ゴイアニア被曝事故の悲劇|廃病院で盗難されたセシウム137で放射線が拡散

今はネットも普及し調べやすい環境になった為、放射性物質がどんなものなのかを知ってる人は多いでしょう。しかし、ある日ただポツンと何の注意書きもなく粉が置いてあった時、怪しいと思いはすれど放射性物質だ!と気付ける人はほとんどいないでしょう。

故に、日頃それらを取り扱う人は資格や許可を取っている人達なのですから管理を徹底する義務があるのではないかと思います。放置せざるを得なくなったとしても、住民への注意喚起や見回りでの盗難の早期発見か出来ていれば、少なくともこれほどの被害を出す事はなかったのではないかと思います。

だけど盗難ダメ!絶対!

ですが、だからといって2人が働いた窃盗が許されるわけではありません。あくまで盗難は絶対にしてはいけない事です。それはセシウムだからに限った話ではありません。常識的ではありますが、一番基本的で大切な部分です。

他にもあった、放射線事故事例

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ここでは放射線事件のことをもっと知りたい方のため、過去にあった放射線関連の事件の概要をご紹介したいと思います。日本でも放射線事件が起こり、放射線事件が遠い何処かの話ではなく身近な話になりつつあります。原発のことも含め、一人一人が知り、考えるべき時なのかもしれません。

放射線事故事例①:モロッコ放射線事故

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こちらはなんと2年連続で事故が起こってしまっています。それぞれ1983年と1984年。1983年にメキシコのファレスで起きた事故では、くず鉄として処理された鉄の中にコバルト60が紛れ込んでおり、そのくず鉄を使って作った椅子を利用した労働者たち500人が被害にあってしまうという事故でした。

1984年の事故は、モロッコのモハメディア。非破壊検査用のイリジウム192を持ち帰ってしまい、持ち帰った当人の家族ら8人が被爆してしまうというもの。ゴイアニア被曝事故と似ています。しかしこちらの事件では、家族8人全員が犠牲になってしまいました。

放射線事故事例②:造船所イリジウム事故

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こちらは日本の千葉県で1971年に起こった事件です。造船所構内で非破壊検査に使われるイリジウム192が放射線源。ステンレスの鉛筆のようなものを興味本位で下宿先へ持ち帰ってしまいました。そしてそこにいた仲間5人と共に被曝してしまうという事件。5人の被害者達は命に影響はなかったものの指を切断する事態にはなってしまいました。

ちなみに非破壊検査とは、建物や船などのレントゲン検査といった感じのものです。壊したり分解したりせずに中の方のキズや劣化を調べることです。安心して利用するための定期点検に欠かせない技術です。こうして見ると、案外放射性物質は至る所にあるし、身近な物だと実感します。

見たことあるアレ。放射線事故が元ネタだった!

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ネットやLINEスタンプなどで人気を博したヨシ!と指差し呼称をする猫のキャラクターをご存知の人はそこそこいるのではないでしょうか。このキャラクターのイラストで丸い物体から青い光が溢れ、「あ!」と驚いたような声を上げているものがあるのはご存知でしょうか。実はこれは実際の事件が元ネタとなっております。

デーモン・コア

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それは、1946年にアメリカで実験中に起きた事故です。中性子反射体と核分裂性物質を近づけ、臨界状態がどれくらいで発生するかを測る実験。2つが完璧にくっついてしまったら大量の中性子線が発生するというとても危険な実験。な、はずなのだが、素人目に見てもどう考えても危ないだろう!?と思う方法で実験は行われました。

その方法は、2つの間にマイナスドライバーを挟み込み、それで両者の位置を調整しながら測定するという方法でした。上下に分かれた両者の間にはたった一本の不安定なドライバー。事件は皆さんが予想の通り、うっかり「あ!」と手を滑らせ上下がくっつき中性子線が発生。ドライバーをぐらぐらさせていたルイス博士が犠牲となった。

被爆事故を二度と起こさないために

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ゴイアニア被爆事故やその他の被爆事故について書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか。日本でも福島の原発事故を境に、原発や放射性物質がとても便利で身近な半面とても危険なものだと再確認した方も多いでしょう。この記事を読んで、放射性物質に興味を持って、知って頂けるきっかけになれば幸いです。

原発や放射線に対して正しい知識を持つことで、万が一の時最悪を回避出来たり、差別や風評被害で悲しい目に合う人たちを減らすことができます。事故を無くし、安全に正しく、危険だけれど便利な彼らと付き合っていく社会になればいいと思います。

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