不気味なイメージが強いのは、コウモリが動物の血を吸うことも一因とされています。ですが彼らは吸血しない種類です。ちなみに980種類いるとされるコウモリの中でも吸血する種類は、ナミチスイコウモリだけで日本には生息していません。
鼻の温度センサーで血を感知する
動物の皮膚近くの血管を感知し、前歯で噛みながら血を吸います。唾液には血を固まらなくする酵素成分と皮膚を麻痺させる成分が含まれているため、吸血されている動物は気づかないまま寝ています。
唯一の飛べる哺乳類
空を自由に飛ぶことができますが、鳥類ではなくお腹で子供を育て母乳を与える哺乳類です。ネズミに次いで哺乳類の多くを占めている種類です。約40%を占めていると言われています。
国によって違うコウモリのイメージ
彼らの種類は多く、世界各国でたくさんの種類が生息しています。そして世界の国々ではイメージも異なります。不気味なイメージや幸運の象徴とされていたりとイメージがさまざまです。
不気味・不吉なイメージ
ヨーロッパでは吸血鬼ドラキュラのモデルとなっていることから、不気味・不吉なイメージを持っています。日本でも同じイメージを持っている人が多いです。
縁起物のイメージ
中国では縁起物ととして扱われています。感じで書くと「蝙蝠」ですがこの蝠の字は、福に似ていることから幸福を運んできてくれる動物とされているのです。
健康のイメージ
キューバでは、健康や富、家族の団結という良いイメージを持っています。お酒のパッケージにコウモリマークを起用し、親しみのあるマークになっています。
ヒーローのイメージ
アメリカアニメで有名なバッドマンは彼らがモデルとなっています。筋肉質な体と強い力は特徴で衣装にはコウモリマークをつけています。困った時に助けてくれるヒーローのイメージもあります。
フルーツバットの主な種類
可愛らしくて人気の彼らには3種類の仲間が存在します。それぞれ生息している国も違い、見た目も異なります。それぞれの主な特徴を順番にご紹介します。
ライルオオコウモリ
木の枝をねぐらにしている種類で、身体は黄金色の体毛が特徴的で、目が大きく耳は小さいです。英名では「空飛ぶキツネ」とも言われます。主にカンボジアに生息しています。
マリアナオオコウモリ
オセアニア地方に生息する種類で、体全体が黒く首周りだけが黄金色となっています。以前ではグアムやマリアナ諸島に多く生息していましたが、現在は数が減っています。
ネグロスケナシフルーツコウモリ
フィリピンの一部に生息している絶滅危機のある種類です。森林破壊や食用としての狩猟が原因で数が激減しました。体毛がないのが特徴で洞窟に生息しています。
フルーツバットを食べると感染症の危険も
幾つかの感染症が由来すると考えられています。飛ぶために広い生息地をもっており、さまざまな感染ルートを引き寄せやすいとされているのです。また狂犬病も彼らが原因で感染すると明かされています。
2000年代流行の「SARS」
2002年~2003年にかけて中国で大流行しました。コロナウイルスが原因で発症する感染症で、彼らを介して人間に感染するルートが判明したのです。食用コウモリが感染ルートだと公表され野生動物を食べないよう警告されました。
SARSとは?
肺炎の一種で、重度の呼吸器感染症です。中国を中心とした8096人が感染し多くの人が命を落としました。症状はインフルエンザと似ていて、38℃以上の高熱、筋肉痛、咳があり、呼吸困難がみられます。