搾取子とは?その意味や特徴、体験談をはじめ抜け出すための対処法まで

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その一件でAさんは完全に母親に見切りをつけ、現在は当初の婚約者と幸せに暮らしています。

容姿コンプレックス

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幼い頃から親に「不細工だから笑うな」と言われて育ってきたAさんは容姿に対して酷くコンプレックスを抱いていました。成長するにつれ容姿に対する不安は大きくなり、学校やアルバイトにも行けなくなるほどに塞ぎ込み、引きこもる生活を送るようになりました。

カウンセリングを受けに病院に行きたいと親に申し出たAさんに対して両親は「病人のふりをしているだけの怠け者」と判断付け、病院に通う事を却下しました。

Aさんのその後

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引きこもり生活が10年目になった頃、Aさんは整形をする決断をしました。親は猛反対しましたが、働いていた頃に貯めたお金を使いプチ整形を行いました。

整形後は容姿に対するコンプレックスが徐々に弱まり何の問題もなく働けるようにまで回復し、仕事もプライベートも充実した生活を送れるようになりました。

周囲からAさんが認められるようになると親は手のひらを返したように自慢の娘だと吹聴しました。現在Aさんは実家との一切の連絡を断ち平穏に暮らしています。

搾取子と関連する言葉、愛玩子と毒親とは?

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搾取子とは対照的な存在として「愛玩子」と呼ばれる子ども達も存在します。また、搾取子を育ててしまう親を総称した「毒親」も昨今様々なシーンで目にします。愛玩子と毒親とはどういった人達の事を指すのでしょうか。

愛玩子とは

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搾取子とは違い、親に甘やかされて育ち何をしても叱られた経験のないような子どもを指す言葉です。

愛玩の言葉から連想されるように、ただ可愛がるだけの存在である場合が多いので基本的なしつけを受けておらず、我慢強さや責任感のない人間に成長する確率が高くこちらも懸念される問題ではあります。

毒親とは

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主にインターネット上で使われる言葉で、子どもを支配的な環境に置き子どもにとって悪影響を及ぼすような扱いをする「害のある親」の事を指します。ナルシシズムが強い傾向にあり、独善的な性格である場合が多いです。

毒親が増長した背景

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毒親という言葉が広く使われるようになったのは 近年のことです。子どもを所有物のようにコントロールしたがる親の背景には時代の変化に伴う人々の環境にありました。

男女均等雇用

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昭和後期に男女の雇用における均等法が施行されて以来、それまで男児だけに向けられていた親からの期待が女児についても同様の扱いになり、学歴や就職など将来に備えて幼い頃から英才教育を施す親が増えてきました。

社会的な成功を収めてほしいという過度な期待が、子どもにとってはプレッシャーとなり、ひきこもり問題やうつ病などの二次被害をもたらす原因となりました。

二重のプレッシャー

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良い大学、就職先など成功へのレールを敷かれ、必死に食らいつき親の望み通りの結果を手に入れたとしても、女性の場合は更なる親の期待がかかります。適齢期になれば、結婚や出産など女性ならではの重圧がかかってきます。子どもが成人して一人前になってまでも自分の思い通りにコントロールしようとしてくる親に苦しまされている女性は少なくありません。

毒親を理解するしようとする子ども側の心理

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第三者から見れば異常の一言で済む毒親も、搾取子側から見れば唯一の存在です。自分に酷くあたる親を見捨てられない、見捨てられたくないと思わせるのは、ある特殊な心理が働くからです。

ストックホルム症候群

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ストックホルム症候群とは人間が非日常的な空間に長く置かれる事によって、自分を虐げる存在である敵に対し、ある種の好感を抱くという心理学用語です。

親の機嫌が悪い時は食事を与えて貰えない、反対に機嫌が良ければ食事やお金を恵んでくれる事があるなど抑圧された環境で与えられる喜びは子どもにとって大きな影響をもたらします。

