そうした背景があったことを踏まえても、1000年もの時を経て現代によみがえった、アンティキティラの姿は信じられません。1000年以上前の宇宙に関する機械だなんて、学者が証明しても、まだ異次元から来たとか、宇宙人の知恵だと言っいるのです。
天文学、科学がさかん
アリストテレスはすでに天動仮説を唱えていました。四元素説のエンペドクレス、数学者のピタゴラスは今の数学の基礎になっています。エラトステネスはこの時代にすでに地球の大きさを知っていたと言うことです。
星座の等級が決まり、月と地球のサイズを知り、太陽までの距離を計りました。当時の日本や大半の国では、まだ学問の形態さえできていない時代です。すでに天球儀の概念は出来上がっていたと伝えられています。
14世紀の科学にも見劣りしない
アンティキティラの機械は14世紀の技術に匹敵すると認められています。精巧で、デザイン性に優れていると言われているのです。また月の楕円軌道までが計算されていることに研究者たちは驚愕したのです。
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古代ギリシャが滅んでいなかったら?
古代ギリシャの統率された社会にあって、民主主義も芽を出したばかりでした。その後ギリシャはキリスト教による迫害の時代に入ります。古代ギリシャが滅んでいなかったら科学の進歩は加速していたといわれています。
キリスト教は科学を異端とみなし抑圧
東ローマ帝国はキリスト教の勢力を利用し、ローマ帝国の統一を試みました。ローマ帝国の禁令を解き底辺の人々の味方になることで、キリスト教は国家公認の宗教になりました。支配階級もキリスト教に傾倒し、封建制社会を支えるようになってしまったのです。
コンスタンチ大帝の死後ゲルマン民族が入りローマ帝国は崩壊しました。文化的なものもすべて破壊され、自由な気風は失われその後1000年に渡るキリスト教の圧迫に科学の進歩は止まってしまいました。
科学の進歩が現在よりも速かったかも
古代ギリシャの数々の施設は、とくに、水道設備などは、今現在においても、素晴らしいと評価されています。都市造り、建造物、科学、物理、そんな背景から、アンティキティラ島の機械も想像の手がかりになるかも知れません。
キリスト教の支配がなかったら、古代ギリシャの社会や人々はどのような未来を描いていたのだろうかと、手がかりを探してやまないのです。アンティキティラ島の職人は慎重で、丁寧な高い技術を持った人だと言われています。
アンティキティラ島の機械はどこで見られる?
アテネ国立考古学博物館に、展示されています。1階の青銅器区画にデレク・デ・ソーラ・プライスの復元品と並んでいます。復元品は青銅製の最初の81のぼろぼろのパーツを元に足りない部品を推理し組み立てたとされています。
アテネ国立考古学博物館所蔵
アテネ国立考古学博物館には国中の貴重な品が展示されています。1日では周りきれません。またアンティキティラ島の時計は常設ではありませんから確認して、行ったほうがいいようです。アンティキティラ島の機械は復元品と隣同士に並んでいます。一階の青銅器のコーナーに展示されています。
失われた技術は失われた時間に等しい。興味深い記事です。
現在でも研究が進む
アンティキティラ島の機械の研究は、復元したから終了ということにはなりませんでした。まだ沈没船の謎もありますし、失われたパーツの研究も進めています。研究機関がしてきた3DやX線分析の結果が2006年に発表されました。ネイチャー誌にも取り上げられ世の中がざわめきました。
アンティキティラ島の機械には2000文字が刻まれていることがわかっていましたが、表面が傷んでいたため、読むことができませんでした。CTやMRIがある現在では読めるようになっています。まだ調査すべきことがあり、中でも失われた部品については調査を進めています。
こちらもご覧ください。科学が発達して、解明されたものとどうしても解明できないものがあります。
古代ギリシャ人が見上げた夜空
星は人類が誕生するはるか昔から空で輝いています。でも、星座は空の星と星を見えない線で繋いで星座にしたのです。無数の光の点に壮大な物語を映していたのですね。アンティキティラの機械があれば、すでに恒星と惑星を見分けることができたのです。
