昭和に入ると採毛産業が農家の副業として広まる様になり、全国的に養兎が盛んになっていきました。第二次世界大戦後は一時その数を減らしてしまいましたが、その後は日本独自の品種なども作られ養兎が更に盛んになりました。
1960年(昭和35年)には全国で飼育数が約72万匹まで増え、日本が世界で一番の飼育数を誇る事になりました。
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海外でのアンゴラウサギの歴史
当初は可愛らしい見た目が人気でペットして飼うことが目的で飼育がされていました。しかし、世界大戦後に多くの国や地域が産業目的で品種の改良を活発に行うようになり、独自の様々な交配が行われるようになりました。
フランスでの歴史
世界大戦前後に採毛産業の為の養兎が広まっていき、独自に交配の研究が進められフランス系アンゴラが生まれました。その毛を使い製品を作る為に大規模な飼育が各地で進められていきました。
フランス系アンゴラは農民が畑仕事の合間に屋外で飼育していた為、体が丈夫で病気になるづらく管理が簡単なことから海外へと種兎として多く輸出された。
イギリスでの歴史
世界大戦後のフランスの種兎を輸入し、戦争によって家族や職をなくした人々によって改良が進められて生まれたのがイギリス系アンゴラです。
その毛で織られた製品は王室でも高く評価され重用されました。実用的で丈夫なフランス系アンゴラに比べ見た目の美しさを重視したため体質が虚弱になる弊害もありました。
カナダでの歴史
アンゴラウサギの改良はカナダでも行われていて、フランス系移民が好んで飼育をしていました。体が丈夫なフランス系アンゴラに毛並みが上質で綺麗なイギリス系アンゴラを掛け合わせて生まれたのがカナダ系アンゴラです。
アンゴラウールは高価
アンゴラウサギの毛は織物などを作るさいの素材としても高級なものになっています。その毛を使って織られた製品はアンゴラと呼ばれていてウールやカシミヤなどと並んで高価な衣服に使われている事が多いです。
その為採毛目的で大量に育てられていて、工場などで大量に採毛し加工されています。
暖かい衣服に加工
アンゴラの毛で作った衣服は手触りが軽くて保温性に優れて、着るととても暖かいのが特徴です。その暖かさから冬場に着る衣服に多く用いられていて、セーターや帽子、手袋などの防寒具に加工される事が多いです。
現在では動物愛護問題に
軽くて暖かいその毛は兎毛製品として人気なアンゴラですが、現在は動物愛護の観点から採毛を行うのを反対する声も上がってきています。
最近ではペットとしての需要の高まりから動物愛護への関心が大きくなっています。またインターネットの普及によりその制作過程も簡単に調べる事が出来るようになったのも要因となっています。
中国の工場での残酷な毛の採取方法が動物愛護問題に
インターネット上に中国の工場で行われた残酷な採毛の動画が公開された事で世界中で動物愛護の声が高まりました。採毛の90%が中国に集中していて、その採毛工程を見た消費者がショックを受けて不買を訴えかける運動も始まりました。
また海外の洋服ブランドではアンゴラを使った製品の販売を中止を発表するなど反響は世界中に広がっていきました。
毛を無理やりむしり取る
話題となった中国の採毛工場の動画では生きたままむしり取る様子が映っています。毛を無理やりむしられてピンク色の地肌が赤く腫れ血がにじんでいて見るも無残な状態が動画として配信されたことで全世界に強い衝撃を与えました。
痛みで悲鳴を上げるアンゴラウサギ
本来声帯を持たないウサギは鳴く事がない静かな動物です。しかし、公開された中国の工場の動画では毛をむしり取られる激しい痛みから断末魔の様な苦しい声で鳴く様子が収められていて全世界に衝撃と憤りを与えました。
アンゴラウサギは定期的な採毛が必要
採毛用に改良されているので衛生状態を保ち綺麗な毛を採るためにも定期的に採毛を行う必要があります。
一年に4回から5回のペースで伸びた毛の刈り取りを行い、刈り取った毛を製品として加工を行います。また採毛方法も2パターンありそれぞれにメリット・デメリットが存在します。
ハサミで刈り取る方法
ハサミなどを使用してウサギの毛を刈る方法で、90日間隔に年間4回もしくは75日間隔で年間5回程度おこないます。
ニュージーランド等で行われていて、羊の毛をかるような感覚で地肌より少し上で毛を刈り取っていく方法です。
抜く方法
抜き取り方法は年に4回に分けて毛根が緩くなる生え変わりの時期に合わせて実施し、体毛を軽く引っ張って抜ける毛を抜いていきます。
一週間程度の間隔を空けながら数回に分けてゆっくりと毛を抜いていきます。なた抜く毛は長いものだけにして短い毛は残す方法を取っていて、刈り取りより長く良質な毛が取れる一方で時間がかかるのがデメリットとなっています。
アンゴラウサギの毛を刈らないとどうなる?