毒親による過度なしつけに対しても子どもが反発せずに居るのはこういったマインドコントロール下にも近い環境があるからだと言えます。

あなたは大丈夫?搾取子を育てる親の特徴をチェック

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大人になってから自分が搾取子だと知り、実の親が毒親だったと気付く方は多くいます。これは近年まで搾取子や毒親について知る得る機会が少なかった事に起因します。

ここでは知らず知らずのうちに自分が搾取子・毒親になってしまわないように搾取子を育てる親の特徴をチェックしておきましょう。

親の特徴①子どもに依存している

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子どもを好きすぎる余り、逐一子どもの行動を制限してしまったり、いつまでも子ども扱いして雁字搦めにする行為は子ども自身の成長にも悪影響を及ぼします。助け合いの域を超える依存関係は親と子ども両者において将来に暗い影を落とす原因になりかねません。適度な干渉を意識づける事が大切です。

親の特徴②気に入らなければ暴力や暴言

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子どもが反抗的な態度をとった時、つい頭に血が上り言葉で諌めるより先に手を出してしまうのも毒親の特徴です。また、直接的な暴力でなくとも、酷い言葉で罵る事も十分なモラルハラスメントです。

力でねじ伏せるという行為は親子双方にとって何のメリットもなく、溝を深めるだけです。イラついてしまった場合は一旦時間を置く事で解決への道に繋がります。

親の特徴③子どもに無関心

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ネグレクトと呼ばれる社会問題を耳にした事がある方は多いでしょう。

暴力や暴言だけではなく子どもに対して全く無関心である事も虐待に含まれます。食事を与えなかったり、学校へ通わせない等、一般的に子どもが受けるべき当たり前の環境を与えない親が近年増加傾向にあります。親自身、貧困であったり何かしらの悩みを抱えているケースが主な原因です。

親の特徴④兄弟で差別

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ひとりの子どもにばかりお金や愛情を注ぎ、他の兄弟には目もくれない、最低限のコミュニケーションや金銭的援助しか行わない毒親も存在します。親自身も無意識に兄弟間でえこひいきしてしまうケースも多く、子どもは親を他の兄弟に取られたと感じ、愛情の欠如を感じてしまいます。

搾取子から抜け出す方法

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今現在、毒親に悩まされているとしてもあなたの人生はそこで決まるわけではありません。あなたを傷付けるだけの人間ならば、例え実の親でもあなたの人生には必要のないものです。少しでも早く、穏やかな生活を手に入れる為に毒親からのあらゆる脱出方法を知っておきましょう。

一人暮らしをする

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未成年のうちは難しくとも、働ける年齢であれば直ぐにでも引越しする事をオススメします。また、他人づてにあなたの居場所が親に知られる事態を防ぐために、引越す先は実家から出来るだけ離れた縁もゆかりもない場所が好ましいです。

口座を管理されてる等の経済的な不安があれば、ネットバンキングを開設するという手段もあります。

絶縁してしまう

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金銭の要求や暴力、置かれている状況は人によって様々なケースがありますが、最終手段として絶縁する事も視野に入れてみましょう。

酷いことをされても、血の繋がった親だからという理由で中々そこまで踏み切れない方も多く存在します。しかし、あなたが一方的に搾取されている状況を永遠に続ける必要はありません。我慢し続けているのであれば法律家への相談を考えてみて下さい。

頼りになる人に相談する

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成人した後も、親の影に怯えて生活し続けることは、あなたにとって何のメリットもありません。

搾取されてきた自分の過去を人に話すのは憚れると思います。まずは、一緒に居て安心できる人、安らぐ人との時間を大切にしましょう。心が常に緊張した状態である事はあなたにとって良くありません。あなたにとって安全な居場所で居てくれる人に、打ち明けてみる事も考えてみて下さい。

