例えばフグでいうと山口県下関が有名なように魚にはそれぞれ全国に名を馳せる名産地があるものです。流通が発達する以前は骨酒を作ろうにもお酒の選択肢はほぼ限られ当たり前のようにその土地のものが使われていました。
魚は手に入ったけど日本酒選びに迷ってしまった、そんな時その素材の産地からお酒を割り出すのも1つの選び方であり楽しみ方の一つです。代表的な魚の名産地とその土地の有名な安酒をまとめてみました。
フグ 山口県永山酒造
山口県といえば獺祭が特に有名ですがフグを素材にする際は同県の酒造メーカー永山酒造の男山カップがおすすめです。1887年創業の酒蔵でこの男山は数十年もの間メインとして造り続けてこられた銘柄です。値段も300円以下と手頃で、非常に相性の良い辛口です。
イワナ・鮎 岐阜県平瀬酒造
イワナの骨酒が良く飲まれる県の一つに岐阜県があります。山深く海が無い土地だからこそ川魚は貴重なタンパク源であったこともあり、丸焼きのまま浸して身もしっかりと食す習慣があります。そんな岐阜県では400年余り続く酒元、平瀬酒造の久寿玉が有名です。シャープな後味の辛口は今も地元の多くの人に愛されています。
また長良川は鮎の産地としても全国的に有名で、鮎を素材に楽しみたい方にもこちらは大変おすすめです。値段も上撰・佳撰ともに300円以下とリーズナブルな値段で手にれることができます。パッケージにも品があります。
ハゼ 宮城県田中酒造
正月のお雑煮用に焼き干ししたものが出汁として使われる宮城県はハゼの名産地です。また米処としても有名で多くの酒蔵があります。全国区といえる浦霞も辛口でおすすめなのですが少し値段が張ってしまうのでここはコストパフォーマンスの良い真鶴をおすすめします。江戸時代から続く由緒ある酒蔵で作られた歴史ある一品です。
骨酒を野外で楽しもう
渓流釣りを楽しむ人が、釣った魚と持ち合わせた日本酒を使って作ったのが始まりという説があるように、今でも自然の中で骨酒を楽しむ人も多くいます。ここではそんな時に必要な知識やアイテムを紹介します。
魚は串刺しにして焼こう
釣った川魚を使う場合にはまず焼かなくては始まりません。この際はうまく串刺しににて遠火で炙ってあげることが肝心です。あまり火に近いと外ばかりが焼けて生焼けなんてこともあるので注意しましょう。以下に内臓を処理した後の串刺しの仕方が詳しく紹介されている動画があるので参考にしてください。
便利アイテム①captain stag竹串
その辺にある棒切れや割り箸でもいいのですが先が鋭利じゃないと刺す際に手間取ります。かといってステンレス製の串だと雰囲気が出ないという人にはこちらの竹製の串をおすすめします。滑りにくいため刺した時に食材が回転したり、するりと抜けるのも防いでくれます。
便利アイテム②leaking 焚き火台
河原の石を組み合わせて焚き火の環境を作るのもいいですが適した石がない場合もあります。いざという時にこの焚き火台があると役に立ちます。500g以下と軽量でコンパクトな作りになっているので足場が悪い場所でも持ち運びがそこまで苦になりません。
便利アイテム③epios 蓋つきステンレスマグ
二重構造のステンレス製のマグがあると冷めにくいため、長い時間にわたって熱々なものを楽しむことができます。さらに蓋つきであれば蒸らし用にラップを持ち歩くこともなくなるのでとても便利です。
骨酒は酒器選びも楽しい
骨酒にはそれ専用の酒器があります。川辺などでワンカップに浸して飲むのも野性味溢れていて素敵ですが、家などで飲む場合にはぜひこだわりたいものです。使いやすいことは言うまでもなく、さらに小粋な雰囲気が出ること間違いありません。
骨酒用の酒器がある
素材を入れやすくするために横長に口が広げられた徳利が特徴的で、その多くは魚や舟などをモチーフにして作られています。材質も陶器や磁器などがあり中には有名な職人によって焼かれた高級品もあります。繊細さとユーモアを組み合わせた酒器は食卓を華やかに演出する一方で、独り静かに味わう時間にも最適な道具といえます。
サイズは大から小まで揃っています。独り飲みが多い場合は小で十分ですが、何人かで飲む機会が多い場合はそれを想定したサイズを選ぶようにしましょう。徳利のデザインに合うように盃とセットで販売されているので後々組み合わせ選びが面倒な人におすすめです。また多くの酒器は直火厳禁とされているものが多いので気をつけましょう。
おすすめの酒器①宗峰窯 織部吹 イワナ 骨酒用
