ヒラツメガニ
イシガ二とならんでカニ釣りでメインとなるターゲットです。
殻が柔らかく食べやすいのが特徴です。また、背中にH型のくぼみを持っています。
モクズガニ
日本全国に生息し、生息域も用水路から河口付近とかなり広めです。
ハサミに毛が生えることが特徴で、英語で”Mitten crab(手袋ガニ)”と呼ばれる所以です。