枕返しは実は危険な妖怪だった!各地に伝わる枕返しの伝承をご紹介

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ある屋敷の主人が旅人を泊めてやりました。主人はその旅人が盲目で、そして大金を持っていたので、欲にかられて彼を殺してしまいました。

以来旅人は悪霊となり、そこに泊まる者の枕を返すようになりました。怖いのは旅人の霊なのか屋敷の主人なのか、悩むところです。

ゲゲゲの鬼太郎の枕返しはどんな妖怪?

ゲゲゲの鬼太郎(1) (講談社コミックス)

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妖怪漫画と言えばコレ、というぐらいに有名な「ゲゲゲの鬼太郎」。古今東西あらゆる妖怪が登場します。

ですがこちらのキャラクターは、これまでの紹介からは離れた設定となっています。では、いったいどのように変化したのでしょうか。

夢を自在に操ることができる

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この枕返しは夢を操り、自在に渡り歩くという設定です。人間を夢の中に攫っては食べてしまう鬼の一種で、なぜか塩に弱く、かけられるとナメクジのように弱ってしまうという、もはやまるで別の妖怪になっています。

この自由さがあってこそフィクションの中でいきいきと活躍するのでしょう。

枕返しはコミカルなキャラクター

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人間を食べると聞くとおそろしい気がしますが、本作の枕返しは冗談やノリツッコミも言える明るいキャラクターです。

また夢の世界に入るための呪文が「ねむねむねむ~」だったりと愛嬌があってかわいい存在です。アニメ第3期のエンディングにも登場しています。

枕返し同様何がしたいのかわからない妖怪たち

妖怪は人間とはまったく異なる世界で生きているので、その行動原理は私たち人間の理解の外にあるものです。

次からはやっぱり摩訶不思議な、けれども愛すべき隣人である珍妖怪をご紹介しましょう。

妖怪①:あかなめ

垢嘗(あかなめ)は、あの身体をゴシゴシこすると出てくる老廃物、垢をなめる妖怪です。この時点でゾワッとした方もいるでしょう。

人間本体でなく、お風呂にたまった汚れカスなどが対象です。浴室を綺麗にしておかないと妖怪が出るよ、という教訓的な存在です。

妖怪②:あまめはぎ

囲炉裏などに長くあたりすぎると低温やけどに近い状態になり、火ダコ(アマメ)ができます。これをはぎ取る妖怪がアマメハギです。「火の前から動かない怠け者には、アマメハギがやってくるぞ」という教訓のための妖怪でしょう。

なお、次の記事もとある謎妖怪について特集しています。詳しくはこちらをどうぞ。

近代になって生まれた妖怪

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妖怪というと古の存在に思えますが、実は近年になっても、この世にはたくさんの妖怪が誕生しています。

意外に思えますが、口裂け女や花子さんなどは、誰しも一度はその名を聞いたことがあるのではないでしょうか?いわゆる都市伝説の一種でもあります。

首なしライダー

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バイクで走行中、交通事故にあって死亡したライダーの怪異。事故の衝撃で首が切断されたため、頭部のない状態で暴走しつづけています。

自分を事故に合わせた犯人を捜していると言いますが、地域によってはスピード勝負をしかけてくるという説も。なお、負けた場合は死亡するパターンが多いです。

スレンダーマン

創作から発生した怪異です。その名の通りかなりの細身長身で、人型に見えますが手足が異様に長く顔も曖昧(そもそも無い)と言い伝えられています。

どんな場所にも表れてだんだん追いつめて来る、記憶喪失にされるとされ、2014年にはこの話を信じた子供が殺傷事件を起こした例もあります。

リモコン隠し

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その名の通りリモコンを隠してしまう妖怪です。その容貌、目的、存在意義すべてが不明とされており、リモコンであればテレビにエアコンにゲームにと見境がありません。リモコンを見失ってしまう人間の言い訳が生み出した現代妖怪でしょう。

また、現代らしくインターネットから発生し、一大ニュースと化した妖怪もいます。詳しくはこちらをどうぞ。

妖怪にもっと詳しくなりたい人向け

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妖怪っておもしろい!と興味がわいて、もっと詳しく知りたくなってしまった方には、次のような場所や書籍をご紹介します。

インターネットの情報も良いですが、やはりプロが収集した情報は一味違います。妖怪博士になりたい方はぜひコンプリートを目指しましょう。

日本妖怪博物館

平成31年のゴールデンウィーク直前に開館する、広島県三次市の妖怪専門の博物館です。なんと市の公共事業であるという本気度の高さ。

民族学者・湯本剛一先生の集めた貴重な妖怪コレクション、その数なんと5000点以上という素晴らしい見ごたえです。

参考はこちら:日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)

妖怪美術館

香川県にある、もともとは呉服屋の蔵であった蔵を改装したという妖怪アートギャラリー。

実際の妖怪を見たことはないはずなのに、作品群を見ていると「リアリティ」という言葉が脳裏をよぎります。併設の引き込まれるような造形の塔もアート作品です。

参考はこちら:妖怪美術館

ゆる妖怪カタログ

 

ゆる妖怪カタログ

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この世に妖怪ブックは数あれど、少方変則的に責めてみたのがこちらの書籍です。

定番妖怪からマイナー怪異まで、恐怖や学問とはまた違った視点で、わかりやすい図解入りで説明していきます。妖怪たちがいとおしくなる、ほのぼのとした一冊です。

どんな妖怪にも深い謎が隠されている

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枕返しについてのお話は以上です。このように、滑稽で意味不明に見える妖怪にも、私たちが忘れてしまった意味や伝承があるのだということが分かりました。

その成り立ちを解き明かすことが、人間と妖怪の数少ない交流方法のひとつなのです。

謎妖怪に関する記事はこちら

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