焚火の魅力とは
アウトドアシーンにおける大きな楽しみの一つが焚火という人は多いのではないでしょうか。単純に生活するための灯りになる、枯れ枝に火を付けて暖を取るため、ということ以上に、焚火にはさまざまな魅力が隠されています。
人の本能にはたらきかける温かみ
火は、古来から人の生活のよりどころとなってきた非常に重要な意味を持つものです。人が火を扱い始めるようになったのは100万年以上前であるという様に言われていますが、それほど昔から、人は火に寄り添いながら生活してきました。
時には暖を取り、時には害獣から身を守るのに使い、また時には調理するのに使い、温かい食事で心を満たしてきました。人は本能的に火というものの暖かさに安心感を覚える生き物なのかもしれません。
癒しの揺らめく炎
「1/fのゆらぎ」という言葉をご存知でしょうか。「1/f」の”f”とは”frequency(英語で”周期”をさす)”の意味。人間が見たり聞いたりして心地よいと感じる自然界に存在するさまざまな事象には波の周期が関係しており、それらの波に同様の性質がみられるとする説にもとづいています。
一定の規則に基づいた動きの中に見られる、予測のできない不規則な動き、それが「ゆらぎ」です。文明化が進んだ今日だからこそ、こうした不規則的でも規則的でもない曖昧なゆらぎが精神の安定のために、人々に求められているのかもしれません。「1/fのゆらぎ」でリラックスするための焚き火台はこちらの記事で紹介しています。
コミュニケーションツール
火が付いていると自然と人が集まってきます。大昔に人が火を使い始めた頃からそうなのですが、火は、集団の中で使うもの。火が点いていることによって、心が落ち着きリラックスした状態で相手と接することができます。
また、夜中に仲間と火を取り囲んで語り合うときなどは、お互いの顔が炎の灯りで照らされ、それ以外はブラックアウトしている状態になります。目の前の相手に集中することができ、相手に親近感を持って接することができるので、会話も弾みます。
焚火の種類
一言に焚火といっても、必ずしも皆さんがイメージしているような焚火ではないかもしれません。焚火は、比較的大きな火を扱うため周囲に対して十分注意を払う必要があります。また、それに伴い、実際のキャンプ場で行うことのできる焚火には次の2種類があります。
直火
最近では多くのキャンプ場で”直火禁止”となっておりますが、探せば直火でたき火をすることができるキャンプ場もあります。直火は、その名の通り、地面に直接火種を点火して焚火をする方法です。
焚火をする際の総合的な経験値が必要になって来るため、点火する際の難易度は高めですが、キャンパーならぜひ一度はやってみたい直火の焚火。土中の微生物が死滅してしまう、焚火後の後処理をしていかないキャンパーが多いなどの理由から禁止しているキャンプ場が多いですが、機会があればチャレンジしてみたいですよね。
焚火台
直火の焚火はキャンパーの憧れですが、環境面・実用面から言っても、焚火台を使った焚火の方ががおすすめです。空気を効率よく取り入れる工夫のある焚火台などもあるので着火する際に、直火よりも安定しやすいです。
また着火もそうですが、後片付けが圧倒的に楽です。調理をする際にも、焚火台をそのままグリルとして利用できるものなどもあるので、焚火台を持参してキャンプすることで、焚火の楽しみ方の幅も広がりますよ。
焚火を始める前に
いざ焚火を始めようという際に、必ず準備しておきたいことや確認しておきたいことがありますので、しっかりとチェックしてからキャンプに臨むようにしましょう。焚火は、火を取り扱うアウトドア活動なので、気軽に取り組むことはできても、周りに迷惑を掛けない様に十分注意する必要があります。
焚火OKの場所かどうかは絶対確認
まず、キャンプ場を選ぶ際には必ず焚火OKかどうかを確認すること。サイト等に乗っている情報が古い場合もありますので、できれば毎回キャンプ場に直接電話で確認するのがベストです。海岸や河原で焚火をする際にも、それぞれの自治体ごとにルールが決まっているため、予め自治体に確認を取ることがおすすめです。
