日本の蛇はこんなにいる!その種類や生態を画像付きで徹底解説!

八重島諸島に生息しますが、与那国島にはいません。また、宮古島での発見も記録されていますが、誤認ではないかと言われています。全長は50~85cmで、色は緑っぽい褐色です。首にくびれがなく、頭部は小さめで口先がとがっています。

毒はありません。リュウキュウアオヘビほど気性は荒くありませんが、怒らせれば噛みついてきます。地上で生活し、餌はミミズです。環境省と沖縄県から準絶滅危惧種に指定されています。

日本に生息する蛇『沖縄・奄美に生息する蛇』その③

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南国の島々には、独自の進化を遂げた多様な蛇が生息しています。日本にいるものだけで、これほどまでに多様性に富んでいる点においても、蛇という動物の奥深さを感じることができます。続いて紹介する蛇は、淡水の中に生息する珍しい蛇や、凶暴な性格の蛇、美しい赤色をした蛇です。

キクザトサワヘビ

世界中で久米島にしか生息しない蛇です。全長は54~63cmで、黒めの褐色に黄色やオレンジ色の斑点が散らばった模様をしています。主に渓流の水中で生活しており、上を向いた鼻の穴を水面に出して呼吸します。食性は詳しくはわかっていませんが、魚や水生昆虫などを食べていると考えられています。

毒は持っていません。絶滅危惧種で、沖縄県の天然記念物です。国内希少野生動物にも指定されているため、捕獲などは禁止されています。

アカマタ

出典:Wikipedia

沖縄諸島や奄美諸島に生息しています。全長は80~170cm。赤い体に帯のような黒い横じまが連なる模様をしています。ネズミ、小鳥、カエル、トカゲなど小動物はなんでも食べるようです。

毒は持っていませんが、非常に攻撃的な性格と言われています。森林、耕地、海岸など広い範囲に分布し、頻繁に人目に触れる蛇です。

アカマダラ

東アジアや東南アジア、ロシアの一部にも分布している蛇です。日本では対馬や尖閣諸島で見られます。全長は60~120cmで、美しい赤色に、帯状の黒い横じまが並ぶ見た目をしています。活動時間は夜で、地上で生活しています。餌は主にカエルですが、ネズミや小鳥、小魚や鳥の卵を食べることもあるようです。

毒はありませんが、気性はあらく、刺激すると攻撃してきます。また、襲われると強烈なにおいを出して身を守ります。稀少性はあまり高くなく、生息域ではよく見つかる蛇です。

サキシママダラ

出典:Wikipedia

アカマダラの亜種で、八重島列島と宮古列島に生息しています。全長50~100cm。普通のアカマダラより小型です。ただし、仲御神島(なかのうがんじま)に生息するものは、海鳥のひなや卵を主食とするため大型化しており、130cmほどになることもあるようです。見た目は黄色っぽい褐色に黒い横じま模様が入った蛇です。毒はありません。

日本に生息する蛇『沖縄・奄美に生息する蛇』その④

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島々で独自の進化を遂げた多様な蛇たちは、分布域が狭く限られているがゆえに、個体数が少なく、少しの環境の変化で絶滅してしまう危険もはらんでいます。続いて解説する4種の蛇も、稀少価値が高く、絶滅の心配がされるものです。

サキシマバイカダ

西表島、石垣島、宮古島、伊良部島に分布しています。全長は70~80cmで非常に長細い体型が特徴的です。白っぽい色の体に黒の横じまが入った見た目をしています。夜行性で、毒は持たず、トカゲなど小型の爬虫類を餌とし、主に木の上で生活しています。準絶滅危惧種に指定されている蛇です。

ミヤコヒメヘビ

宮古島と伊良部島に生息しています。全長は16~20cmで在来種としては日本最小の蛇です。頭から尾の付け根までほとんど太さの変わらない、寸胴体型。背中は褐色で、光の当たり方によって虹色に輝き、腹側は黄色で、黒っぽいまだら模様が散らばっています。石や落ち葉の下、土の中などで、ミミズなどを食べて生活しているようです。

毒の有無ははっきりとは分かっていませんが、少なくとも人に効く毒は持っていません。地中性のため人に見つかることは少なく、また、島の開発によって数を減らしているようです。絶滅危惧種に指定され、条例により捕獲などを禁止されています。

ナガヒメヘビ(ミヤラヒメヘビ)

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与那国島に生息しています。全長は27~37cmと、ミヤコヒメヘビより少し大きめですが、見た目は似ており、寸胴体型で、背中は褐色で腹は黄色。やはり虹色の光沢があります。毒はなく、地中などでミミズを食べて生活しています。絶滅危惧種です。

ダンジョヒバカリ

長崎県の男女群島の中の男島にのみ生息している、ヒバカリの亜種です。全長18~34cmでヒバカリより少し小さく、頭の先が尖っています。毒はありません。朽ち木や落ち葉の下に住み、ミミズを餌としているようです。国の天然記念物に指定されています。

日本に生息する蛇『沖縄・奄美に生息する蛇』その⑤

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世界の毒蛇の大半は、熱帯や亜熱帯の地域に分布している種です。この偏りは日本の蛇も例外ではありません。ここからは、本土の比ではないほど多種にわたる南国の毒蛇を紹介していきます。まずは、比較的危険度の低いとされる4種からです。

ミヤコヒバァ

出典:PhotoAC

宮古島と伊良部島に分布しています。全長は39~66cm。体の断面が三角形に近い形をしています。背中は褐色で腹は白く、側面に白い筋のような模様があります。カエルやオタマジャクシが餌のため、水辺でにいることが多いようです。

毒の有無は不明ですが、同種のガラスヒバァと同様の、弱い毒を持っている可能性があると言われています。性格もおとなしいとは言えないため、注意が必要です。絶滅危惧種に指定されています。

ガラスヒバァ

沖縄諸島と奄美諸島に生息しています。全長75~110cm。黒っぽい色で、ところどころに黄色や褐色の斑点があります。餌となるカエルやオタマジャクシを求めて、よく水辺に現れます。

毒を持っていますが、相手に注入するには長く噛みつく必要があるようです。毒自体も強いものではないため、人への実害は今のところありません。

ヤエヤマヒバァ

石垣島と西表島に生息しています。全長60~80cm。背中は茶色く、黄色っぽい横じま模様が並んでいます。水辺でよく見られ、カエルやオタマジャクシを餌としているようです。毒の有無は不明ながら、やはりガラスヒバァ同様の毒があると考えられています。

イワサキワモンベニヘビ

生息地は石垣島と西表島です。全長は30~50cmですが、80cmに達することもあるようです。赤い横じまと黒い横じまが交互に並び、その境に細く黄色い横じまが入ったカラフルな姿をしています。石や落ち葉の下に住み、トカゲなどの小さな爬虫類を食べるようです。

毒は持っていますが、弱くて量も少ないです。性格も穏やかな上、口も小さいため、人が噛まれること自体ほとんどありません。絶滅危惧種に指定されている蛇です。

日本に生息する蛇『沖縄・奄美に生息する蛇』その⑥

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続いては、ヒャンと呼ばれる蛇の仲間3種を紹介します。ヒャン、ハイ、クメジマハイです。この不思議な響きの名前、「ヒャン」は奄美地方の方言、「ハイ」は沖縄の方言で、両者とも「日照り」を意味します。日照りが続いたときに姿を現す蛇と言われているため、この名がついたそうです。

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