意外と知らない形代を大解説!金比羅宮や大祓の形代の書き方も紹介!

形代って知ってますか?人の形をした紙に名前などを書き、神道や陰陽道の儀式で使うものですが、実は身近な存在でもあります。今回は人気の金比羅宮の形代や日常の穢れを払う大祓について、呪いや注意点もあわせて解説します。これを機に大祓などで形代を書いてみませんか?

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形代とはどんなもの?

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形代(かたしろ)は、人のかたちをしている物がほとんどですが、ほかの物を象って作られている場合もあります。というのも、清めたいものに、形代の造形を似せているからです。なぜそのような行動が必要なのでしょうか。ここではヒトガタに切り取られた形代について解説します。

人間の身代わりとなるもの

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ヒトガタをした形代は、見た目にわかりやすく、われわれ人間の「身代わり」として扱われます。穢れ(ケガレ)を移すときに形代全体を撫でまわす様から、「撫物(なでもの)」とも呼ばれます。現在ではほとんどの形代が和紙で作られています。

本来は神様の依り代

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形代という文化は飛鳥時代に中国から伝来しました。当時は神様の依り代として存在しており、「偶像」に祈祷することがほとんどで、現在のように「個人の厄落とし」としての役割はほとんどありませんでした。民間でも盛んに行われるようになってきたのは、奈良・平安時代だといわれます。

陰陽師や神主がお祓いや祈祷で使用する

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「安倍晴明」が形代を使用していたことも有名です。陰陽師が活躍した時代には、すべての病気は悪霊のせいであるとされていたため、安倍晴明はヒトガタに式神と呼ばれる「鬼神」を召喚して操りました。

また、「災いを避けることができますように」との祈りを込めて、ヒトガタの形代に託し、祈祷する場合もあります。お祓いや祈祷が済んだら、現代と同じように形代を河川に流すか、燃やすという手法をとります

噂の安井金比羅宮の形代とは

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「縁切り神社」として名を馳せた「安井金比羅宮」には、現在でも多くの参拝客で賑わっています。主祭神は崇徳天皇(すとくてんのう)で、悪縁を断つ力をもつとされています。縁切り神社であると同時に縁結びの神社でもある安井金比羅宮の形代は、どのように扱われているのか解説します。

有名な縁切りスポット

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所在地は、京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70です。もともとは縁結び神社として存在していましたが、主祭神の力も鑑み、35年ほど前からあえて「縁切り」を強く打ち出したといいます。その結果が今の姿だといえます。ちなみに、大物主神も祀られていることから、海上安全や交通安全の面でもご利益があるとされています。

また、300円で絵馬が売っているのですが…その絵馬には、縁切りへの強い想いを託す人が多いことで知られています。形代よりも、絵馬の存在の方が有名かもしれません。興味本位でこれらの絵馬を覗くのは、あまりおすすめしません。

安井金比羅宮の形代

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安井金比羅宮には、境内に圧倒されるほどの存在感をもつ大きな碑があります。後に詳しく説明しますが、この碑の左側に、形代が置かれています。その形代に、願いを記します。書き方に決まりはありません。ご自身の名前や住所も、ここでは書く必要はないようです。

形代をもって縁切り縁結び碑をくぐる

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形代に書き込んだら次は、高さ1.5m、幅3mの、絵馬の形をした碑である「縁切り縁結び碑(いし)」をくぐります。まず最初は、碑の表から裏に、「縁切りの願い」を念じてくぐります。次は、裏から表に、「縁結びの願い」を念じて、くぐってください。それが終わったら、最後に形代を碑に貼り付けます。

この日々増え続ける、膨大な量の形代は、毎朝の日供祭(にっくさい)でお祓いされます。形代は基本的に剥されることが無いので、崩れ落ちてきたものたちは、その都度、お焚きあげされるようです。

形代の書き方①大祓の形代

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全国の神社では、6月と12月の晦日に、「大祓」という儀式が行われます。大祓では、たくさんのヒトガタの形代が供養されます。ここで扱われる形代とは、どういった性質のものなのでしょうか。また、どのように書けば良いのか、ご説明します。

