「業が深い」ってどういう意味?使う場面や成り立ちを徹底解説

意思に関わる行為、心意作用のことを指します。またそれは「心の行い」とも例えられ、物を思う、喜怒哀楽を感じるなどといった意思というとわかりやすいのではないでしょうか。これらを即ち『意業』といいます。

業の分類②『十悪業』

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では日ごろの行いの三種類を理解したところで、次は人間が侵す罪についてのお話です。この「十悪業」とは、人間が侵す十の罪「十悪」の行いのこと。この十悪業は先ほどの三業の中に分類された悪業のこと。先ほどの三種類に分け詳しく見ていきましょう。

十悪『身業』

これは身体の行いであると先ほども紹介致しました。堅く戒めた悪業のうち三つがここに当てはまります。それは「殺生、偸盗、邪淫」。これについての読みと、その内容について詳しく解説致します。

殺生

せっしょう。聞いたことがあるかもしれません。これの意味は「ありとあらゆる生き物を殺す」こと。また、他の意味として「残酷であること、むごいこと、可哀想であること」を表し、仏教では最も重い罪の一つとされています。

偸盗

ちゅうとう、または、とうとう(偸盗の慣用読み)と読みます。意味は「人のものを盗むこと、またその人のこと、ぬすびと」こと。また、他の意味として「自我により、他者の心を束縛する」ことを表します。

邪淫

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じゃいん。男女間で淫らな性交を行ってはならない、淫らな心を起こすこと、また男と女に限らず「相手に性交の共用をしてはならない」ことを示しています。その他、不倫や横恋慕、破廉恥な行為などについても禁じられています。

十悪『口業(語業)』

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これは口での行い、即ち話すことをいいますが、十のうち四つの悪業がここに当てはまります。「妄語、両舌、悪口、綺語」、こちらではこれについての読みと、その内容について詳しく解説致します。

妄語

もうご。「嘘をつくこと、詭弁で人の心をみだりに惑わしたり、いたずらに他人を騙すこと、そして人を騙すために嘘をついてはならない」ということを示しています。他にも、妄舌、妄言などと記されます。

両舌

りょうぜつ。二枚舌、という言葉をご存知でしょうか?「両の舌」と書くだけあり、この言葉と同じ意味を持ちます。これは二枚舌を活用し、双方の人間で争わせたり、離れさせたりすること。他人を中傷することを表しています。

悪口

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わるぐち(わるくち)ではなく、こちらでは「あっく」と読みます。悪し様に貶すこと、他人を罵倒すること、蔑んだ言葉を使い他者を酷く侮辱すること、汚い言葉で怒鳴る、などといった意味があります。

綺語

きご、または、きぎょ。言葉巧みに飾り偽ること、またそのさま。その他ありもしないことをまるで真実かのように話すこと。簡単に言ってしまえば嘘をつくことですが、「綺麗な言葉」と書いてある通り「綺麗に飾り立てられた嘘」のことを言います。

十悪『意業』

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こちらは心の・意思の行い、と説明させて頂きました。こちらの分類は少々難しく、「考えて動く」ことと混同しがちです。こちらには十のうち三つの悪業が当てはまります。「貪欲、瞋恚、愚痴・邪見」、こちらではこれについての読みと、その内容について詳しく解説致します。

貪欲

どんよく。「欲張る」とニュアンスがやや似ているため、「貪る」という表現を使うとイメージがわきやすいかもしれません。これは相手から飽くなく色々なものを欲し続ける心(貪取)を意味します。

瞋恚

しんに。こちらは「自身の勝手のために怒る」ことを意味し、その内容は怒りは自分のわがままが通らないため、思うようにいかないために、意思が通らないために、またひがむ心が勝って「怒る」ことを指します。

愚痴・邪見

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ぐち、または、じゃけん。愚かさを意味し、捻くれた見方で相手の言葉を受け止めたり、目先の事象に執着を抱くことで先々を見通す広い心を持てないこと、邪な考えを押し通し因果の道理を無視することを指します。

業の分類③『表業と無表業』

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ひょうごう、むひょうごう、と読みます。ここまで三種類に分類した「三業」について解説させて頂きましたが、更に分類は深まり、その行いには「表と無表」があるとされます。それはどういった分類なのかを解説致します。

表業

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その者の表に表れる行いのことを指します。これは「外面」に表れ、他者から認識されるような行いのことをいいます。例えば見たり、聞いたりする行動。これらは表に表れ、他人から認識される行動として分類されます。

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