ジャッカロープとは?UMAなのに可愛い?
アメリカにいると噂されながら、いまだに明確な正体が解明されていない「ジャッカロープ」。未確認生物(UMA)と聞くとなにやら気味の悪い恐ろしい生物を想像してしまいますが、この生き物はそうではないようです。
ジャッカロープの特徴
この未確認生物のネーミングは混成語です。野うさぎという意味の「ジャックラビット」と、レイヨウというウシ科で角の生えた動物を意味する「アンテロープ」の2つの言葉が混ざりこう呼ばれています。見た目は鹿の角が生えているウサギのようで、可愛らしいのが特徴です。
ジャッカロープの生息域
アメリカの西部に位置するワイオミング州で目撃情報があることから、このエリア周辺に生息している可能性が高いのではと見られています。さらには、群れをなしているところを見たという情報もあり、集団で生活する習性があるものと考えられています。
南米に生息するとされている吸血UMAチュパカブラについては、こちらの記事も参考にしてみてください
ジャッカロープのかわいい生態
この見た目のかわいらしい未確認生物には、いくつかのかわいい生態があるといわれています。この生態がこの未確認生物の正体についての想像を掻き立てるとともに、アメリカで愛されている理由にもなっています。
かわいい生態①キャンプファイヤーが好き
アメリカでの目撃情報の中にはカウボーイからのものもありました。日も暮れた夜にキャンプファイヤーをしていると、どこからともなく現れたとのことです。この行動を見る限りでは、炎や人をあまり恐れていないようですね。
かわいい生態②人間の声真似が得意
また、このかわいらしい未確認生物には、人の声の真似をする生態もあるようです。これは人間の存在に何かしらの興味を持っているということで、コミュニケーションを取ろうとしているのかもしれません。いずれにしても、人に対して敵意は持っていないようです。
かわいい生態③ウイスキーが好物
ときおりキャンプファイヤーをしているところに現れては、カウボーイが飲んでいたウイスキーを好んで飲んでいったようです。何だかいかにもアメリカ人が好みそうな生態ですね。
かわいい生態④メスの乳が万能薬になる
この未確認生物から出るお乳が、あらゆる病気に効く万能薬になると言われています。この生態の真偽のほどは定かではありませんが、ここから見えてくるのは「人に興味があるだけではなく、人の役にも立つ大切な生き物だよ」というアメリカ人が抱いている愛着のような感情です。
ジャッカロープは実在するのか?徹底考察!
アメリカでのいくつかの目撃情報や楽しく詳しい生態などさまざまな情報がありますが、では本当に存在するのでしょうか?その実在の可能性について見ていきたいと思います。
アメリカ先住民の伝承には出てこない
アメリカにはこのほかにも古くから伝わる「ワヒーラ」や「ウィンディゴ」など、数多くの未確認生物の話が存在します。前者はネイティブアメリカンの伝承に登場し、後者はアメリカ北部のインディアンに伝わる話として有名です。
しかし、角のあるウサギについてはそういったいい伝えには全く出てきていません。そういったことから、この未確認生物はアメリカ大陸の外から白人が移り住んできて以降に、登場してきたものだということが言えます。
写真は普通のウサギに鹿の角を合成したもの
角のようなものがあるウサギの写真などもありますが、実際には鹿の角を合成した作り物だと言われています。アメリカでは今でもそういった作りものの剥製などが、お土産物として売られているようです。
そもそもそれほど大きな角は邪魔で必要性も無い
たとえば鹿の角にはちゃんとした役目があります。オスの鹿にしか角は生えませんが、これは繁殖のためにメスに自分の存在をアピールしたり、メスを争って他のオスと戦ったりするためにあります。
しかし、そういった行動を取らないウサギにとっては、そんなに大きな角は活動の妨げになるだけですし、そもそも不要なのです。そう考えると角をもつウサギの存在には疑問符がついてきます。
ジャッカロープの死骸を発見!角の正体はイボだった?
ウサギにとって角が不要なものだとすると、角の生えたウサギの正体はなんなのでしょうか?それは少し前に発見された1匹の死骸から明らかになってきました。
角のようなものが生えたウサギの死骸を発見!
2005年8月にはアメリカで、この未確認生物のものと思われる生き物の死骸が見つかりました。それには明らかに噂の未確認生物の特徴とも言える角状のものが見受けられました。そこで、獣医師たちによって調査が開始されたのです。
角の正体は実はイボだった!
調査の結果、この角状のものの正体は「イボ」の一種であることが判明しました。見た目は角の生えたウサギと思われたのですが、実は「ウサギ乳頭腫ウイルス」に感染したウサギの頭部に、角のようなイボが生えたものだったのです。
イボは感染するため、第一発見者の群れで見た証言にも合致
実際このウイルスは感染力が強く、同じエリアで生息していたウサギに次々と感染していったと考えられいます。目撃情報で「群れをなしているのを見た」というのは、集団で感染してしまいイボが生えてしまった多数のウサギを目撃したものだったのでしょう。
世界中にはジャッカロープに似たウサギがいる?
アメリカに限らず世界には同じように角を持ったウサギの話はたくさん存在します。そんな言い伝えの中から、中国に伝わるものとヨーロッパに伝わるものをご紹介します。
中国南北朝時代「述異記」の言葉
述異記(じゅついき)とは中国の南北朝時代にあった、梁の文学者が編集したいわば小説集です。内容は地理に関することや、珍しい動植物に関することが集められており、このなかに「亀毛兎角(きもうとかく)」という言葉が出てきます。