アラカブの生態
アラカブは「卵胎生」
アラカブの生態は、かなり研究されていて大まかな通年の移動の習性がわかっています。先ずアラカブの大まかな成長過程ですが、春先に産卵し1年ほどで成魚となります。アラカブが成魚になるとその体長は30センチほどとなり体重は3キロくらいに大きくなります。産卵は沿岸部でされますが、アラカブの産卵は特殊で「卵胎生」と呼ばれる形でなされます。「卵胎生」とは、卵を直接生み落すのではなく、一旦お腹の中で稚魚に孵化させてから生み落す方法です。これは、卵の状態で外敵に捕食されることを防ぎ成魚になる確率をあげるためであると言われています。
アラカブの1年の動き
アラカブは1年を通じて大体同じ様に行動します。沿岸部で産み落とされたアラカブの稚魚は海流に身を任せて浮遊し、成長を待ちます。浮遊している間に外敵に捕食されてしまう個体も相当に多いと考えられていますが、20センチほどに成長できたアラカブは沿岸の潮間帯域に移動をしていきます。夏になると大型の成魚が深場に移動するため、沿岸部は新しく移動してきた中小型の大きさのアラカブが中心となります。秋から冬になると大型のアラカブが産卵期となり、再び沿岸部に戻ってきます。そして冒頭の産卵に備えるという周期です。これを知っていると、どの時期にどのサイズのアラカブをどのポイントで狙うかが明確になってくると思います。
アラカブの特徴
アラカブの体はまだら模様が特徴的ですが、赤褐色が強いアラカブと黒褐色が強いアラカブがいます。アラカブの色は基本的に保護色であることが知られたおり、一説によると浅場にいるアラカブは黒っぽくなり、深場にいるアラカブは赤っぽくなるとも言われますが、アラカブの住んでいる環境やアラカブ自体の個体差によって色合いはマチマチな場合があり様々な要素が組み合わさって色味が変わるのだろうと考えられています。また、アラカブが特徴的なのは頭部の棘で、鼻、目の前・上・後、耳、額及び頭頂に各1対ずつの棘がありますから、釣り上げた際にはこの棘に注意が必要です。
アラカブのの生息地・分布
アラカブの生態の解説な中で生息地について先行で解説をしてしまいましたが、復習をしますとアラカブは基本的に沿岸部に生息しています。ただし夏場になると、アラカブの中でも比較的大型の個体は沖の深場に移動して暮らす様になります。日本におけるアラカブの分布は、北海道から九州の日本全国各地に分布しています。したがって、全国どの地方でもアラカブ釣りは楽しめます。