結局のところ、彼は一体何者なのでしょうか。最初は作り話だったとしても、彼の顔は今や世界中に広まっているのは事実ですし、その顔を見た人が実際に彼の夢を見ることもあるでしょう。
元々、彼の都市伝説は「大勢の人が同じ男の夢を見る」というものです。ですから、始まりが作り話であれ、結果的に彼の都市伝説は、ある意味本物になったと言えます。人が認識した瞬間、都市伝説は製作者の手を離れ、私たちの噂によって成長し、形を変えるのです。都市伝説が本物になった次は、彼はどんな存在に変化していくのでしょう。
そもそも私たちが知っている情報は”彼”のすべてなのか?
ここで視点を変えてみましょう。この都市伝説はあくまで夢に男が出てくるだけで、寝付きが悪くなりそうだったりちょっと不気味な思いをすることになりそうなこと以外は実害がないように思われますが、果たして本当にそうなのでしょうか。もしかしたら夢を見てちゃんと目覚めることができた人と、そうでない人がいるのではないでしょうか?
本当にTHIS MANは噂通りの存在なのか?
目覚められた人は、彼の話をSNSなどで発信することができます。死者は何も発信することができません。もし、彼に例えば口裂け女などのように「その存在に向かって言ってはいけない言葉」「タブーとされる行動」があり、例えば「彼の体に触れる」などのアクションを起こした場合、夢を見た本人に死をもたらす存在だった場合、その記録は残りません。眠っているうちに亡くなってしまった存在として処理されるだけでしょう。
夢とは古来よりあの世や異世界への入り口があるとも言われており、そこに住む彼も、もっと危険な存在であってもおかしくはないのではないでしょうか。夢を通して異世界に行く方法に興味のある方は、こちらの記事もご覧ください。
「世にも奇妙な物語」で中条あやみさんと夢に出てくる男が共演
この都市伝説、実は日本のあの有名な短編オムニバスドラマの題材になったことがあります。見たことがある方もいるのではないでしょうか。内容をご紹介しますので興味がある方はレンタルなどしてご覧になってみてはいかがでしょうか。
2018年11月放送の「夢男」
大学生である主人公はある日自分が作成したモンタージュをSNSに「この男を夢で見た」というコメントともに投稿します。すると多くの人が「自分もこの男を見た」という反応を返しました。自分の投稿に多くの反響があり満足げな顔をする主人公ですが噂は広がり続け、人々の様子は次第におかしくなっていくというお話です。古い都市伝説を上手く現代風に落とし込んだ見応えのある作品でした。
この作品では彼の夢を見た人が彼に追われていると証言したり、彼に襲われたという人も現れました。彼の今までのお話にはない性質にご注目して見て頂けるとより楽しめるでしょう。
THIS MANを題材にした漫画
最近ではこの都市伝説を題材にした漫画が連載中です。現在4巻まで発売しており、電子版も売っているのでこの記事を見て興味を持ったらぜひ読んでみてください。1話は無料で読める電子書籍サイトもあります。