ミオスタチンが筋肥大を阻害?ミオスタチン関連筋肉肥大やサプリについて知ろう!

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ミオスタチンをコントロールするもうひとつの方法は運動です。これもまだまだ研究が進められている段階ですが、高負荷の筋肉トレーニングでミオスタチンコントロールができるという研究結果が発表されています。

ミオスタチンを抑制する運動をご紹介!

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2004年に発表された研究では、健康な男性が負荷の高いトレーニングを10週間続けたところ、ミオスタチンが20%ほど減少し、筋肉量は12%増加したという結果が出ています。これは、トレーニングにより筋肉の組織が壊れ、その修復が行われる際にミオスタチンが筋肉の細胞の修復を阻害しないよう、自然と生成されなくなるためです。

ただし、高負荷とはどの程度の運動なのか、どのくらいの時間運動すると生成量が変化するのかなどはまだ具体的な数字を示す研究結果は出てきていません。今後のさらなる進展に期待したいところです。

ミオスタチン抑制には食事と運動の併用が不可欠!

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理想的な体を手に入れるには、しっかりとトレーニングをして筋肉を鍛え、さらに食べ物を工夫して質を上げるサポートをするのが最も良い方法です。それによりミオスタチンコントロールにもつながるのでいちばんの近道になります。

ミオスタチン抑制にはクレアチンとHMBという研究結果もある!

2010年に発表された比較的新しい研究で、クレアチンやHMBという物質も能率的に筋肉を鍛える作用があると報告されています。どちらも体内で合成されるたんぱく質の一種ですが、食べ物やサプリメントで摂取する事でより簡単にとる事ができます。

ミオスタチン抑制にはクレアチン

クレアチンは肝臓などで合成できる物質で、血液によって体内に運ばれ筋肉のエネルギーの再合成などに使われます。体内で生成はできますが、最大でも必要量の半分程度しかなく、加齢などで合成量も変わるため食事などで摂取する必要があります。

クレアチンは肉や魚に多く含まれ、1日あたり5g程度摂るのが理想的です。しかし熱に弱いため生で食べる必要があるほか、多く含むといわれるアジでも1kgあたり6.5~10gほどしか含まないので、サプリメントが最も手っ取り早く摂取できます。

ミオスタチン抑制にはHMB

HMBは必須アミノ酸であるロイシンを筋肉が代謝して生まれる物質です。筋肉に負荷がかかったときに受けるダメージを減らす作用があり、これを直接補うと筋肉肥大に効果があると認められています。HMBは1日に3g程度摂るのが良いそうですが、ロイシンでは60gほど必要になるので、HMB単体でのサプリメント摂取がおすすめです。

ミオスタチン遺伝子ってなに?

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ミオスタチンは遺伝子によって生成量が決まっており、機能が活発になると筋肉が減少し、機能が低下すると筋肉が増加する傾向にあります。この生成量を決める遺伝子をミオスタチン遺伝子といいます。

ミオスタチン遺伝子とは

2009年に馬のDNA情報が解読された事により、ミオスタチン遺伝子の観点からサラブレッドは3種類に分けられる事がわかりました。牛や犬のように変異を持つサラブレッドはいませんが、そのミオスタチン量をコントロールする遺伝子の違いにより、筋量多めの短距離型、筋量少なめの長距離型、その中間型に分けられます。

ミオスタチンと競走馬

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サラブレッドはそのミオスタチン遺伝子型によって、筋量が多めの個体は体重が重くなりやすく、パワーを発揮しやすい短距離での勝利頻度が高くなります。反対に筋量が少なめの個体は体重も軽めで、効率よくパワーを発揮できるため長距離で勝ちやすくなります。

ただし遺伝子型による向き不向きはありますが、練習方法や鍛え方によって生成量は変化させられるので一概には言えません。そのため、幼いころに診断をしてその後のトレーニングの仕方を考えたり、よりよい個体を産ませるための交配の判断材料にしたりするのが良い使い方といえそうです。

ミオスタチンを薬で阻害する!

