即身仏とは?その過酷すぎる修行内容をご紹介!失敗もあったって本当?

即身仏を参拝できる寺院

siamasien / Pixabay

即身仏の中には一般公開されているお寺もあります。今回は有名な3つのお寺を紹介します。次の長期休みはぜひ一度生で拝見して即身仏の苦労や重みを味わう貴重な経験を積んでいただければ思います。何でもそうですが「百聞は一見に如かず」です。

即身仏を参拝できる寺院①海向寺

山形県酒田市にある海向寺には、忠海上人と円明海上人の2体が祀られています。(2体祀られているは全国でも海向寺のみ)定休日以外はいつでも拝観可能です。12年に一度衣替えをなさるときの衣の一部が入っている「即身佛衣入り御守り」も販売されています。

即身仏を参拝できる寺院②瀧水寺大日坊

山形県の鶴岡市にある瀧水寺大日坊には、真如海上人が祀られています。拝観の前にご祈祷と詳しい講話を聞くことができます。こちらも定休日以外は拝観可能です。もう2体あった即身仏は残念ながら明治8年に火災にあった際に焼失してしまいました。

  • 湯殿山総本寺瀧水寺大日坊
  • 所在地 : 山形県鶴岡市大網字入道11
  • 電話番号: 0235-54-6301
  • Website : http://www.dainichibou.or.jp/

即身仏を参拝できる寺院③南岳寺

同じく山形県の鶴岡市にある南岳寺には鉄竜海上人が祀られています。昭和31年に一度火災にあっており、その際に建物は焼け落ちましたが即身仏は燃えることなく無事だったという神秘さがあります。また、曰く付き?の男根も展示されています。

 

即身仏が東北に集中する理由

18体の分布を見てみると(上記地図には神奈川県横浜市鶴見区の總持寺が抜けています)圧倒的に東北地方、中でも山形県の即身仏の多さに気が付きます。現在祀られている寺ですので中には移動した即身仏もいますが、やはり東北地方を移動しています。

この時代、最上氏が治める庄内藩では年々年貢の取り立てが厳しくなっていました。その結果、逃亡する者や餓死するものも出て悲惨な状況でした。また追い打ちをかけるように天候による飢饉も襲い、そんな農民たちの心を自ら食を拒み命を断った即身仏へ尊敬の念があったためと考えられます。

山形の出羽三山の争い

特に即身仏の多い山形県には「出羽三山」と呼ばれる修験道の山があります。羽黒山、月山、湯殿山の3つです。元々は三山全て真言宗の修験山でした。その後の対立の影に即身仏への願いが垣間見えます。

160年にも及ぶ対立

江戸時代に羽黒山と月山は天台宗に改宗しましたが湯殿山は改宗しませんでした。しかし、羽黒山は元々湯殿山は羽黒山の末寺であると主張し、湯殿山が改宗しないことに対して幕府に講義しました。その後、160年にも及ぶ訴訟や争いとなりました。

NEXT 三山の中で湯殿山だけ