何とも言えない不思議な見た目をしているタチヨタカ。一体どんな声で鳴くのでしょうか?フクロウみたいにホーホーと鳴く?それとも鶯のような美しい声で?気になる方に動画やその鳴き声にまつわる逸話などをご紹介します。
実際の鳴き声はこれ!
開始40秒から50秒当たりに鳴き声が収められています。どうですか?想像通りの鳴き声だったでしょうか?夜中に怖く哀しそうなこんな鳴き声が森に響き渡るとせつない気持ちになりそうですね。他にも威嚇の様子や抱卵の様子も収められています。ぜひご覧ください。
タチヨタカの悲しい逸話
エクアドルに残る逸話としてこんなものがあります。「神の男が妻に激怒し、空へ帰ろうとした。夫を追おうとした妻は落下してしまい、鳥となり、夫は月となった。二度と夫に会えない鳥となった妻は泣き続ける。」といったものです。確かにそんな後悔の気持ちを想像してもおかしくないような鳴き声です。
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タチヨタカの餌は何?
そんなタチヨタカのせつない鳴き声に伴う哀しい逸話は人間が勝手に想像しただけでしょう。当の彼らは鳴き声を森の中に響かせながら大自然の中でたくましく生存競争を戦い抜いています。彼らは何を食べて暮らしているのでしょう?
昆虫・爬虫類・小型鳥類
主な餌は昆虫や爬虫類で夜行性の彼らは夜にそういった餌を探して捕食しています。木にそっくり擬態するのは敵から目をごまかすためもありますが、虫や爬虫類に気づかれないためもあります。じっと木に擬態しながら餌が近づいてくるのを待ち、絶好のチャンスにとびかかって捕食します。
他にも近くを飛んでいる虫や爬虫類などにとびかかってたり飛行中に虫を追いかけてその鋭いくちばしで捕まえて食べることもあります。基本は昆虫や爬虫類ですが中には胃の中から小鳥が出てきた個体もいて旺盛な食欲が見て取れます。
タチヨタカと同じように擬態するムラサキシャチホコについての記事はこちら
タチヨタカの名前の由来
気になる名前の由来をご紹介します。タチヨタカとは「タチ」「ヨタカ」の二つの言葉からできています。「ヨタカ」は「夜鷹」で夜行性であり、その飛ぶ姿が鷹に似ていることからこう呼ばれるようになりました。立派な尾羽や大きな羽もどこか鷹に似ています。
木に垂直に止まる鳥
「タチ」はそのまま「立ち」で、彼らが木に擬態して垂直に立っていることから名づけられたとされています。確かにこのタチヨタカが木にとまっている様子はあまり他の鳥には見られないほどまっすぐ垂直に立っています。
タチヨタカはどこの動物園で見れる?
かわいいのか怖いのか、面白いのか変なのか、こんな鳥がいるとわかればぜひともあの変顔を一目見てみたいと思うかもしれません。一体、日本ではどこの動物園にいけば見ることができるのでしょうか?
日本の動物園にはいない!
残念ながら日本の動物園では飼育されておらず、日本国内でお目にかかることはできないといえるでしょう。南米の地域の村々では普通に見ることができるそうなので旅行で訪れた際はぜひ発見したいところです。
タチヨタカは日本で販売されている?
日本の動物園でも飼育されていないタチヨタカですから、ご想像の通り日本でペットとしての販売はもちろんされていません。高温多湿の熱帯雨林の中で暮らす彼らですから、生まれ育った森で暮らしている姿をここ日本からそっと見守りましょう。
日本で見れるタチヨタカ似の鳥たち
タチヨタカではありませんがとても見た目が似ているガマグチヨタカはキャンベルタウン野鳥の森で飼育がされています。他にも多摩動物公園にもこのガマグチヨタカは飼育されています。木に擬態することやくちばしが大きく開くなどタチヨタカにとてもよく似た習性をみることができます。
オーストラリアガマグチヨタカのかわいい様子はこちらの動画でご覧ください。
タチヨタカの子育てや繁殖は?
眼光鋭く、とがったくちばしをもつタチヨタカですから子育ても厳しく亭主関白なんでしょうか?実はそんなことはなく、夫婦仲良くそろって子供を愛情たっぷりに育て上げることが知られています。
つがいで子育て
彼らは一夫一妻制の鳥なんです。巣を木の上に作ったりすることはせず切り株や木のウロといった穴に卵を産んで夫婦交代で卵を温めて子育てを行います。夜は交代しあってやすものの、日中はなんとオスだけで抱卵を続ける家族思いな鳥なんです。
熱帯雨林の森に暮らす彼らなので突然の雨に見舞われることもありますが、撥水性のないフワフワの雛毛におおわれた赤ちゃんをぬらさないように親たちが覆いかぶさって雨から守ってやる優しい一面も持っています。
タチヨタカの目の秘密
黄色と黒の目の色の比率が変わるだけで劇的に表情が違って見える特徴的なタチヨタカの目ですが、一体どのような構造をしているのでしょう?同じ夜行性の鳥であるフクロウの目を参考に人の目と比較しながら少しだけご説明します。
目の構造は人間と同じ
目を構成している部位に大きな違いはなく、光や色、明るさを認識する細胞の作りも人と違いはそうありません。なにが違うかというと、瞳孔が圧倒的に人より大きく開くということと、網膜に存在する細胞の数も圧倒的に人より多いという2点です。
瞳孔を大きく開ける
光彩と呼ばれる部位が目にはあり、光をレンズに取り込む瞳孔の調整を行います。タチヨタカたちをはじめとする夜行性の鳥たちはこの光彩を人よりも縮めることができるので瞳孔を大きく開くことができ、それのおかげで暗闇でもわずかな光を頼りに狩りや採集をすることができるのです。
タチヨタカのぬいぐるみなどグッズはある?
大きなぎょろりとした目にぱっくりと開く大きなくちばしと実に魅力満点の彼らですからグッズがあれば欲しいと思いませんか?日本で見ることはできなのだし、ぬいぐるみくらい欲しいなと思う方のためにグッズがないか調べてみました。
タチヨタカグッズ
海外ではこのぬいぐるみが販売されており、数多くの投稿もあります。旅行の際に見かければぜひゲットしたいところです。他にも日本ではヴィレッジヴァンガードでラテアートでイラストが描けるステンシルパウダープレートが販売されています。
タチヨタカは変顔と擬態が得意な面白い鳥!
敵の目をごまかし、餌を捕食するために木そっくりに擬態するタチヨタカ。敵に見つかった際には大きな口をがまぐちのように広げて真っ赤な口を見せつけて威嚇し、月の夜には悲しい声で鳴くなんとも特徴満載な彼らに興味を持っていただけましたか?アマゾンの森深くにはこんなおもしろい生き物もいるのかと思いをはせてみてはいかがでしょう。