即身仏とは?その過酷すぎる修行内容をご紹介!失敗もあったって本当?

行衣一重のみ

湯殿山は山形県にあります。決して暖かい地域ではなく、スキー場もある雪深い地域であり気温も氷点下になります。現在でも雪に閉ざされる地域でもあります。しかし、修行中は行衣と呼ばれる上の写真のような服装一枚で挑みます。

火は使えない

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いくら薄着とはいえ、小屋の中で火を炊いていればそこまで極限ではないのでは?と言う希望も残念ながら消えます。火を使えないとする説と手のひらをロウソク代わりに使ったという説があるようですが、いずれ暖まるということは不可能です。

即身仏になるための過酷すぎる修行②木食修行

前述の山籠りと並行して行われるのが木食修行です。極限の環境であることはすでにお伝えしましたが、もちろんお酒は禁止ですし食べられるものも制限されています。即身仏になるため自分を追い込む修行は続きます。

五穀絶ち・十穀絶ち

米・麦・粟・黍・大豆・小豆・胡麻・蕎麦・稗・唐黍の中から始めは五穀を制限します。即身仏の修行が進むと更にそこから十穀の制限へと進んで行きます。文字通り穀物を断っていくわけです。断つ穀物の種類には諸説ありますが飢えと戦うことになるのは変わりありません。

食べることが許されているもの

では、即身仏になるためには一体何を食べていたのでしょうか?即身仏修行の最終段階まで進む頃になると主に木ノ実(野いちご、かやの実)や草の根(熊笹の葉の芯)を食べて命をつなぎます。肉や魚ならもりもり食べていいなんてことはなくこれももちろん禁止です。木の皮を食べることもあったそうです。

木食修行の目的

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元々太ってる修行僧というのもイメージにないですが(現代ではいるかもしれません…)、木食行を行うことで更に身体についている余分な肉を削ぎ落とし、正に骨と皮だけという状態まで自ら持っていきます。即身仏に脂肪は要らないのです。

即身仏になるための過酷すぎる修行③漆を飲む

長い間の山籠り、木食行を経て限界まで削ぎ落とされた肉体に最後の追い打ちをかける行為、それが漆を飲むということです。それって飲んでも大丈夫なもの?地上で行う修行の最終段階とも言える様子を解説していきます。

漆が及ぼす人体への影響

そもそも漆って人が飲んでいいものなのでしょうか?筆者はウルシアレルギーを持っているため考えただけでかゆくなりそうです。実はアレルギーさえなければそこまで深刻なことにはなりません。現代でも漆職人さんが軽く舐めてアレルギー耐性を調べるほどです。

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