アウシュビッツ強制収容所には女性も居た!ガス室や強制収容の実態、住環境を公開

アウシュビッツでは基本的には最初の選別の際に妊婦や乳幼児を持つ母親、老人をはじめとするほとんどの女性が殺害の対象となりました。生き残った一部の女性も、暴力や強姦の被害に遭うことが多かったといいます。

アウシュビッツの住環境

アウシュビッツは非常に過酷な環境で、その悪さから命を落とす人々も少なくありませんでした。少しの食べ物しか与えられず、冷暖房もない小屋で服1枚だけをまとって過ごしていました。

夏は暑く、冬は寒い

もともとアウシュビッツは、夏は最高40℃近くまで上がり、冬は最低マイナス20℃以下になる地域です。しかし掛け布団は薄い麻布しか支給されず、暖房設備はあっても燃料がもらえませんでした。

衛生環境が悪く、感染症が多い

アウシュビッツは衛生状態も劣悪でした。床は常に泥状なうえ、被収容者は排水ができず仕切りもないトイレを使っていました。その結果、シラミや病原性の下痢、チフス等の伝染病が蔓延していました。

医療環境も整っていない

伝染病等にかかると所内の医療施設に移され、医師や看護師の資格を持つ被収容者が治療にあたりました。ただ、設備や薬等はほとんどなく、回復が難しいと診断が下るとガス室へ送られました。

また、1日の食事が草を煮出した飲み物、具のないスープ、パンと少しのマーガリンといった程度だったため、常に食べ物の奪い合いがあり、栄養失調で犠牲になる者も多くいました。

アウシュビッツでの仕事は4つに分類される

第1強制収容所の入り口には「働けば自由になる」と記されたゲートがありますが、実際は生きて出てくる人はほとんどいませんでした。アウシュビッツでの仕事は大きく分けて4つあり、いずれも常に命を脅かされる状況に置かれていました。

懲罰部隊

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これは人々を死ぬまでこき使うもので、実際短期間で死亡する人が多くいました。必要な衣服、食べ物、休息を与えられずに道路の舗装をしたり、重たい石を運んだり、穴を掘って埋めたりといった仕事をしていました。

兵器の生産・収容施設の管理

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この仕事は主に電気工事士、医者、化学者、建築士等の資格を持つ人々があてられ、工場で戦争資材や兵器の製造や、収容所の増設や維持管理等を行っていました。懲罰部隊よりは肉体的な酷使は少なかったものの、栄養失調や伝染病のリスクは常に負っていました。

被収容者の屍体の処分

この仕事は「ゾンダーコマンド」と呼ばれ、ガス等で殺されたり、病気や栄養失調等で亡くなったりした屍体を焼却炉に運んで処分するのが仕事でした。比較的待遇は良かったものの、口封じのために数か月ごとに処分されました。

他の被収容者の監視

これは「カポ」と呼ばれ、ナチスに協力的な者から成り、ペースが遅い・態度の悪い者、時には理由もなく暴行や拷問を与えていました。この人々にはまともな生活環境が与えられた人もいました。

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