アンゴラウサギは毛がすぐに伸びてしまう品種になっているので、毛の長さがとても長くなります。毛が伸びすぎると目が見えない状態になったり、毛玉が出来てしまいそれを飲み込むこんでしまい窒息するなどの弊害が出てきてしまします。
毛が伸びると15㎝以上になるウサギも
品種にもよりますが毛を刈り取らないで放置しておくと、毛が伸びきってしまい長い個体だと15㎝以上にもなってしまう事があります。
毛が伸び切ってしまうと、毛が絡まったりするなどする為、伸び切る前に毛を整える必要があります。
まるでおまんじゅうのような見た目に
アンゴラウサギはその長くてふわふわした体毛が特徴で丸まっているすがたはまん丸のおまんじゅうの様にみえます。
また毛がのびてもこもことしている為、その見た目はまるでぬいぐるみの様に見えます。
アンゴラウサギの個性的なカットも人気
アンゴラウサギはその毛の長さを生かして様々なカットをすることで見た目を自分好みにアレンジすることが可能です。
長い毛を部分的にカットしたり、束ねたりすることで様々なバリエーションを出すことでオリジナリティのある見た目にすることが出来るのも人気の理由です。
トリミング次第で様々なカットが可能
カットのバリエーションは定番のサマーカットなどのの他に、飼い主の好みなどで自由に毛の長さを組み合わせて個性を楽しむ事が出来るのが特徴です。
目元などをすっきりさせて体毛を残すパターンや体の毛をまん丸にカットしてぬいぐるみの様にするなど、そのバリエーションは様々です。
SNSで人気のアンゴラウサギたち
そのぬいぐるみの様な可愛らしい見た目から個性的なカットをSNSなどに投稿する飼い主が増えています。
TwitterやInstagramなどでは自分の飼っている子に洋服を着せたり毛をまとめてリボンなどでヘアアレンジした写真なども数多く投稿されています。
アンゴラウサギはどこで見られる?
ペットとしても非常に人気が高いアンゴラウサギですが、ペットを飼う事が出来ない人はなかなか触れ合える機会を持つのは難しいと思います。
実際に会うためにはどこへいけばいいのか、人気のスポットをピックアップして紹介します。
ワールド牧場
大阪府にある「大阪ふれあい観光牧場・ワールド牧場」は様々な動物が実に140種類以上飼育されていて、様々なふれあい体験やイベントを楽しむ事ができるのが魅力な施設です。
同施設にはイングリッシュアンゴラが飼育されていて、可愛くてフワフワした見た目が人気です。
神戸の六甲山牧場
兵庫県神戸市にある「六甲山牧場」は日本でも数少ない日本アンゴラを見ることが出来る牧場です。
牧場内では飼育・展示だけでなくふれあい体験や餌やろなどを行うことが出来る為、実際に触れあえるのが魅力です。その他の神戸の家族で楽しめるスポットはこちらの記事を参考にしてください。
アンゴラウサギを大切にしよう!
長くて柔らかい毛並みが特徴でペットとしても人気の高いアンゴラウサギですが、本来採毛用に品種改良され工場などで酷い扱いを受けている側面もあります。
全世界で動物保護のの観点から毛の製品としての使用も自粛されるなどの運動も起きています。ペットとして飼う場合でもしっかりと世話をして大切にしましょう。