タウナギってどんな生き物?
タウナギとは?
タウナギ(田鰻 学名onopterus albus)はタウナギ目タウナギ科の淡水魚です。鰓弓(さいきゅう)内の粘膜を通じて空気を呼吸することで知られています。タウナギは鱗(うろこ)がありません。
口は大きく伸縮させることができます。上あごにも下あごにも小さい歯があります。農家の方も身近にいるのに「タウナギ」と知らない方もいるくらい知名度は低いですが、「田んぼにいるヘビみたいなやつ。」と言えば知っているようです。
タウナギの特徴は?
名前のとおりウナギみたいな体型で、見た目はヘビに近いです。小さな眼(あまりよく見えない)と先の細い尾を持っています。体長は大きいものは1メート前後になりますが、普通は40センチメートルほどの大きさでです。背中は茶色か緑がかった褐色、腹は淡い黄色か薄い茶色です。
タウナギには鰭(ひれ)もほとんどなく、腹びれ、胸びれはありませんし、背びれ、尾びれ、尻ひれはくっついて縮小し、ひだみたいになっています。左右のえら穴は頭の下でつながっています。
タウナギは外来種?どこから来たの?
その見かけから「田んぼのエイリアン」と呼ばれることもあるタウナギですが、宇宙から来たわけではありません。1900年代に朝鮮半島から奈良地方に入ってきて、その記述もあります。食用として持ち込まれたようですが、日本の食文化には合わずに放置されたようです。
タウナギの分布
東南アジアから東アジア南部に広く分布しています。インド、マレー半島、フィリピン、中国、朝鮮半島などに分布しています。日本では東京、神奈川、茨城、静岡、愛知、三重、和歌山、京都、大阪、徳島、香川、愛媛、鹿児島など近畿を中心に分布しています。
なお沖縄の一部に生息しているタウナギは日本の在来種で、他県のものとは種類が違います。生態等も違う固有種のため、こちらは保護の必要性があるとのことです。
タウナギの生態
沼や水路、田んぼに生息し畦(あぜ)の水際、淡水域で繁殖しメスがオスに性転換します。夜行性で目はあまり良くありません。繁殖はオスはトンネル状の穴の中に、泡でできた巣を作ります。グロテスクな見かけからは想像しにくいですが、オスは卵が孵化するまで、空気を送って卵を保護します。
しかも孵化したあとの幼魚を口の中で保護して育てます。あまり泳ぎは得意ではありませんが、干上がったような田んぼでも、土が少し湿っていれば、少ない水でも空気呼吸で生きられます。冬は泥にもぐって冬眠します。そのため東南アジアではオフシーズンの水を抜いた田んぼを掘り起こして、タウナギの漁が行われます。
タウナギとウナギの違い
ウナギはウナギ目ウナギ科の魚です。ウナギ(ニホンウナギ 学名Anguilla japonica)です。分類学的にも近縁ではありません。ウナギは淡水域に生息していますが、産卵のために海に向かいます。産卵後のタウナギは幼魚を保育しますが、ウナギは卵を産んでも放ったらかしです。
ウナギはタウナギと違い皮下に小さなウロコがあります。タウナギの生息地は沼、水路、田んぼなどですが、ウナギは川や湖に生息します。名前にウナギとありますが、まるで違う魚です。
タウナギを釣ってみましょう!
タウナギ釣りの準備
釣りのシーズンは梅雨明けから9月の稲刈りが終わるくらいまでです。名前の通りタウナギは田んぼや田んぼの水路にいます。昼間は石積みや藻の茂み、コンクリートの継ぎ目のようなところに隠れていて、夜になると出てきて小魚や虫、蛙などを捕食してまわります。
釣りは夜になってからになりますので、両手が使えるヘッドライトを用意します。明るさの調整できる物がおすすめです。水田の水路などには街頭はすくないので、他にもライトは用意しましょう。
用水路での釣りになりますので、農家の方とトラブルにならないように、昼間のうちに一声かけておいた方が賢明です。くれぐれも暗がりで用水路をのぞく不審者!とかで警察に通報されないようにも注意しましょう。
初めての場所では、昼間のうちにタウナギのいそうな所をチェックしておきましょう。水面にさざ波が立つような水路にはいないので、浅くて流れがほとんどない水路を見つけておきましょう。
タウナギ釣りの道具は?
見つけてしまえば網でも捕まえられる、追いかければ追いつけるくらい泳ぎが下手な魚です。が、それでは釣りになりません。眼が弱いので振動を察知して、鼻先に動くものがあれば何でも食いつきます。こんな道具がおすすめです。
ルアーで釣る場合
ルアーを使うなら軟質ビニールのワームなど安価なもので、明るい色のものがよいです。夜間の釣りになるので、蛍光色など派手な色がおすすめです。