美濃焼きで有名な岐阜県で作られているイワナがモチーフになった酒器です。織部というのは織部焼を意味し、織部焼らしい深みある暗緑色のことを指しています。まさにその通りで色に奥深い雰囲気を感じさせる仕上がりになっています。陶磁器なので質感にも温かみを感じることができます。
宗峰窯 織部吹 イワナ 骨酒用スペック
小サイズは3000円ほどで購入できますが、しかし料亭や旅館でも恥ずかしくない作りでさらに日本製なところは非常にコストパフォーマンスに優れているといえます。小サイズだと入る酒の量は400ccなので2合とちょっとを入れることができ、1人〜3人ほどで使用が可能です。
- サイズ:約28.5×8.5×10.5cm
- 素材/材質:陶磁器
- 原産国:日本
- 容量:400cc
- 重量:499g
おすすめの酒器②万葉庵 魚骨酒(大) 盃付き
同じく岐阜県を製造元とする酒器になります。こちらもモチーフにイワナが用いられており色も落ち着きのある深緑色となっています。そして徳利に良く似合う盃が2つ付いてくるので届いたその日にすぐ使用できる手軽さも魅力的です。
万葉庵 魚骨酒(大) 盃付きスペック
サイズは大と小の2サイズあります。大サイズの場合、酒の量は750cc入ります。4合ちょっと入ることになるので4人以上で飲む機会が多い際にはおすすめのサイズです。商品は化粧箱にも入るので贈答用にも十分適しています。値段も5000円以内と手が届き易い価格が嬉しいです。
- サイズ:土瓶/32×8.2×高さ11.5cm
- 素材/材質:陶器
- 原産国:日本(美濃焼)
- 容量:土瓶/750㏄
- 内容:土瓶×1個 盃×2個
おすすめの酒器③ヒレ酒カップ ハカマ付き 呉須ふぐ
ヒレ酒用の酒器になります。よってサイズは湯のみ茶碗ほどなのでヒレだけではなく中骨などを炙って骨酒を楽しむ方にも十分使える大きさです。可愛らしいフグの絵が酒の時間を一層雰囲気のあるものに演出してくれます。また蓋も付いているので蒸らしにラップを使う必要がありません。
ヒレ酒カップ ハカマ付き 呉須ふぐスペック
磁器で作られています。表面には呉須と呼ばれる青藍色の顔料でフグの絵や模様、文字があしらわれており、情緒を感じさせる仕上がりになっています。またハカマ呼ばれる竹製のカバーが付いているので熱くても素手でカップを持つことができます。
- サイズ:7.4×9cm 約150cc
- 容量:150cc
- 材質:ヒレ酒カップ:磁器 /ハカマ:竹製
- 製造国:ヒレ酒カップ:日本製(美濃焼)/ハカマ:中国製
- 電子レンジ食洗器可(ハカマを除く)
美味しい骨酒セットで気軽に
手軽に楽しみたい人におすすめしたいのがこちらです。既に焼いてあるのであとは燗酒を作るだけで本格的な味を楽しめます。さらに酒器も付いてくるセットもあります。バラバラで揃えるのが面倒な人や初めての人などにおすすめです。なお、より香ばしさを出すために焼いた加工がされていても軽く炙ると美味しさもアップします。
骨酒セット①骨酒名人 岩魚 イワナの炭火焼き(1尾)
イワナは焼いてあるのでこのまま入れるだけで楽しめます。1尾に対して酒の量は1.5合、2分の蒸らし時間で美味しくいただけます。また一度だけではなくその後も数回続けて味わうことができるので呑兵衛な人にもおすすめです。値段も500円以下とかなりリーズナブルです。
骨酒セット②いわなと鮎の骨酒セット
イワナの焼き干しと鮎の燻製、盃付きの酒器までがセットになっているのですぐにでも試したい人におすすめしたいのがこちらです。さらに鮎の甘露煮と貴重な子持ち鮎の甘露煮までもがセットになっています。手元に届いたその日から甘露煮を酒の肴に飲むことができます。
骨酒セット③若狭ふぐ ヒレ酒セット
全国屈指のふぐの水揚げ量を誇り「北限のふぐ」とも称される若狭湾のふぐのヒレと、同じく若狭の酒造メーカーの酒のセットです。別にパックされているのヒレは焼いてあるのでそのまま楽しむことができます。若狭の郷土の香りや味を堪能することのできる人気商品です。
自分好みの骨酒を楽しもう!
いかがでしかたか。骨酒は使える魚の種類やお酒の幅も大変広いため様々な組み合わせを楽しめ、さらにシチュエーションや酒器選びも含めると無限の世界が広がります。ぜひ好みの味や場面を見つけて自分らしい美味しい時間を過ごしてみてください。なお最後になりましたが骨酒についてはこちらも参考にしてみてください。