また、焚火台使用のみOKで直火は厳禁というのも非常に多いパターンですので、直火が希望の場合はその点も含めてしっかりと管理者に確認を取るようにしましょう。周囲の樹木への燃え移りなどに気を付けることも、周りのキャンパーに迷惑をかけないための最低限のマナーです。
難燃性のタープやジャケットがおすすめ
「難燃性」というのは、ざっくりと言えば燃えにくい性質を持っているということ。キャンプで使うタープなどは、軽量の化学繊維を織り込んでできているものが一般的ですが、ビニール製のこれらのアイテムは、火に対して非常に弱い性質を持っています。
ほんのちょっとした火の粉でも穴が開いてしまったり、そこから燃え広がったりしてしまうと、せっかくのキャンプギアが台なしになってしまうことも。基本的に、ナイロンは火に弱い生地ですので、これらを使ったフリースなどの衣類も焚火の際には気を付ける必要があります。
焚火をすることを考えるなら、それに適したギアやアイテムを選別して持参することがおすすめです。
難燃性のテント:ロゴス ネオス ベーシックドーム
スペック
- サイズ
使用時 :335*360*190cm
収納時 :24*24*72cm
インナー:335*210*185cm - 重量 :9.1㎏
- 対応人数:5人
- 材質
フレーム :アルミ、グラスファイバー
フライシート:難燃性ポリエステルタフタ UV-CUT加工
インナー :ポリエステルタフタ ブリーザブル撥水加工
フロアシート:ポリエステルタフタ
メッシュ :ポリエステル
居住性の高いベーシックなテント
地上高が185cmと高めなので、成人男性が立っても十分な居住空間があります。また、ベンチレーション機能によって、空気の循環を促すため、夏場でもむしむしとした空気がこもりづらく、快適に過ごすことができます。
難燃性タープ:テンマクデザイン ムササビウイング13ft.TC”焚火”version
スペック
- 重量 :2.1㎏
- サイズ :390*380*240cm
- 素材 :コットン混紡生地
焚火に適したデザインのおしゃれタープ
テンマクデザインのペンタタープは、コットンとポリエステルの混紡生地で、火の粉が跳ねても燃えづらい素材でできています。その名前の通り、焚火に適したデザインのギアですので、焚火キャンプにはぴったり。
難燃性ジャケット:スノーピーク ファイヤーレジスタンスレインジャケット
耐火性×耐水性のアウトドア用ジャケット
難燃性の繊維”アラミド”を配合している強靭な生地を採用しているジャケットです。高品質アイテムを多数発売するスノーピークの製品ということもありその性能の高さはさることながら、デザイン性も高いのが魅力のジャケットです。アウトドアだけでなく普段使いでも違和感のないおしゃれなデザインです。
焚火の事前準備:まずは薪を選ぶ
薪には当然さまざまな種類の樹木が材料として使われていますが、その種類によって、燃焼時間や熱量などに違いが出てくるということをご存知ですか。物によっては着火がうまくいかないなどといったこともあるので、ここで一度薪の特徴を確認してください。
薪の選び方
焚火を段取りよく準備し、料理などその後の活動をスムーズに進めるためには、それぞれのシチュエーションにぴったりと合ったタイプの薪をチョイスすることが重要な第一歩です。
マツやヒノキなどの針葉樹は燃焼時間が短いもののパワフルな火力を持っています。そのため、焚火の最初、つまり焚き付けに使うのがベスト。次にクヌギやカシのような広葉樹は比重が重く火付けには向きませんが、一度ついたら燃焼時間が長いことがポイントです。
樹木の種類によって生まれる違いをよく理解し、薪を選択するようにしましょう。
購入できる薪
アウトドアで使える薪は一般的に、ホームセンターやキャンプ場で購入することができます。その他にも燃料店や森林組合から購入するということも可能ですが、取り扱っている店舗が限られていたリ、そもそも個人相手には(少量の購入には)対応しないという場合もありますので、キャンプ場で購入するのが無難です。
現地で購入するほうが荷物が少なくて済みますし、ホームセンターだと割高のわりに針葉樹ばかりで燃焼時間が確保できない場合もあります。
薪の種類
薪の樹種は大きく分けて針葉樹と広葉樹があります。針葉樹は一般的に繊維の密度が低いため空気を抱き込みやすいです。
