フウセンウオについて
フウセンウオとは丸くて愛嬌のある姿からじわじわと人気が広がっているお魚です。科目ではダンゴウオ科に属しています。ダンゴウオ科の魚は北半球の冷たい海に住んでいます。フウセンウオも北極海や、日本の近海だと北海道の沖合、オホーツク海に生息しています。
フウセンウオとはどんな生き物?
丸々としたフォルムが可愛らしいですが、実は見た目とは違った食性を持っています。食べるものはエビやカニの甲殻類や小さな軟体動物を捕食しています。フウセンウオは肉食性なのです。そして夜に目が効く夜行性です。昼間は岩に隙間で身を隠し夜になるとのそりと這い出てきます。体長は6㎝程度と大きくはなりません。
フウセンウオには大きな特徴
フウセンウオは魚のくせに泳ぎが苦手というハンデを持っています。魚が上手に泳げるのは浮袋という器官が発達しているからです。気体を体内にため込むことで浮力を得ているのです。フウセンウオはこの浮袋を持たない魚なのです。
浮袋の代わりに発達した腹鰭(はらびれ)
フウセンウオは浮袋を持たない代わりに腹鰭(はらびれ)が発達して吸盤のようになっています。この吸盤で岩陰に張り付いているのです。そして吸盤をもそもそと動かして移動することもできます。吸盤を持たないのはダンゴウオ科の特長で日本近海に住む10種類いる全ての魚が泳ぎが苦手です。
フウセンウオの魅力に迫る!
フウセンウオは丸っこいフォルムにつぶらな瞳、ぽかんと開けた口が何とも愛嬌のある魚です。正面から見ると背びれが頭の上にあるちょんまげのようにも見えます。ドラゴンクエストに出てくる小さなモンスター「スライム」のようでもあります。
フウセンウオの魅力はココ!
フウセンウオは北国生まれの肉を喰らう小さなモンスター。それでも大人気のアイドルです。水族館では小さな子供から大人までその愛くるしい姿に魅了され思わず足を止めてしまいます。ただしフウセンウオは水族館でもマイナーな存在でした。ところがジブリの映画崖の上のポニョが公開されると一躍人気者に躍進します。
フウセンウオの画像ギャラリー
体の半分以上が顔では?と思えるほど顔の大きさが不釣り合いなフウセンウオ。漫画のキャラでしか見たことがないような2頭身の姿。まるっきり緊張感が感じられないフィルムには、ストレスのかけらも見つけることが出来ません。
大きくてくりくりとした目は写真では分かりませんがキョロキョロと良く動きます。水槽の中を見ていると目が合ってしまう事もしばしばです。もちろんんフウセンウオは動じた様子もなく数秒見つめあった後には、またキョロキョロが始まります。
泳ぎが苦手なフウセンウオは海底の中をまるで「歩く」様にもそもそと動きます。ちょっと早く動く貝みたいな感じです。吸盤で色々な所に捕まるのは大得意でこの展示は、水槽の中の風船に捕まっています。
フウセンウオはポニョ役で映画に出た?
崖の上のポニョ2008年8月に公開されたジブリの作品です。この作品の主人公ポニョは魚の女の子。この作品に出てくる魚のポニョの姿がフウセンウオにそっくりなのです。ポニョのモデルってフウセンウオだったのでしょうか?映画人気にあやかってフウセンウオはにわかに知名度を上げその愛くるしさから人々を魅了し始めます。
フウセンウオは崖の上のポニョに出演!
さてポニョのモデルは本当にフウセンウオだったのでしょうか?実はジブリからは公式な発表がありません。世間では金魚魚がモデルとも、金魚がモデルだとも言われています。公式発表されていないので本当のことは分かりませんが、フウセンウオの魅力に取りつかれた私達にとってはポニョのモデルはフウセンウオだと思いたいですね。
フウセンウオのポニョの魅力!
