ガマの穂の爆発が話題!ふわふわの綿毛の正体や超万能な活用法まとめ

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ガマの穂には更に利用方法があり、穂の綿毛を布団に使用していたようです。軽くて保温性もあるので寝具に使うというアイディアが昔からあるのも日本人ならではではないでしょうか。もったいない精神が昔からあったことを証明しています。

綿毛を入れて暖を取っていた

その昔、綿がなかったころにふわふわの綿毛をふとんの中に詰めて暖を取っていました。もともと蒲団(ふとん)は蒲の葉を編み座禅を組む時に使われる円座を指し、寝具の蒲団(布団)はガマの穂綿や藁羽毛などを布で包んだことからだと言われています。

もともと「蒲団」の漢字

「ふとん」という感じを変換すると「布団」と「蒲団」が出てきます。「蒲団」の蒲はもともとガマの葉を編んで作った、丸い敷物・座蒲団を指しています。江戸時代以降になると、綿作りが広まり「布団」という感じが登場しました。

アウトドアでも使えるガマの穂

ガマの穂は他にも利用がされており、アウトドアで火を起こすときに使う火口(ほくち)や蚊取り線香にもすることが出来ます。これも昔の人の知恵なのでしょうが、本当にガマは広い用途を持っており便利です。

火口(ほくち)

火口(ほくち)とは、火打石や火打金などで起こした火を最初に着火させるために用いる燃えやすい燃料のことで、ガマの穂が表面積が多く火をつけるのに適しているため使用されます。もちろん乾燥させないと使えませんが、江戸時代から、よく使用されていたようです。

その他、アウトドアでの火おこしについて知りたい方はこちらから

蚊取り線香

乾燥しているガマの穂の先端に火をつけていくと徐々に煙が出てきます。ガマの穂は茎が硬いので地面に刺したり、ひっかけたりして使うことが出来るので使い勝手が良く、長さにもよりますが約1時間ほど使えます。

また効果もあり蚊が寄ってこず、においも不快ではないようです。ここまで使えるのは凄いです。

ガマの穂の生育地

ガマは池や沼などの水辺に生える抽水植物で冬場はいったん枯れたような見た目になりますが、翌年も穂を実らせます。都会では埋め立てが進みあまり見なくなってしまいましたが、繁殖力や生命力が強く生態系を守ってくれるので大切にしましょう。

北半球の温暖な地域やオーストラリア

ガマの生息地は日本各地、北アジアなどの北半球の温暖な地域に広範囲に分布しています。温暖な気候で育つにも関わらず以外にも寒さに強い植物であり、冬でも寒冷地以外は屋外でも育ちます。しかし極寒地では育ちません。

池や沼などの水辺に生える

各地の池沼や、河川の水辺、原野の水湿地に群生しています。水底に泥のある場所から直立に生えており長さは1~2mほどです。また、ガマは魚の産卵や動物たちの避難場所(カマキリが卵を産んでいく)、さらには水質浄化にも役に立っています。

昔話に登場するガマの穂

昔話にもガマの穂が登場します。初めの方で少し紹介した因幡の白ウサギです。

出雲大社にまつわる話で、大穴牟遅神(大国主)という神様が主人公で大勢の兄弟と共に因幡の国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫に会いに行くというところから話が始まります。この話の中でガマが登場します。

因幡の白ウサギ

大国主が因幡に行く途中で泣いている毛をむしられたウサギに出会います。

なぜ毛をむしられたのかというと、ワニをだまそうとして途中でばれてしまい、ワニの逆鱗に触れてしまいワニに毛をむしられてしまい困っていると、大国主の兄弟の意地悪な指示で塩水で体を洗ったものの良くならないと聞きます。

毛をむしられたウサギが付けた

そこを聞いた大国主は毛をむしり取られたウサギに蒲黄を取って敷き散らし、その上に転がるよう教えました。そうするとウサギの毛が元に戻っていったという話です。この話は説話ですが、昔から日本ではガマの利便性を重宝していたということが分かります。

ガマの穂が登場する絵本がある

意外なことに絵本にも登場しています。「むるとめるのぼうけん」です。内容は「むる」と「める」という主人公がガマの穂でイカダを作るという物語です。残念ながら品薄状態なので見つけたらラッキーです。絶版しているようなので気になる方は古本屋などで探してみてください。

ガマは自分で育てられる

ガマは種から育てることも出来ますが、株分けで育てるのがメジャーです。田んぼの土で育てると良いようで、株分けや植え替えの適期は3~5月頃で生育期の3~9月は日当たりの良いところにおいておくと良いでしょう。

それ以外は半日ほど日に当て鉢は水に浸らせ1年中水を切らさないように育てましょう。興味がある方はサイトを見たり花屋の店員に詳しく聞いてみてください。

ガマの穂はふわふわだけでなく意外と万能!

これまで紹介してきましたように、ガマの穂は昔から日本人に親しまれてきたため、様々な活用法があります。現代人にはあまり触れる機会は少ないですが、ガマは人間に利便性を与え、動物や自然に優しい植物なのでガマの穂の生育できる環境を守っていきましょう。

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