人間動物園は実在した!欧米植民地政策に利用された人間動物園と展示された人々の悲劇

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日本は1919年のパリ講和会議において「人種的差別撤廃提案」をしています。賛成多数であったにもかかわらず議長裁定で否決されました。現代では評価される向きは少ないですが、歴史として正当な認識できるほどに時間がたてば、民族主義への抵抗として最初の一歩をしりしたのは日本だと評価は高まるでしょう。

負の遺産「人間動物園」と向き合う現在

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人間動物園は強い人種差別や非人道的な行いを肯定する温床として利用されました。それは一定の人種を淘汰するほどの凄まじい殺人へと結びつきました。現代の人々は、人間動物園を負の遺産として捉えています。

フランスで開かれた展示会

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2011年11月フランスのパリで「作られた未開人」という展示が催されました。植民地支配の残虐性や、人種差別の歴史を総括する内容になっています。歴史を風化させないことと同時に、犠牲者の尊厳を取り戻すための活動でもあります。

ノルウェーで人間動物園再現

2014年5月ノルウェーで人間動物園を再現するコンゴ村が完成した。コンゴ村のモデルは1914年の憲法制定100周年イベントのパビリオンの一つ。コンゴ出身の80人が展示され最も人気を博したイベントでした。再現された人間動物園に意味があるのか?という賛否両論があります。

差別の助長と過去の罪との対峙

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人間動物園を負の歴史であり過去の罪ととらえる向きが主流です。しかし、現代の差別を助長する結果になるとして、取り上げることを拒む考えもあります。歴史として的確な評価を受けるにはまだ時間が足りないのかもしれません。

人間動物園を扱った本

もっと詳しく人間動物園について知りたい方は書籍も参考にしてください。日本語で出版された人間動物園を取り上げた書籍が多数あります。その中でも詳しく書かれているおすすめの本を紹介します。

父さんのからだを返して 父を骨格標本にされたエスキモーの少年

父さんのからだを返して―父親を骨格標本にされたエスキモーの少年

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北極探検隊によって連れてこられたエスキモー父と少年。父はニューヨークで亡くなり埋葬されます。ある日少年は父の遺骨が博物館で骨格標本として展示されているのを知ります。父の遺骨を取り返すために奔走する少年。映画化された話題作です。

  • ケン ハーパー (著)
  • 出版社: 早川書房 (2001/08)
  • 価格:約1200円(中古品、2019年3月上旬Amazon価格)

ロンドン日本人村を作った男 謎の興行師タナカー・ブヒクロサン

ロンドン日本人村を作った男 〔謎の興行師タナカー・ブヒクロサン 1839-94〕

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日本国のパスポートを最初に使ったのはだれだ?それはタナカー・ブヒクロサン率いる軽業見世物一座でした。世界各国で公演を開きロンドンに日本人村を作ったオランダ人タナカー・ブヒクロサンとは何者なのか?

  • 小山 騰 (著)
  • 出版社::藤原書店
  • 価格:約3900円(2019年3月上旬Amazon価格)

サルの惑星と人間動物園

【Amazon.co.jp限定】猿の惑星 DVDコレクション(8枚組)(Amazon ロゴケース付)

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本ではありませんが猿の惑星の中でも人間動物園が出てきます。退化した人間をサルが檻の中に入れているのです。人間とサルではありますが、根底に流れている要素は同じものです。1968年にカデミー賞名誉賞を受賞した作品です。

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