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ミオスタチンの筋肉を減少させる働きに着目し、その働きを抑えて筋肉を増やす阻害薬の研究が行われています。ミオスタチンのコントロールは、筋肉を増やしたい人だけでなく、様々な難病や老化予防にも役立つと考えられています。

ミオスタチン阻害薬とは?

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これは筋肉の増殖を妨げるミオスタチンを阻害する事によって筋肉を増強しようとする薬です。特に筋肉の細胞が減少・壊死してしまい衰えていく遺伝性の難病である筋ジストロフィーの治療に役立つとされ研究が進んでいます。さらには年齢を重ねた事による筋肉の衰えなどにも効果があるとも考えられています。

ミオスタチンの阻害薬は販売している?

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2019年現在ではまだ実用化にまでは至っておらず、販売はされていません。アメリカの企業によって開発はされていますが、筋肉と骨をつなぐ腱という部分をもろくする副作用がある事が報告されています。様々な可能性を持った新薬なので、早期の実用化を期待したいところです。

ミオスタチン阻害薬とドーピング

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この薬は筋肉の増強がのぞめるため、オリンピックでは禁止薬物となっています。しかし近年遺伝子を操作して病気の治療や予防を行う遺伝子治療が可能になってきており、それを用いてミオスタチンをコントロールする遺伝子ドーピングが行われる可能性が指摘されています。すると現在の技術では検出が難しく、その対策の検討もなされています。

ミオスタチンコントロールが秘める可能性

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筋ジストロフィー以外にもミオスタチンをコントロールする事で治療できるといわれている病気がいくつかあります。また、肉や魚の生産効率化にもつながると期待されています。様々な可能性を秘めていて、研究の進展が待たれます。

糖尿病も治す事ができる?

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ミオスタチン異常の人は必要とするエネルギーが非常に多く、体脂肪が少ないという点から、肥満や糖尿病といった代謝がかかわる病気の治療にも有用であると考えられています。実際2018年に発表された研究で、高血糖になりインスリンの値が上昇するとミオスタチンの量が増え、筋肉がやせてしまう事がわかっています。

骨粗しょう症の治療や予防につながる?

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まだ人間での研究結果ではありませんが、ミオスタチン異常のマウスはその強い筋肉を支えるために骨も強くなっている傾向があるようです。そのため骨に与える影響もあると考えられ、骨粗しょう症や遺伝子性の骨の病気などにも関わりがあるのではないかとされています。

ミオスタチンで食肉生産量アップ?

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動物もミオスタチンコントロールによって筋肉を増やし早く体重を増やす事ができるので、1匹あたりで獲れる肉の量が増え、生産効率が上がる事も期待されています。実際、豚やマダイ、トラフグなどでの研究が行われていますが、一方で遺伝子組み換えであるとして安全性を不安視する人もいるほか、動物虐待であるとの指摘もあります。

ミオスタチンを抑制して筋肉ムキムキになる方法!

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筋肉を鍛えて理想の体を手に入れるためには、ミオスタチンとうまく付き合っていく事が非常に大切になります。普通の人でも、高負荷のトレーニングを行う事や食べるものを見直す事でコントロールができます。

ミオスタチン抑制にはサプリメントも使える?

ミオスタチンに働きかけるフォリスタチンやエピカテキンを含むサプリメントは現在販売されていません。しかしクレアチンやHMBであればサプリメントとして摂取する事ができます。プロテインなどと一緒に摂るとさらに効果がアップします。

ミオスタチンを抑制してたくましい体になる近道は?

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ミオスタチンは発見されてからまだ日が浅く、わからないことがまだまだある段階です。そのため基本に立ち返るようですが、サプリメントや薬に頼るよりはしっかりとトレーニングをし、バランスの良い食事をとる事が結局はいちばんの近道となります。

ミオスタチンを制する者が筋肉作りを制する!

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ミオスタチンは筋肉細胞の増加を抑える物質で、一見悪者のようにも感じますが健康の維持にも重要な役割を果たしています。質の良い筋肉を手に入れるにはそれとうまく付き合う事が肝心です。がんばって理想的なムキムキボディを目指しましょう!