過ちや穢れを祓い清める大祓

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人はだれしも、無意識のうちに罪を犯していることがあります。罪を自覚し、心苦しく過ごしている方もいることでしょう。そういった罪や過ちを祓い、新たな気持ちで次の行動に移していくための儀式として、半年に一度、「大祓」という清めの儀式が行われます。お祓いが終わったら、お札がもらえます。

大祓形代の書き方

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形代には、自分の氏名と性別、年齢を書きます。字が消えないもので、しっかりと記しましょう。こちらも、書き方に特に決まりはないようですが、神社によって定められている場合はそれに則りましょう。

年齢は数え年で

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年齢は必ず「数え年」で記します。数え年とは、生まれた年から「1歳」とする数え方を指します。まだ誕生日を迎えていない方は年齢にプラス2歳を、誕生日を迎えた方はプラス1歳をしてください。

形代に穢れを移して神社に納める

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形代に必須項目を記入したら、より強く形代に命を吹き込んでいきます。大げさに言いましたが、方法はいたってシンプルで、まずは形代の全身を撫でていきます。体の部位で特に調子が悪いなと感じる部分は、ヒトガタを自分に見立て、重点的に撫でましょう。最後に三回、形代に息を吹きかけたら完了です。祓ってもらいましょう。

形代をもらうには?

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神社へ直接出向けば、形代は手に入れることができます。最近では、形代の郵送サービスを行っている神社も増えつつあり、郵送においても次に紹介する「湯島天神」のものが有名です。郵送を希望される場合は、前もって神社へお問い合わせしておくことをおすすめします。

湯島天神では車やバイクの形代も

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湯島天神では、一風変わった形代も置いてあります。それはなんと、車とバイクの形をした形代です。郵送サービスにおける形代の中にもこの二つは初めから付属しており、ほかに例を見ない形代として話題となりました。そんな湯島天神の大祓についても紹介していきます。

夏越の大祓と師走の大祓

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さきほど、6月と12月に大祓いがあると言いましたが、6月の大祓いを「夏越(なごし)の大祓」、12月に行われるものを「師走の大祓」と、それぞれ言います。これらを合わせて「二季の祓い」と呼びます。どちらも悪霊や疫病を祓うために行うものです。

形代の書き方

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記入する項目や記入方法は、さきほどご説明したことと同じです。ですが、湯島天神には車とバイクの形代があります。これはどのように書けば良いかというと、形代に「車両番号」を書けば良いといわれています。普段自分自身が乗っている車やバイクですから、こちらも撫でて息を吹きかける必要があります。

湯島天神とは

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湯島天神とは通称で、正式には「湯島天満宮」と言います。所在地は「東京都文京区湯島3‐30‐1」です。祀られている神様は、開運・勝運を司る「天之手力雄命(アメノタヂカラヲノミコト)」と、学問の神である「菅原道真公」です。そのため、合格祈願の絵馬が多く存在します。

形代の注意点

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これまでにも、形代は自分の身代わりであることをお話してきました。身代わりである以上、扱いも十分に気をつけなければならない代物です。ここでは、形代を扱う上での注意点をお話していきます。

穢れを移したら絶対に触れない

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自分の穢れを移したヒトガタは、自分が触る分には構いませんが、いくら家族であっても他人に触れさせてはいけません。当然、他人の形代も触ってはいけません。理由は簡単で、穢れが形代を経由して、他者へと移ってしまうからです。

自分で処分する場合は燃やす

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神社の大祓に参加している場合は、適切にお焚き上げをしてくれますが、もしも自分で処分しなければならなくなった場合、どうしたら良いのか疑問ですよね。その場合も、燃やして灰にしてしまった方が良いのです。その燃えカスは排水溝に流しても良いし、近くの川に流してもかまいません。家の中にいつまでも置いておくのは避けましょう。

形代は呪いに使ってはいけない

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ヒトガタの形代には、「善用」と「凶用」の2種類が存在します。これまでご紹介してきたのは、「善用」のものです。それでは、「凶用」の形代とは一体どんなものを指すのでしょうか。ご紹介しますが、くれぐれも悪用しないでください。

形代は呪いの依り代になる

流すだけで厄を払うとされる 形代雛
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