古代の星座
想像力を働かせて空に描いたのは古代の人なのです。初めて星座として空に登場したのはメソポタミア文明以前まで遡ります。シュメール人やアッカド人が作ったかも知れないというのが新しい説です。古代の人々が仰いだ星は今とほとんど同じです。失われた星はそれほどないのです。
口伝によると、アークトゥルスのことをジブジアアナと呼び、すでにうしかい座の原型が作られていたのではないかと推測されています。考古学的な解説だと紀元前4000年に初めて星座の名前が登場したとされています。
古代ギリシャ時代に存在した星座
最初に描かれたのは白鳥座や、おうし座、しし座だと言われています。アルメニアで発見しれた石版に刻まれいたのです。紀元前4000年という気が遠くなるような昔のことです。メソポタミア文明でも星座は更にはっきり描かれています。それらの星座は古代ギリシャに繋がってゆくのです。
真っ暗な空に瞬く色とりどりの星や天の川、星雲や星団が目視できたはずです。古代ギリシャでは、詩人のアトラスが星座に神々の名を付けたとされています。その後ふ、エジプトで天文学者のプトレマイオスが48の星座を作りました。
プレストマイオスは、紀元前2世紀に活躍したヒッパルコスのあとを継いだとされていますから、48星座のうちの幾つかはヒッパルコスによるものでしょう。現在公式な星座は88個あります。空を見上げれば神々がドラマを繰り広げています。
北半球の星座と南半球の星座
10世紀の末には、ペルシャのアル・スーフィーが多くの製図を残します。北半球の星には名前が付きましたが、南半球は遅れていました。学者が皆、北半球にいたからです。16世紀には航海士のケイセルとハウトマンの観測所で南半球の星座が加わりました。
17世紀には何人かの天文学者を経てラカイユによって天体図が完成しました。チョウコクザ、テーブルサン座、じょうぎ座、ポンプ座など、北半球の人々にとっては聞きなれない名前の星座が並びます。天空を覆う製図が完成しました。
星座の重複
星座の重複がおこり、国際天文学連合は1922年に88の星座を公式としました。すべての天体はいずれかの星図区分に分かれてます。ギリシャ神話の神々がそれぞれのストーリーを持ち、天を巡っています。
神話に照らして夜空を仰ぐと、壮大なストーリーがゆっくりと動き始めるのです。例えば3等星4個で構成されているカラス座はアポロンの怒りに触れて、4つの羽根を釘で打ち付けられてしまいました。隣にコップ座がありますが、届かないのでいつまでたっても水にはありつけません。
ギリシャ時代に発明されたもの
ギリシャ時代の発明品は意外に少なく、剣や武具に力を入れていたようです。また都市の基礎になる思想や美術工芸の分野は著しい発展を見せています。ヘロンの噴水を応用し、ヘロンの自動ドアも発見としてあげられています。
ヘロンの噴水
サイフォンの原理を応用して、ポンプを使わずに噴水が上がります。動力を使わない噴水はまさにエコロジーで、現在でも理科の実験に取り入れられています。古代メソポタミアの遺跡から発見されたものをギリシャのヘロンが作ったとされています。
チーズケーキ
紀元前776年のオリンピックにトリヨンというものがふるまわれました。イチジクの葉にラードやミルク、チーズを混ぜ包んで蒸したものでした。ハチミツをつけて食べます。これがチーズケーキの始まりだと言われています。
アルキメデスの殺人光線
アルキメデスの熱光線ともいいます。アルキメデスの故郷シラクサが敵軍ローマ軍に包囲されたときに、鏡を集めて、海上の敵船の黒い部分を狙い、光の焦点を集中させると、敵船は炎をあげ燃え上がったと伝えられいます。
この原理では船に火がつくまで時間がかかるとの反対意見もありますが、ネバダ州のソーラーワン発電所は熱光線と同じ原理のソーラーシステムが使われています。64000kwの発電量があります。
アンティキティラ島の機械の技術に驚き!
アンティキティラ島の機械について研究することは、人間が道具を使い始めた紀源や目的について理解を深めたり、興味を持つことに役立ちます。復元品は、アテネのほか、アメリカボーズマンの計算機博物館、マンハッタンの子供博物館に展示されています。