絶滅危惧種に指定されているゴリアテグルーパーは、1990年から2006年まで保護のために全面禁漁となっていましたが、現在では船や陸にあげず、必ずリリースする事を条件に釣りが可能になっています。数が回復してきている事もあり、比較的簡単に釣れるようです。
間違って捕獲されることも
浅瀬の海に生息しているため、釣ろうとしていなくても釣竿に掛かるという事件もよくあります。逆に、別の魚を釣っているところにやってきて獲物を横取りされ、漁の邪魔になってしまうのもありがちなアクシデントです。
重さで釣竿が折れる
ゴリアテグルーパー釣りは巨大魚ハンターの間では非常に人気のアクティビティですが、その巨大さゆえのアクシデントも多数あります。重さや引きの強さにより釣竿が折れてしまったり、リールが壊れてしまったりなどは珍しくありません。また、場合によっては人が海に引きずり込まれてしまう事もあるので注意が必要です。
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ゴリアテグルーパー釣りのタックルはどんなもの?
ゴリアテグルーパー釣りはフロリダなどでツアーが組まれるほどの人気レジャーです。しかし巨大な魚なので普通のタックルでは全く歯が立ちません。基本的にツアーで行く場合ガイドや船も込みになっており、もちろんタックルもレンタルできるので手ぶらで問題ありませんが、釣るにはどのようなタックルが必要なのでしょうか。
餌は生きたエイ
餌に使うのはボウガンで捕獲した生きたエイです。数十cmから座布団くらいの大きさのものも餌として使う事ができます。大きすぎるものは切って使用します。大きさと豪快さがここからすでにうかがえますね。
釣り糸は直径2mm
タックルは基本的にマグロ釣り用のものを使用します。そこに使われるのは600lbの釣り糸で、太さでいうと約2mm程度になります。シャープペンシルの芯が0.5mm、一般的なギターの弦も太いもので1mm程度なのでいかに太い糸かわかると思います。
針は手のひらサイズ
巨大なゴリアテグルーパーを釣るには針も大変大きなものになります。20/0のものが使用され、その大きさは手のひらほどの大きさです。ここに餌のエイをつけ、海に投げ入れますが、もしかかった場合は強烈に引いてくるので海に落ちないように気をつけましょう。
ゴリアテグルーパーに天敵はいる?
ゴリアテグルーパーは天敵は存在するのでしょうか。そもそも天敵とは、ある生き物に寄生したり捕食したりして死に至らしめる生き物の事で、自然界の中での生態系のバランスを保つために大事な存在です。
魚類には天敵なし
実は成長して巨大化した個体はそのエリアの食物連鎖の頂点に存在し、天敵はいません。しかし、そこまで成長できる個体は非常に少なく、それまでにたくさん捕食されて淘汰されます。例えば、産卵の際には小魚が卵を食べに集まってきます。他にもオニカマスやサメなどの肉食魚が幼魚を食べるのも日常茶飯事です。
人間が捕食者
そのような中で天敵をあえて挙げるとすれば、それは人間です。ゴリアテグルーパーは浅い海にいて捕まえやすく、そして実は味も美味しい魚であるため乱獲されて数が減ってしまいました。そのうえ成長が遅く、繁殖できるようになるまで6年ほどかかるため資源の回復にも時間がかかる魚です。現在は保護の対象になっています。
ゴリアテグルーパーの味は?
現在は保護のため食用にするのは禁じられていますが、ハタの仲間は元々美味な魚として知られており、ゴリアテグルーパーも非常においしい魚だそうです。数が減った原因も、それ以前はフロリダ州での一部地域でしか食べられていなかったのが1980年代にアメリカ各地で食されるようになったためで、美味である事がうかがえます。
淡白で鍋やソテー向き
ゴリアテグルーパーをはじめとするハタの仲間は上品で脂ののった白身が特徴です。日本ではクエやハタハタ、キジハタなどがよく食べられ、いずれも高級魚として扱われています。脂はのっていますが淡白なので、鍋や煮つけ、ソテーや唐揚げなどによく調理されます。
クエの料理や釣り方について詳しくはこちら。
台湾では高級魚
台湾では類似魚であるジャイアントグルーパー(タマカイ)が高級魚として扱われており、養殖も盛んに行われています。台湾では甘辛く炒めたり、スープにしたりなどで親しまれており、皮にコラーゲンが多く美容効果もある事も人気の秘密です。
巨大な個体は有毒物質に注意
特に毒などは持っていないゴリアテグルーパーですが、肉食魚のため餌となる生物が摂取した水銀やシガテラなどの有毒物質が蓄積している場合があります。特に巨大化した老魚はその可能性が高いので注意が必要です。特に妊娠・授乳中の女性が摂取すると赤ちゃんに悪影響が及ぶ恐れもあります。
ゴリアテグルーパーを見られる水族館
魚を手軽に見る事ができる施設と言えば、様々な水中の生き物がいて子どもから大人まで楽しめる水族館です。ぜひともゴリアテグルーパーの大きさや迫力をこの目で見てみたいものですが、見る事のできる水族館はあるのでしょうか。
日本では見られない
日本でゴリアテグルーパーを飼育している水族館は、2019年4月現在で残念ながらありません。しかし、アメリカでは、フロリダなどにある水族館で展示しているところがあるようです。もし行く機会があれば調べて行ってみてください。
類似魚のタマカイが見られる水族館をご紹介!
日本でも類似魚であるジャイアントグルーパー(タマカイ)は見る事ができます。タマカイはインド洋や太平洋などのサンゴ礁に住み、最大で2.7m、400kgほどになる、ゴリアテグルーパーと近い仲間の魚です。
タマカイについて詳しくはこちら。
タマカイがいる水族館①沖縄美ら海水族館
沖縄県本部町にあり、ジンベエザメやナンヨウマンタがいる巨大な水槽がある事でも有名な水族館です。沖縄ではタマカイが獲れる事があり、アーラミーバイと呼ばれて高級魚として扱われています。ここでは無数の熱帯に住む魚と一緒に展示されていて、その存在感と愛嬌ある顔立ちで人気の生き物となっています。
タマカイがいる水族館②九十九島水族館海きらら
こちらは長崎県佐世保市にある水族館で、「五島の海水槽」という水槽になんと体長180çm、重さ80kgと大人の大柄な男性ほどのサイズのタマカイがいます。水族館のボス的な存在として人気で、運が良ければ餌やりのシーンも見る事ができます。
タマカイがいる水族館③横浜八景島シーパラダイス
神奈川県横浜市にある水族館で、遊園地が併設されている事でも人気の水族館です。ここには1mほどのタマカイがおり、ウミガメなどと一緒に大きな水槽にいます。岩陰などにいる事もあるので近くで見られたらラッキーです。見えやすいところにいれば、あまり泳ぎ回ることはないので写真などは非常に撮りやすい魚です。
ゴリアテグルーパーには注意して親しもう!
大きな口でなんでも丸飲みにしてしまうゴリアテグルーパーは、実はおとなしい性格であり、それが災いして人間に乱獲されてしまい絶滅危惧種に指定されています。もし海で見つけたらケガをしたりさせたりしないようにしつつ、よく観察してみてはいかがでしょうか。