ミオスタチンが筋肥大を阻害?ミオスタチン関連筋肉肥大やサプリについて知ろう!

2010年に発表された比較的新しい研究で、クレアチンやHMBという物質も能率的に筋肉を鍛える作用があると報告されています。どちらも体内で合成されるたんぱく質の一種ですが、食べ物やサプリメントで摂取する事でより簡単にとる事ができます。

ミオスタチン抑制にはクレアチン

クレアチンは肝臓などで合成できる物質で、血液によって体内に運ばれ筋肉のエネルギーの再合成などに使われます。体内で生成はできますが、最大でも必要量の半分程度しかなく、加齢などで合成量も変わるため食事などで摂取する必要があります。

クレアチンは肉や魚に多く含まれ、1日あたり5g程度摂るのが理想的です。しかし熱に弱いため生で食べる必要があるほか、多く含むといわれるアジでも1kgあたり6.5~10gほどしか含まないので、サプリメントが最も手っ取り早く摂取できます。

ミオスタチン抑制にはHMB

HMBは必須アミノ酸であるロイシンを筋肉が代謝して生まれる物質です。筋肉に負荷がかかったときに受けるダメージを減らす作用があり、これを直接補うと筋肉肥大に効果があると認められています。HMBは1日に3g程度摂るのが良いそうですが、ロイシンでは60gほど必要になるので、HMB単体でのサプリメント摂取がおすすめです。

ミオスタチン遺伝子ってなに?

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ミオスタチンは遺伝子によって生成量が決まっており、機能が活発になると筋肉が減少し、機能が低下すると筋肉が増加する傾向にあります。この生成量を決める遺伝子をミオスタチン遺伝子といいます。

ミオスタチン遺伝子とは

2009年に馬のDNA情報が解読された事により、ミオスタチン遺伝子の観点からサラブレッドは3種類に分けられる事がわかりました。牛や犬のように変異を持つサラブレッドはいませんが、そのミオスタチン量をコントロールする遺伝子の違いにより、筋量多めの短距離型、筋量少なめの長距離型、その中間型に分けられます。

ミオスタチンと競走馬

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サラブレッドはそのミオスタチン遺伝子型によって、筋量が多めの個体は体重が重くなりやすく、パワーを発揮しやすい短距離での勝利頻度が高くなります。反対に筋量が少なめの個体は体重も軽めで、効率よくパワーを発揮できるため長距離で勝ちやすくなります。

ただし遺伝子型による向き不向きはありますが、練習方法や鍛え方によって生成量は変化させられるので一概には言えません。そのため、幼いころに診断をしてその後のトレーニングの仕方を考えたり、よりよい個体を産ませるための交配の判断材料にしたりするのが良い使い方といえそうです。

ミオスタチンを薬で阻害する!

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ミオスタチンの筋肉を減少させる働きに着目し、その働きを抑えて筋肉を増やす阻害薬の研究が行われています。ミオスタチンのコントロールは、筋肉を増やしたい人だけでなく、様々な難病や老化予防にも役立つと考えられています。

ミオスタチン阻害薬とは?

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これは筋肉の増殖を妨げるミオスタチンを阻害する事によって筋肉を増強しようとする薬です。特に筋肉の細胞が減少・壊死してしまい衰えていく遺伝性の難病である筋ジストロフィーの治療に役立つとされ研究が進んでいます。さらには年齢を重ねた事による筋肉の衰えなどにも効果があるとも考えられています。

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