さんまのはらわたは食べられる?
結論から言うと「食べることが可能」なはらわたですが、食べることができない魚もある中でなぜさんまは食べることができるのでしょうか。そこにはさんま特有の身体の作りに秘密があります。その全容をまずは解説します。「苦味」の訳も併せてどうぞ。
さんまは「無胃魚」!
無胃魚と書いて「むいぎょ」と読みます。字の通り胃がありません。1本の消化管が体を通っているのみです。
よって食べたものはすぐに消化と吸収が行われます。胃がないので貯めておくことはできません。サヨリやメダカもこの無胃魚に該当します。
さんまの内臓が空っぽな理由
基本的に日中にプランクトンなどを食べ、夜は食べない習性があります。そしてさんま漁はその夜に行われます。
無胃魚のため日中食べたものは夜まで体内には残りません。つまり内臓が空の状態のさんまが水揚げされてわたしたちの食卓に上がっているのです。
さんまのはらわたは苦い
この「苦さ」が食べられるか否かを左右しています。ではこの苦さはなんなのかというと胆のうに含まれる胆汁によるものです。
逆に言うと胆汁が流れ出るのさえ防げれば苦味は抑えることができるともいえますが、なかなか小さいので至難の業。また内臓を好む人はこの苦味もおいしさの一つとして受け止めている傾向があります。
さんまのはらわた、食べる?食べない?
「食べれるのか、食べられないのか」という話を誰かと議論したことが一度はあるのではないでしょうか。
でもそんな話題になるのもさんまが日本人に愛されている証拠でもあります。ここでは肯定派、否定派の割合と、その声を集めて紹介しています。
さんまのはらわたを食べる人の割合45%
食べる派は微妙に半数を下回っています。しかし「腹わたの苦味がクセになる」「日本酒との相性は最高!」「腹わたを食べるためにさんまを食べているようなもの」「腹わただけ売って欲しい」などなど、好きな人ならではの熱い声が多数あるのも特徴です。
また50%を割った理由はお酒を飲めるか飲めないかにも影響しているようです。
さんまのはらわたを食べない人の割合55%
わずかの差で食べる派を上回っています。声としてもっとも多いのは「あの苦さのどこがおいしいのかわからない」といったように苦味に対して疑問を抱いた人が多く見受けられます。
その次に多くの声が上がったのはやはり見た目の問題でした。「あんなグロテスクなものを食べるなんて」など口にするなど信じるに難いような声が聞こえてきました。
さんまのはらわたには寄生虫がいる?
秋=さんまといった方程式に最近では必ず寄生虫の話題も上がるようになりました。
一見、危険な魚なのではを錯覚してしまいがちですが、しかしそれほどさんまが多くの人に身近な食材であるためにより大きく注意喚起をしているようにも見て取れます。でも気をつければそれほど怖いものでもありません。それぞれの特徴と注意点をお伝えします。
「ラジノリンクス」
寄生虫の中でもっとも多いとされています。赤いミミズのような見た目をして、内臓の中でも腸管に多く寄生している虫です。
がしかし加熱してしまえば問題はありませんし、最悪生きている状態のものを口にしてしまっても人体には影響のない寄生虫です。
「アニサキス」
寄生虫の中でももっとも有名なアニサキスは白色をしたミミズのような虫です。宿主が生きている間は内臓に潜んでいますが、宿主が死ぬと筋肉(身)にも帰省します。
よって刺身でも食す危険があるので注意が必要です。もし感染となると激しい腹痛に見舞われます。加熱には弱く70度以上で死滅します。なおアニサキスについてはこちらもどうぞ。
「サンマヒジキムシ」
ひじきのように黒く細長い見た目からこの名前が付けられており、学名ではペンネラと呼ばれている寄生虫です。主に体表面から浅い部分に潜り養分を吸い取っています。
さんまの腹の付近に見られる穴はこの寄生虫の仕業です。サイズも他に比べて大きいので取り除きやすく、もしも食してしまったとしても人体には影響はありません。
はらわたの簡単な取り方を解説!
「どうしても食べたくない」「調理の前から取り除いておきたい」といった苦手な人向けに簡単に取り除く方法をこれから紹介します。
調理前に取ってしまえばい寄生虫の心配もぐんと減るので安心して食べることができます。
さんまのはらわたの簡単な取り方
普段あまり魚に触れない人でも3つの手順を踏むだけでとても簡単に取ることができます。成功するとそこまで手やまな板を汚すこともありません。
またこの方法はイワシなどにも応用することができるので覚えておくと大変便利です。動画付きで解説します。
簡単なはらわたの取り方①:頭に切り込みを入れる
最初に頭の付け根部分に切り込みを入れます。この時中骨まで切ってしまいますが、頭は切り落とさないようにすることがポイントです。
うっかり落としてしまわないように注意します。骨を切ったらそこで止めましょう。
簡単なはらわたの取り方②:腹に切り込みを入れる
腹を見ると小さな穴があるのがわかります。これは肛門にあたる場所でこの手前に1センチほどの切り込みを入れます。刃先を深く入れすぎないように注意しましょう。
たったこれだけで2つ目の手順は完了です。
簡単なはらわたの取り方③:頭を引っ張る
次に右手で尻尾を押さえたら左手で頭を持ち、頭をゆっくり引っ張っていきます。すると頭が外れ、そこに内臓がくっついた状態のまま気持ちいいほどスルッと抜け取れます。
ぜひお腹の中を確認してみてください。きれいに何もない状態になっています。これで内臓の処理は完了です。
簡単なはらわたの取り方動画を見てみよう!
では最後に動画を見てみましょう。とても簡単な処理であることがよくわかります。さんまの頭には骨も内臓もくっついており、その特徴を最大限に生かした処理方法であることが動画を見るとよくわかります。
さんまのはらわた美味しいレシピ6選!
塩焼きにした時にしか食べる機会がないと思われがちですが、はらわたの味を生かした料理は多数あります。
今回はその中でも比較的簡単で、かつはらわた好きの人に人気なレシピを洋風も含めて6つ厳選したものを紹介します。もしかしたら苦手な人もその食味に目覚めてしまうレシピもあるかもしれません!
さんまのはらわたレシピ①さんまのわた漬け焼き
内臓の部分をベースにして漬けタレを作り焼く前に一度そこに漬けるメニューです。タレがソースのような役割になるので、塩焼きで腹わたを食べる時よりも味と香りが行き渡ります。
ほどより苦味の効いた大人の一皿といえます。日本酒などに合わせたいような深い味わいが特徴です。またさんまの焼き方に興味がある人はこちら。
材料とワンポイントアドバイス
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生姜の絞り汁は風味のアクセントとともに生臭さが主張しすぎないために入れますが、ストレートな味わいを求める人は無くても構いません。
漬ける時間は30分から半日ほどで、長ければ長いほど風味の移りが良くなるのでお好みで調節してください。塩焼きの時よりも焦げやすいので焼く際は注視しながら様子をみましょう。
美味しい作り方
腹わたは細かく刻み、合わせた調味料に入れよく混ぜせて漬けタレを作ります。3等分ほどにカットした切り身をタレに漬け風味を移します。
グリルで焼いたら皿に盛ります。余ったタレを加熱して切り身にかけます。お好みでネギを散らしたら完成です。詳細なレシピはこちら
さんまのはらわたレシピ②腹わたの炙り丼
さんまの刺身を、加熱処理をした腹わたベースのタレとともにいただく丼ものメニューです。このレシピのポイントは何と言っても仕上げにバーナーで炙るところにあります。