暴走族や敵対チームとの抗争だけでなく、同じチーム内でも諍いが頻発していたカラーギャング。横のつながりを求めて結成されたカラーギャングも結局、年長者が幅を利かせる暴走族と変わりないものになっていきました。
メンバーの低年齢化の影響
多くのカラーギャングでは所属しているメンバーの年齢が年々低下していく傾向にあり、その結果として中学生になったばかりの子供達までカラーギャングとして活動しているチームも多々見られました。
内部でのいじめが事件に発展
低年齢化が進んだ結果カラーギャングとしての活動も見境いのない内容に変わっていき、無関係の一般人にまで被害が及ぶこととなっていきます。カラーギャングの名を使って弱者を脅迫するなどの行為を繰り返していった結果、ある悲惨な事件が起こります。
カラーギャング関連の事件
木刀やスタンガンなど暴走族や一昔前の不良の間では実際喧嘩に用いることはタブーとされていた武器を使うことを厭わないカラーギャング。そんな凶暴性が生み出してしまった世間を騒がせた事件をご紹介します。
2013年さいたま市北区で少年46人が逮捕
さいたま市北区が拠点の「黒ギャング」と北本・桶川両市などが拠点の「青ギャング」の2つのカラーギャングチームが大乱闘を起こした事件です。両チーム合わせて46人が凶器を持ち互いに暴行を加えました。結果、傷害などの容疑で全員が逮捕・書類送検される事となりました。
過去にヤンキー系雑誌で黒ギャングのインタビュー記事が掲載され、「青を黒に塗りつぶす」と書かれていたことが青ギャングの逆鱗に触れ、騒動の原因となりました。検挙されたメンバーは中学生から18才の若者で、カラーギャングだけでなく埼玉県内の不良少年たちが一堂に会したこの事件の鎮火を期に両カラーギャングは解散しました。
2016年東松山市で16歳少年死亡
埼玉の中心地で起きた集団リンチ事件です。主犯格とされる少年は先にご紹介したカラーギャング「パズル」のメンバーでした。同市内の河川敷で遺体として発見された16才の少年は、日頃から犯人たちのパシリ役としてしつこくイジメられていました。
被害者少年はパズルのメンバーとの関わりを拒否し接触を避けていましたが事件当日、パズルのメンバーからの連絡を無視していたことがばれてしまい、深夜の河川敷に呼び出されたのち全裸の状態で川へ突き落とされます。
岸へ這い上がってきた被害者に対し5人がかりで長時間に及び殴る蹴るの暴行を加え、少年が動かなくなると怖くなり現場を逃げ出しました。翌日遺体が発見され、犯行メンバーの一人が自首してきた事から事件の全貌が明るみに出ました。
カラーギャングが登場する作品
ここでは日本国内でのカラーギャングブームのきっかけとなった作品やカラーギャングがキャラクターとして登場する作品をピックアップしてご紹介します。
「池袋ウエストゲートパーク」
作家石田衣良さん原作の人気シリーズであり、2000年にはTOKIOの長瀬智也さん主演でドラマ化もされた大ヒット作品です。窪塚洋介さんがリーダーを務めるカラーギャング「G-BOYS」と敵対グループの抗争などギャングの内情がリアルに描かれ、当時のカラーギャングブームの火付け役となりました。
「龍が如く」
龍が如くはゲーム会社SEGAより発売された累計販売本数1100万本に及ぶ大ヒットゲームです。主人公である元極道の桐生一馬が、眠らない町神室町で出会う様々な人々と関わり合い、街に潜む巨悪を倒す人情味のあるストーリー展開が魅力です。
第4シリーズではカラーギャングとして活動していた若者を社会復帰の道へと促すチャプターがあり、解散したカラーギャングのその後を垣間見る事が出来ます。
カラーギャングを疑似体験
カラーギャングの模範となった本場アメリカのストリートギャングの人生を疑似体験できる大ヒットゲームをご存知でしょうか。ここでは著者オススメのギャングスタゲームをご紹介します。
Grand Theft Auto SanAndreas
アメリカのゲーム会社ロックスターゲームズからリリースされたメガヒット作品。1990年代の西海岸を舞台に繰り広げられるギャング同士の抗争や、仲間同士の確執を乗り越え、成り上がりを目指すクライムアクションゲームです。
なお、18才以上の方のみプレイが可能になっていますのでご注意ください。
現在のカラーギャング
暴走族の消滅からカラーギャングの衰退まで近代に移り変わるにつれて不良行為を行う集団は減少傾向にあります。現代の若者は悪ぶった行いをカッコイイと思わない風潮にあり、今後も暴走族やカラーギャングの復活はまず無いと思われます。
現在は流行が下火に
2000年代にはブームとなったカラーギャングですが現在はその姿を見掛ける事はほぼありません。カラーギャングの衰退の原因としては当時幅を利かせていた主力チームの幹部の殆どが、殺傷事件などで逮捕されチーム自体が解散したり、不良ブームが去ってしまった事などが理由に挙げられます。
治安の悪い地域には注意が必要
2017年には福岡のカラーギャングが解散宣言をするなど確実にチームの数は減少している傾向にあります。しかし、郊外や地方都市などでは所謂半グレ集団などが存在しており、名前は変われど暴力行為に及ぶ集団はまだまだ存在します。治安が良くないと噂されている地域では十分に警戒が必要です。
カラーギャングは問題の多い集団
無関係な一般人や女性・お年寄りなどの弱者に牙をむき一方的な暴力行為に及んできたカラーギャング。自分たちの利益の為なら手段を選ばない非道な集団が今後二度と現れないことを願います。