インド最古の宗教バラモン教とは?仏教やヒンドゥー教への影響や違いも解説

ジャイナ教徒として生活する上での、基本的な心得を「三つの宝」と呼んで重んじています。「正しい信仰(正信)」「正しい知識(正知)」「正しい行い(正業)」この3つは、解脱を目的として生活する上で重要だとされています。

ジャイナ教の五禁戒とは?

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出家者の修行生活において基本となる「五つの大禁戒」と、在家者の「五つの小禁戒」は項目が同じです。「生き物を傷つけない(不殺生)」「虚偽の言葉を口にしない(真実語)」「他人の物を盗らない(不盗)」「性的行為を行わない(不淫)」「何も所持しない(無所有)」この5つの禁戒を守って、ジャイナ教徒は生活しています。

ジャイナ教にとっての不殺生は、「身体的行為」「言語的行為」「心理的行為」に適応されるので、言葉や心の中で他人を中傷することも、罪だと考えます。不殺生の厳守は極めて重要なので、根菜を食べてはいけません。虫も踏まないように注意しながら歩き、動物に襲われても反撃してはいけません。

アージーヴィカ教

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アージーヴィカ教は、仏教と同じ時期に生まれた宗教ですが、その教えは仏教やジャイナ教とは違っていました。アージーヴィカ教では、運命論を説き、修行も解脱も、意思を持って行動することも否定しました。

碑文によって、13世紀まで南インドにアージーヴィカ教徒がいたと実証されましたが、その後の確認は出来ませんでした。一時期は、バラモン教・仏教・ジャイナ教に並ぶ大きな宗教でしたが、現在は信徒はいないとされています。

現在のインド国内で信仰されている宗教

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現在のインド国内で信仰されている宗教は、大きく分けて6種類です。外務省の国勢調査(2001年)による信者数の割合は、ヒンドゥー教徒(80.5%)・イスラム教徒(13.4%)・キリスト教徒(2.3%)・シク教徒(1.9%)・仏教徒(0.8%)・ジャイナ教徒(0.4%)・その他(0.7%)です。

イスラム教

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イスラム教は、唯一絶対の神アッラーを信仰する唯一神教です。預言者ムハンマドが、神から啓示を受けて語った内容が、「コーラン」と呼ばれる聖典になりました。「ムスリム」とはイスラム教徒のことをいいます。イスラム教徒は、コーランの教えで定められた、基本行動と行動範囲を守ることが義務とされています。

キリスト教

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キリスト教は、イエスを救世主(キリスト)とし、神を信仰することで救われるとする宗教です。多くの信者は、「父なる神」「その子キリスト」「聖霊」を唯一の神(三位一体・至聖三者)として信仰しています。キリスト教は、世界で一番信者が多いといわれています。

シク教

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シク教は、宗教家であるナーナクが詩歌によって教義を伝えて誕生した、インドでは比較的新しい宗教です。信仰心の厚いシク教徒は、詩歌を毎日朗踊します。ターバンを着用することが戒律の上で義務化されているため、インド陸軍では軍帽に代わる制式ターバンが定められています。

シク教の誕生時より、富裕層の帰依が多かったことから、社会的に活躍する人が多く、職務等で海外へ行く人もたくさんいました。海外で仕事をするシク教徒を見かけた外国人によって、ターバンの着用はインド人の風習であるとの世界的なイメージが出来上がりました。

カースト制度とともにインドに生き続けるバラモン教の考え

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バラモン教は、ヒンドゥー教へと変化しました。しかし、カーストの思想は引き継がれたままです。憲法でカーストによる差別を禁止していても、インドの国民の8割がヒンドゥー教徒なため、生活に深く根付いたカーストによる差別は、今でも無くなっていません。

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