搾取子が毒親への復讐の鬼と化してしまうことも

蓄積されて積み重なった負の感情は、時を経て憎悪の塊になります。搾取されながら大人になった人々は、いつまでも過去のトラウマに苛まれ続け苦悩の日々を送っています。

自分が受けた仕打ちを毒親へ仕返ししてしまう搾取子も

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大人になって自分の親が毒親だと気付くと、それまで当たり前のように抑圧されていた感情が爆発し敵である親に牙をむきます。こちらでは実際にあった毒親への復讐エピソードをご紹介します。

社会的制裁

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Aさんの父親は女癖が悪く、何度も不倫騒動を繰り返すような父親で近所の評判も悪く、Aさんはその噂のせいで小学生の頃からいじめにあっていました。更にAさんの目の届く場所で堂々と不倫行為に及ぶ父親に対する嫌悪からAさんは性的不全に陥ります。

Aさんが大学生になり実家を出たと同時に両親は離婚しました。離婚準備期間にもかかわらず女遊びを繰り返している父親に目を付けたAさんは、不貞行為の証拠集めに没頭しました。

世間体を何よりも大事にしていた父親を壊滅させる為に証拠の写真や書類を父親の勤め先に郵送、更に親戚一同が集まる席でも父親の不貞行為を発表しました。その結果父親は親族中から絶縁され、職場では閑職に左遷、母親には多額の慰謝料が支払われました。

愛玩子の姉と毒親への復讐

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搾取子として育ったAさんとは対極的に過保護に育てられたAさんの姉は職に付かず実家で引きこもり生活を続けていました。そんな姉にインターネット上で彼氏ができたと母親は喜んでおり、その彼は会ったこともない姉の性格を良く理解し、趣味も合うとの事で姉もまた将来彼と結婚すると舞い上がっていました。

しかしこの彼氏とは現実に存在しない、Aさんがネット上で演じている架空の男性です。愛玩子である姉が引きこもりになった時期から、親の期待はAさんに切り替わりつつありました。その雰囲気を察知したAさんは親がいつまでも姉に執着するように架空の結婚相手を作り上げました。

家族が姉の結婚話に浮き立つ中Aさんは家族と絶縁しましたが、今でも架空の彼氏を演じ続けています。

毒親への復讐は何も生まない

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自らを長年苦しめてきた毒親に復讐を行うことは確かに気持ちの晴れることかもしれません。しかし、これからのあなたの人生を憎い毒親への復讐に使うことは時間の無駄遣いです。

毒親への真の復讐は、あなたが家族の誰よりも幸せな生活を送ることに尽きます。

親が子を搾取子にしないために必要なこと

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搾取という行為は知らず知らずのうちに自分がされていたり、逆に自分が相手に対して搾取してしまっている場合もあります。不幸な結末を防ぐためにも普段から意識して子どもと接することが大切です。

人生の選択は子どもに決めさせる

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子どもが将来幸せになって欲しいと願うのは、親であれば当然の感情ですが子どもの将来は子ども自身のものです。親はあくまで子どもが自立するまでのサポート役に過ぎません。ある程度のレールを整えてあげた後は、子どもが希望する道を応援してあげましょう。

親は子どもを見守る勇気を持つ

子供に無関心でいる事が、子供にとって良くない事はもちろんですが逆に過保護に接してしまう事も子供にとっても親にとっても良くありません。また、過度な期待を押し付ける事によって、子どもは人の目を気にしすぎる人間に育ってしまいます。

子どもがいつか手を離れ、1人でも社会で生活していけるように、付かず離れずの距離で見守ることが大切です。

たとえ搾取子だったとしても幸せになるために踏み出そう

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「毒親の元で育った自分はこれから先、幸せになれる事はない」と考えている搾取子の方は多くいます。しかし、少しでも自分の為になる行動を起こす事で、一歩でも前へ進めます。自分を諦めてしまう前に、搾取された時間をこれから取り返しましょう。

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