福島女性教員宅便槽内怪死事件とは
学校の先生という仕事をしている女性の汲み取り式トイレの中から死体が発見された事件。便槽とはし尿を溜めておく設備でボットン便所の事。死亡した男性は女性の排泄を盗み見る事を狙って忍び込み、誤って死亡したというのが警察の発表。しかし事故死としてはあまりに不自然なことが多く謎に包まれています。
福島女性教員宅便槽内怪死事件は解決されていない謎が多い
警察の発表通りにこの事件を事故死とするには納得できない謎が多く存在します。事件の背景には、選挙の賄賂、男女間の恥辱、原発問題の隠蔽、大きな権力で闇に葬られたとか、多くの憶測が飛び交います。事件にまつわる様々な謎を一覧にしてご紹介します。
- なぜどうして便槽に入った?
- 事件の4日前から男性は行方が分からなかった?
- トイレに忍び込むような男性ではない?
- 4000人の再捜査を希望する署名を警察は無視?
- 同時期の村長選挙で賄賂の疑惑が?
- Kさんが勤めていた原発で事故
福島女性教員宅便槽内怪死事件の概要
事件の概要を事実に基づいて紹介します。事件が起こったのは1989年の福島県の寒い冬です。都路村(みやこじむら)という人口が10,000人程度の小さな村です。現在は市町村合併で田村市となっています。
概要①場所と日時
事件が発生したのは1989年の2月。短大を卒業して学校の先生という職業についていた当時23歳の女性教員の家の汲み取り式トイレの中で、凍えと肺循環不良で男性の変死体が発見されました。都路村の冬は氷点下まで気温が下がります。発見当初は覗き目的の自滅死、自殺説、他殺説で捜査が進められました。
概要②汲み取り式トイレの便槽内のKさんを発見した時の状況
死亡したKさんは便槽内で脱いだ上着を胸に抱き、片足の靴を顔の上に置いた状態で見つかっています。事件現場では片方の靴しかみつからず、後日近所の土手から残りの片方が発見されました。女性は便槽内に男の靴があるのを発見し同僚とともに警察に通報しています。
便槽の大きさ
便槽の大きさは横幅が約125㎝で高さが50㎝の長方形の形をしています。片方には便器が設置され、家の壁を挟んで外側に汲み取り用の穴が開いています。Kさんは外の穴から侵入し横幅125㎝の隙間に体を横たえ足を折りたたむようにいて高さ50㎝のスペースに体を押し込んでいました。
概要③警察の見解
警察の見解では覗き目的で汲み取り式トイレに侵入したが脱出することが出来ずに凍えて死んだとしました。汲み取り式トイレ内で死亡したKさんの体の状況から生きた状態で汲み取り式トイレのタンク内に侵入したのは明らかだとしています。亡くなった状態の人間を便槽内に横たえるのは不可能だろうというのです。
目立った外傷はなし
警察の検視によるとKさんの死因は凍死と狭い場所で体を折りたたんでいたことによる胸部循環障害でした。争ったような目立った外傷はなく、誰かに襲われたり殴打されたような形跡はありませんでした。警察が事故死とした根拠にこの「外傷無し」が大きく影響しています。