アウシュビッツ強制収容所には女性も居た!ガス室や強制収容の実態、住環境を公開

1933年にドイツではナチスが政権を握りヒトラーが首相となりました。するとすぐに反ナチス人々の抑圧・隔離を考えました。しかし、逮捕し投獄するには裁判手続きが必要で時間と手間がかかるので、拘禁して政治思想を変えさせるために作られたのが強制収容所のはじまりです。

最初に拘禁されたのは犯罪者達

開所当初は反ナチスの活動家や政治家等の政治犯ばかりでした。しかし徐々に常習的な犯罪者や、暴力団・売春婦・ゲイやレズビアン・アルコール中毒者等も入れられるようになりました。第2次世界大戦では欧州のほぼ全域を占領したため各地に建設され、反ナチス・反戦を掲げる人々が拘禁されました。

ヒトラーの命によりユダヤ人が続々と収容

ヒトラーは1941年に欧州全域のユダヤ人を全滅させることを決め、それ以降は人種の理由のみでユダヤ人が移送されてくるようになりました。多くは収容と同時に殺され、欧州全体で70%程度が殺されました。

拒否権は無かったのか

強制収容所行きを拒否することは結局犯罪者として刑務所に行くことになり、場合によっては死刑もあり得ました。また、ユダヤ人たちはそのような場所に行くことすら伝えられず、移住するから荷物をまとめるよう命じられて連れていかれました。アウシュビッツには人々が持ってきたトランク等の山が今も残っています。

アウシュビッツに強制収容された人々

被収容者には犯罪者や反体制派の人もいましたが、多くは罪のない人々でした。特に戦時中にはその傾向が顕著にみられます。その人の人種や障害の有無等のみの理由で殺されていったのです。

ユダヤ人

そもそもユダヤ人とはユダヤ教を信じる人々のことで、ユダヤ教はキリスト教の起源となった宗教でもあります。しかしユダヤ教ではキリストを救世主としていなかったため、後に多数派となるキリスト教徒と溝ができ、迫害を受けるようになりました。

それを利用したのがヒトラーで、ナチスではアーリア人(インド~ヨーロッパ人の全ての祖先とされる民族)が最優位の人種だとし、ユダヤ人を劣等民族だとしてドイツ国外に排除、果てには絶滅させる思想に変わっていきました。ナチスによるユダヤ人虐殺をホロコーストともいいます。

身体及び精神障害のある人

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ナチスにおいて障害のある人は社会的に無用であり、またアーリア人の純血を脅かすとして価値のないものとされました。それにより心身障害者はガス室に入れられたり、薬物を注射されたり、食べ物や介助を与えられなかったりして、約20万人が犠牲になりました。

同性愛者や宗教家等

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ゲイやレズビアンはナチスの思想を乱し、またアーリア人の血統を残すことができないとして迫害の対象となりました。ユダヤ人と同程度に低く扱われ、収容所では過酷な労役やガスによって殺害されました。

また、エホバの証人信者を中心とする宗教家も強制収容の対象となりました。エホバの証人は聖書の教えを固く守り神にのみ従う思想で、戦争やナチスに加担することを拒み信仰を貫きました。刑務所や収容所でも労役を拒否し集会等をやめなかったため、斬首刑等の死刑となる人々が多くいました。

強制収容された人々は延べ数百万人に上る

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ヨーロッパ各地に作られた強制収容所に入れられた人々は延べ数百万人にのぼります。ナチスに協力する旨の誓約書等を書いて解放された人もいましたが、ユダヤ人のようにすぐに殺された人も多くいました。

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