鶏卵は非常に身近な食べ物で、毎日食べているという人も多いと思います。2006年に発表された研究で、鶏卵の中でも有精卵にミオスタチンの働きを阻害する物質が多く含まれる事がわかっています。
有精卵とは文字通り精子の入った卵で、有精卵にのみできる胚盤という部位に阻害物質が多く含まれています。普段スーパーなどで手に入る鶏卵は無精卵ですが、直売所などでは有精卵を販売している場合があり、近くにない場合はインターネットでも購入できます。
ダークチョコレートでミオスタチンが減少する?
2014年の研究で、ダークチョコレートやリンゴ・ブドウの皮、緑茶、ワインなどに含まれるエピカテキンという成分にミオスタチンの生成をコントロールする効果がある事がわかりました。ダークチョコレートとはカカオが85%以上含まれているチョコレートの事です。
エピカテキンには他にも抗酸化作用、動脈硬化・高血圧・認知症の予防などの健康に良い作用もあるため、トレーニング中でもおやつを食べたいときはダークチョコレートを選ぶようにしましょう。ミルクチョコレートなどはカカオが少ないため含有量が少なく、カロリーも高いので注意してください。
ミオスタチン抑制食品は何を含んでいるのか?
有精卵に含まれる物質はフォリスタチンといいます。これはミオスタチンなどを不活性化するタンパク質で、人間の体内でも生成されていて体内をコントロールしています。ポリフェノールの一種であるエピカテキンはミオスタチンを阻害するだけでなくフォリスタチンを活性化する作用もあるといわれています。
食事はバランス良く取るのが大原則!
ただしミオスタチン阻害にこだわって食事が偏らないようにしましょう。肉や魚は筋肉を作るのに大切なたんぱく質を多く含みますし、野菜や果物のビタミンやミネラルは筋肉の質をよくします。炭水化物も体のエネルギー源として重要です。バランスの良い食事を心がけつつ、置き換えられるものをミオスタチン阻害食品にするとよいでしょう。
ミオスタチン抑制の具体的な方法「運動編」
ミオスタチンをコントロールするもうひとつの方法は運動です。これもまだまだ研究が進められている段階ですが、高負荷の筋肉トレーニングでミオスタチンコントロールができるという研究結果が発表されています。
ミオスタチンを抑制する運動をご紹介!
2004年に発表された研究では、健康な男性が負荷の高いトレーニングを10週間続けたところ、ミオスタチンが20%ほど減少し、筋肉量は12%増加したという結果が出ています。これは、トレーニングにより筋肉の組織が壊れ、その修復が行われる際にミオスタチンが筋肉の細胞の修復を阻害しないよう、自然と生成されなくなるためです。
ただし、高負荷とはどの程度の運動なのか、どのくらいの時間運動すると生成量が変化するのかなどはまだ具体的な数字を示す研究結果は出てきていません。今後のさらなる進展に期待したいところです。
ミオスタチン抑制には食事と運動の併用が不可欠!
理想的な体を手に入れるには、しっかりとトレーニングをして筋肉を鍛え、さらに食べ物を工夫して質を上げるサポートをするのが最も良い方法です。それによりミオスタチンコントロールにもつながるのでいちばんの近道になります。