ポニョは作品の中で泳ぎが得意でした。だけれど出来ないことや苦手なことも沢山。純粋な視点で見れば心が温かくなってきます。フウセンウオもそうです。魚なのに泳ぎが苦手だとか、明るい時間帯は恥ずかしがるようにちっとも動かないとか、可愛いい顔で肉食だとか。出来ないことや見た目とのギャップも魅力の一つかもしれません。
ダンゴウオも負けじと可愛いぞ
フウセンウオはダンゴウオ科に属しています。ダンゴウオは世界に28種類生息しています。フウセンウオも28種類のうちの1種類なのです。ダンゴウオの中にはちょっと不気味な色をしたキモカワな種類が沢山います。少し紹介します。
ニモに似てるダンゴウオ
これってカクレクマノミのニモ?と思われるかもしれませんがこれもダンゴウオの一種です。生息している環境によってこんな柄に発達した個体もいます。お腹の丸みが何とも可愛らしいです。やっぱり腹鰭で張り付いています。
まるでスライム
こちらはまるっきりスライムの様なキャンディーレッドのダンゴウオ。食べたら柔らかくて甘い味がしそうです。自然にこんなかわいい魚が生まれたなんて信じられません。ダンゴウオの名前の通り串にさしてお団子のように食べてみたいですね。
ダンゴウオについてもっと詳しく知りたい方はコチラの記事も参考にしてください
フウセンウオが見られる水族館をご紹介!
フウセンウオのことを知ってくるとどうしたって本物を見てみたくなります。画像や動画では本当の魅力は伝わっていません。実物はもっともっとキュートで可愛らしいです。そこで本物を見てみたいあなたにフウセンウオが見られる水族館を紹介します。
フウセンウオが見られる水族館①おたる水族館
北海道小樽市にある水族館です。フウセンウオが常設で展示されています。北海道の自然に囲まれた水族館でイルカのショーやセイウチやアシカのショーもみることが出来ます。たまちゃんで有名なごま塩アザラシを始めとしたアザラシの飼育数NO1の水族館です。
- 住所:〒047-0047 北海道小樽市祝津3丁目303
- 営業時間 :10:00-16:00(最終入館 15:30)
- 料金:大人1400円 小人530円 幼児210円
フウセンウオが見られる水族館②伊豆三津シーパラダイス
静岡県伊豆市にある伊豆三津シーパラダイス。この水族館には約400種類の魚が展示されています。その中にはもちろんフウセンウオの姿もあります。トドやセイウチアシカのショーなど大人から子供まで一日楽しめる大型の水族館です。
- 住所:〒410-0224 静岡県沼津市内浦長浜3−1
- 営業時間:9:00~17:00 (最終入館は16:00)
- 料金:おとな2,200円 子供1,100円
フウセンウオが見られる水族館③名古屋港水族館
名古屋市の大型のマリンレジャー施設の中にある名古屋港水族館。フウセンウオはもちろん水族館の他にもいろいろな楽しみがある複合施設です。名古屋港水族館はナイト営業が特徴的。夏季は夜の20時まで営業し、夜行性のフウセンウオも昼間と違った姿を見ることが出来ます。
- 住所:〒455-0033 名古屋市港区港町1番3号
- 営業時間:9:30~17:30 GW、夏休み20時まで営業
- 料金:大人2000円 子供1000円
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フウセンウオの飼育方法は?
フウセンウオの可愛い姿を一日中眺めていたい!私だけのペットにしたい!そう思われることもいると思います。フウセンウオは個人でも飼育は可能でしょうか?答えはYESです。ただし、飼育の難易度はとっても高めです。金魚鉢でお気軽に飼育するとはいきません。
フウセンウオを飼うための準備は?
フウセンウオは寒い地域で生きている魚です。飼育するにも当然同じような環境にしなくてはいけません。水温は15度~18度が適温です。冬場はこの水温を保つことは難しくありません。問題は夏場です。必ず冷却システムが必要になります。資金的投資と水質を安定させる手間がかかります。飼育の前にクリアしなくてはならない問題です。
フウセンウオの販売場所
フウセンウオはペットショップやアクアリウムの専門店で販売されています。とはいえ流通量が少ないのが実情で運が良ければ巡り合えるといった感じです。価格は10000円~20000円程度が相場です。冬場の方が出回る個体数が多くなります。