即身仏とは?その過酷すぎる修行内容をご紹介!失敗もあったって本当?

Array

まずはニュースの詳細を確認してみましょう。問題の仏像は1996年にオランダで売りに出されていたところ、買い取ったアムステルダムの建築家がドレンツ美術館に持ち込んだのが騒動の発端です。CTスキャンしてみると内臓のないミイラ化した遺体が、中国の文様を施した布の上に座った姿勢で入っていたというから驚きです。

約1000年前の中国の僧

調べた結果、中に入っているのは1100年ほど前の中国のLiuquanと呼ばれる位の高い僧侶で、一部では宋朝の高僧、柳泉ではないかとの見方もあります。更に肺の組織の代わりに中国の文字が書かれた紙切れが詰められていたそうです。

即身仏かミイラか?謎は深まる

qimono / Pixabay

この仏像、2015年の3月までは展示されていたのですが、中国政府から盗品ではないかという主張があり現在は持ち主の元に戻り裁判にまでもつれ込んでいます。中国側の主張によるとこの仏像は福建省太田県陽春村の博物館に所蔵されていた「章公祖師像」で1995年に行方不明になっていたとか。

章公祖師像であるならこの仏像は即身仏ではなくミイラのようです。「加漆肉身像」と呼ばれる麻布を巻いて死後作られたものではないかと言われています。裁判の結果が出ればDNA鑑定等でもっと詳しい続報が出てくるかもしれません。

日本に現存するミイラ

iquraishi / Pixabay

ミイラと言えばエジプトというイメージがあるかと思いますが、ここ日本にもミイラは実在します。怖いものとしての扱いではなく、即身仏ではなくても祀られているミイラもいます。最後に日本に実存するミイラも紹介しておきます。

中尊寺:奥州藤原氏のミイラ

世界遺産に登録されていることでも有名な中尊寺。ご存知の方も多いかと思います。初代:藤原清衡、第2代:藤原基衡、第3代:藤原秀衡、第4代:藤原泰衡の4体が納められています。4代の泰衡だけは頭部のみ残っています。

このミイラは、死後加工されたものではなく保管しているうちに自然とミイラになったと鑑定されました。しかし、加工されたものではないかという意見もあり結論は出ていません。現在、ミイラは一般公開はされていません。

梅唇尼のミイラ

常信庵は源義経の家臣佐藤正信の親子が祀れている寺院です。ここに当時の花沢城主、佐藤庄司正信と子供である継信、忠信兄弟を弔うために正信の後室で兄弟の母梅唇尼(羽姫)が開いたと言われています。現在ミイラは非公開でその出自についてもハッキリしたことは分かっていません。

鬼のミイラ?

日本に鬼のミイラがいる、なんと怪しい話でしょうか。しかし、市や観光協会の公式ホームページにも載っており、テレビが取材に行き、ネットでも心霊スポットととして話題になったことがありました。写真を撮ると高確率で心霊写真がとれるという噂もたちました。果たして本物の鬼なのでしょうか?東スポのサイトに以下のような記事があります。

この鬼のミイラは過去にX線透過装置などを用いた検証が行われたことがある。その結果、足の指の爪が豚の蹄と同じ特徴を持っていることが判明。また、鬼の歯は馬のものを使用している事が分かった。またX線撮影の結果、鬼の顔に下あごが存在していないのが判明したため、土や粘土で作ったあごに歯を埋め込んだものとみられている。

同様にツノも埋め込まれ、継ぎ足されている事が分かった。他にも肘から先の骨が普通の動物と違って一本しかない点、肋骨部分が全て硬骨でできている点などから、様々な動物の骨を組み合わせて人為的に作られたものである可能性が高いと見られている。(引用:東スポWeb)

どうやら残念ながら作り物であることは否定できなそうです。この手のミイラと呼ばれるものは結構いろいろな動物の死骸を寄せ集めたものが多いです。ですが、こちらの鬼のミイラは無人ながらも現在も一般公開されています。近くに寄った際は一見の価値ありです。

生きたまま仏となった即身仏に思いをはせる

mahanoi / Pixabay

ミイラも即身仏も元を正せば生きていた一人の人間です。特に即身仏は並大抵の意思では為すことのできない壮絶な修行を精神力で乗り越えた尊いものだと考えます。その背景には時代の流れや人々の願い、様々な背負って立つものがあったと考えられます。

即身仏の画像は見方によっては恐怖や嫌悪感を示すものかもしれません。ですが、即身仏になった僧は決して誰かを恨んでという怨霊の類ではありません。ホラー映画を見る気持ちではなく、時代背景やその当時の残酷でも必死な願いを感じながらその有り難さに触れていただきたいと思います。

登山靴に関する記事はこちら

リョウメンスクナに関する記事はこちら