ワタリガニ
「ガザミ」とも呼ばれています。日本全国に生息し、味が良いために、カニ釣りでは特に人気のターゲットとされています。
カニ釣りが楽しめる時期
カニ釣りは一般的に春から秋までの暖かい時期に楽しめます。
カニは冬になると水温低下とともに深場に移動して冬眠をする場合もあるので、岸からカニを狙っての釣りが楽しめるのは春から秋までの暖かい時期が中心となります。
ただし、どの地域でも産卵やエサの移動の関係で、良く釣れる時期、釣れない時期が異なるため、インターネットなどを通じて予め出かける地域の情報を仕入れておくようにするとよいでしょう。基本的には、カニ釣りはどこでも晩秋にピークを迎える所が多いようです。
カニ釣りにおすすめの時間帯
ターゲットとなるカニは基本的に夜行性のため、昼間は砂の中に潜ってじっとしていることが多いです。餌を探し求めてカニが接岸してくるのは夕方から朝方にかけての夜中が中心の時間帯になるので、そこを狙って釣りに出かけるのがおすすめです。また、カニがエサを探す際には、潮の流れに乗って泳いでくるため、潮の動きが大きくなる大潮のタイミングがチャンスです。
カニ釣り向けのエサ
カニのエサは、比較的安価なサンマやイワシなど青魚が一般的です。また、カツオのアラやイカの内臓、魚の内臓や血合いなど、臭いが強力なものがより効果的です。白身魚ではかなり分が悪くなってしまうため、使わない方が無難です。また、カニは匂いで釣るので、冷凍のものではなく、なるべく生に近い状態のものを用意するほうが良いでしょう。
カニ釣りはカニの嗅覚を利用することが重要です。臭いの強いイカの内臓は「イカゴロ」とよばれ、集魚性の高いエサですがなかなか手に入らないので、市販のイカの塩辛などでも代用してもよいでしょう。魚類は、スーパーなどの鮮魚コーナーで安く仕入れましょう。1尾を2,3切れにして付属のエサ用袋の中に入れて口を縛れば準備完了です。
カニ釣りのコツ
竿を使ったカニ釣りのコツ
竿を使ってカニ釣りを楽しむ場合は、魚を相手にするのとは異なりアタリや引きを楽しむことはできないので、釣れているかどうか定期的にチェックしましょう。カニが絡まるまでの間、大体10分から15分ほどのインターバルを置いて引き上げる「待ちの釣り」なので、竿は2、3本程度用意して投入点をそれぞれ変えてキャストするのが効率が良いでしょう。
竿を使わないカニ釣りのコツ
岸壁沿いや船の下のカニを狙うような目で見て探すカニ釣りのコツはライトの性能にあります。一般的な懐中電灯ではなく、より強力な釣り用のヘッドライトを使うのがおすすめです。水中をライトで照らすと、カニの目が光を緑色に反射するため、目を探して餌を付近に投入するようにしましょう。
カニを釣ったら
カニが釣れた場合は、なるべく早く上げたほうが良いでしょう。カニは非常に鮮度が落ちやすい生き物なので、死んでしまうと途端に味が落ちてしまいます。また、生きている間にもストレスがかかると味が悪くなってしまいますので、釣り上げたらなるべくリラックスした状態で生かしておきましょう。釣り上げたら、バケツでのキープは避け、メッシュの袋に入れて海中につりさげるのが良いでしょう。可能ならば持ち帰る際もエアポンプで生かしておき、家についたら手早く調理することがおいしく食べるコツです。
食べられないカニ
カニの一部には筋肉や内臓に毒をもっており食べられない種類が存在します。中毒症状だけでなく、最悪の場合死に至ることもある強力な毒なので、以下の写真で特徴をしっかり把握してからカニ釣りに臨むようにしましょう。
スベスベマンジュウガニ
体がすべすべで饅頭のように丸い形が特徴です。
関東から九州の暖かい地域に生息しており、筋肉に毒をもつため食べられません。
ウモレオウギガニ
南西諸島を中心とした温かい島に生息するカニです。ただし、和歌山県でも生息が確認されているため、釣れることはほとんどないでしょうが、注意が必要です。カニ類の中では最強の毒をもつといわれています。
ツブヒラアシオウギガニ
インド洋から西太平洋の暖かい地域に生息しているとされますが、日本でもこのカニを食べたことによる死亡事例が報告されています。
カニ釣りをする際の注意
釣り初心者でも比較的気軽に取り組めるカニ釣りですが、絡ませて獲るというその性質上、磯場で使うと根掛りする可能性が高くなります。一度仕掛けを海底に残してしまうとカニを捕獲し続けてしまうので、糸は絶対に切れないような太いものを使用し、仮に根掛かりしたとしても回収できるようロープなどの用意は必ずしておきましょう。マナーをしっかり守って気持ち良いカニ釣りを心がけるようにしましょう。