2019年現在ではまだ実用化にまでは至っておらず、販売はされていません。アメリカの企業によって開発はされていますが、筋肉と骨をつなぐ腱という部分をもろくする副作用がある事が報告されています。様々な可能性を持った新薬なので、早期の実用化を期待したいところです。
ミオスタチン阻害薬とドーピング
この薬は筋肉の増強がのぞめるため、オリンピックでは禁止薬物となっています。しかし近年遺伝子を操作して病気の治療や予防を行う遺伝子治療が可能になってきており、それを用いてミオスタチンをコントロールする遺伝子ドーピングが行われる可能性が指摘されています。すると現在の技術では検出が難しく、その対策の検討もなされています。
ミオスタチンコントロールが秘める可能性
筋ジストロフィー以外にもミオスタチンをコントロールする事で治療できるといわれている病気がいくつかあります。また、肉や魚の生産効率化にもつながると期待されています。様々な可能性を秘めていて、研究の進展が待たれます。
糖尿病も治す事ができる?
ミオスタチン異常の人は必要とするエネルギーが非常に多く、体脂肪が少ないという点から、肥満や糖尿病といった代謝がかかわる病気の治療にも有用であると考えられています。実際2018年に発表された研究で、高血糖になりインスリンの値が上昇するとミオスタチンの量が増え、筋肉がやせてしまう事がわかっています。
骨粗しょう症の治療や予防につながる?
まだ人間での研究結果ではありませんが、ミオスタチン異常のマウスはその強い筋肉を支えるために骨も強くなっている傾向があるようです。そのため骨に与える影響もあると考えられ、骨粗しょう症や遺伝子性の骨の病気などにも関わりがあるのではないかとされています。
ミオスタチンで食肉生産量アップ?
動物もミオスタチンコントロールによって筋肉を増やし早く体重を増やす事ができるので、1匹あたりで獲れる肉の量が増え、生産効率が上がる事も期待されています。実際、豚やマダイ、トラフグなどでの研究が行われていますが、一方で遺伝子組み換えであるとして安全性を不安視する人もいるほか、動物虐待であるとの指摘もあります。
ミオスタチンを抑制して筋肉ムキムキになる方法!
筋肉を鍛えて理想の体を手に入れるためには、ミオスタチンとうまく付き合っていく事が非常に大切になります。普通の人でも、高負荷のトレーニングを行う事や食べるものを見直す事でコントロールができます。
ミオスタチン抑制にはサプリメントも使える?
ミオスタチンに働きかけるフォリスタチンやエピカテキンを含むサプリメントは現在販売されていません。しかしクレアチンやHMBであればサプリメントとして摂取する事ができます。プロテインなどと一緒に摂るとさらに効果がアップします。
ミオスタチンを抑制してたくましい体になる近道は?
ミオスタチンは発見されてからまだ日が浅く、わからないことがまだまだある段階です。そのため基本に立ち返るようですが、サプリメントや薬に頼るよりはしっかりとトレーニングをし、バランスの良い食事をとる事が結局はいちばんの近道となります。