そのため短時間ですが火力が出るので焚き付け様に、対して、広葉樹は比重があり、単体では燃えにくいですが、一度着火すれば高い熱量と長い燃焼時間を持ちます。それぞれの薪の種類と特徴をしっかりと確認しましょう。
【針葉樹】
スギ
火力が高く着火が早いので焚き付けにおすすめの樹種です。その分燃焼時間は短いので、火持ちがほしい場合には、広葉樹の薪を混ぜることもあります。
ヒノキ
針葉樹の中でも火持ちが長いほうの樹種です。太めのものやサイズが大きいものだと火の付きが悪いので、着火剤などを併用するようにしましょう。
マツ
油分が多いのでパワフルな火力が魅力です。煙の量が多いというデメリットがあり、投入するタイミングや分量にコツがいります。
【広葉樹】
カシ
「薪の王様」と呼ばれる樹種で、火力も火持ちも優れています。備長炭として利用されます。
ナラ
熱量と燃焼時間のバランスがよく、扱いやすい定番人気の樹種です。流通量が多いので入手しやすく使い勝手がいいです。
クヌギ
少し高級な樹種ですが、他の薪と比べると乾燥時間が短く、燃焼時間と熱量に優れています。
ケヤキ
燃焼時間は定番人気のナラに劣りますが、熾火を作るのに適している広葉樹です。
購入できる薪の例
ホームセンター、実店舗、アマゾンなどの通信販売…現代はさまざまな方法で薪を購入することができるので、自分に合った手段を比較検討するのが一番です。よりお得に、効率的に購入することのできる手段を見つけましょう。
ホームセンターで
一番身近で手軽に薪を購入できる場所がホームセンターです。アウトドアの流行に合わせて、冬季だけではなく夏季でも薪が販売されている店舗が増えてきました。ただし、ホームセンターでの購入は比較的値段が高く、針葉樹を使った薪が多いようですので、注意が必要です。
燃料店で
暖房器具の燃料を専門として販売している燃料店でしたら、プロパンガスや灯油などの商品の他に薪も扱っている場合があります。近場の燃料店に連絡してみて、薪の在庫があるか確認してみるとよいでしょう。個人で薪を大量に使用する際には、ホームセンターで買うよりも割安で仕入れることができるのでお得です。
Amazonなど通販サイトで
インターネット上の取引で薪を購入し、自宅まで郵送してもらえます。実店舗販売の場合にはできるだけ近場にある店舗から送付してもらう方が送料の節約になります。距離が遠いと、薪自体の値段よりもむしろ送料の方が高くなってしまうという場合が出てくるため、できるだけ近場で、かつ一度の購入量も多めの方におすすめです。
森林組合などで
森林組合などで間伐した材木を引き取りに行くことができます。一般的に、欲しい樹種や量を予め連絡しておく必要があります。サイズがそろっていて、かつ地域によって手に入る樹種もそろっているということがメリットです。ただし、個人向けに販売していないという森林組合も多いため、少量の薪の購入はできない場合があります。
現地で拾う薪
薪を現地のキャンプ場で使う分だけ拾って使用するというのもアリですね。木々が落ちているような森林が近くにあるキャンプ場を選ぶようにしましょう。この場合は、キャンプ場や山、森林の管理者に許可を得てから薪を拾うようにしましょう。大・中・小とそれぞれのサイズを必要分ずつ分けて集めると、その後の焚火の作業がスムーズです。
メイン用
基本的に、メインで使う薪の樹種としては、カシやナラのような燃焼時の熱量が多く、火持ちの良いものがおすすめです。火付けには向かないので、火種用の薪を別に用意して、火が安定したら後から加えるようにしましょう。
料理をする際には、勢いよく燃え盛っている状態よりも、火が上がらない「熾火」の状態の方が断然火力が調整しやすく扱いやすいため、広葉樹の薪がおすすめです。
焚火は基本的に小さな火から大きな火へと段階的に調整するものです。予め薪の大きさをそろえて拾っておき、火の大きさに合わせて順次必要な分量をくべるようにしましょう。
火種用
着火用する際の焚き付けに使う燃料としては、松の葉や松ぼっくりのように油脂を含んでいるものが最適です。マツの葉はしっかりと茶色くなっているものを選びましょう。枯れ葉や枯れ枝、麻ひものように手軽に手に入るものも火種として使うことができるので便利です。