アンチラ事件とは?スマホアプリ・グラブルで大炎上!経緯やその後の返金は?

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さて、一連の騒動の中で、消費者側の注目は、批判を受けたグラブル運営の対応に向けられます。ところが、一番に責任を負う立場にある、プロデューサーの言動は、彼らの感情を逆撫でするものとなり、事態は激化の一途をたどることになりました。

グラブルのプロデューサー・春田康一さんの事件当時の行動が話題に

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運営側の対応を注視する利用者たちの目に留まったのは、当時グラブルのプロデューサーを務めていた、春田康一さんのツイートでした。

不振や批判の声が高まっていた1月2日、春田さんは自身のTwitterアカウントで、「正月は家でゆっくり漫画を読みます」という趣旨のつぶやきを投稿しました。批判を無視するかのような呑気なコメントに、利用者たちは「喧嘩を売っているのか」と激怒します。

田中理恵さんによるステマは否定した春田康一さん

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数々の疑惑が浮上する一方で、運営側の説明は不十分なままであることに、利用者の怒りの声は収まりません。この責任を請け負うべき春田プロデューサーが、自身で騒動に関わるコメントを表明したのは、1月12日のことです。

その頃は、田中理恵さんのステマ疑惑が立ち上っている最中でした。春田プロデューサーは、このステマ疑惑に関して、「そのような事実は一切ない」と否定します。

今後は運営改善していくというコメントに対してさらに炎上

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ステマ疑惑の否定に合わせて、春田プロデューサーは一連の騒動に関し、「利用者に疑念を抱かせてしまった」と謝罪しました。その上で、今後はゲーム運営の改善に努めるとの表明を行います。

しかし、これらは利用者の求める答えではありません。「肝心の排出率やコンプガチャ疑惑に対する説明がなされていない」利用者の批判の声は拡大します。

アンチラ事件のその後は?釈然としない結末を迎えたアンチラ事件

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浮上する疑惑に、高まる批判で、グラブル運営は大炎上の状態です。マスコミにも大々的に取り上げられ、騒動は最早、業界史に残る大事件に発展しています。果たして、このアンチラ事件はいかなる展開を得て終息を迎えるのか、その結末を見ていきます。

アンチラ事件についてニコニコ生放送で春田康一さんが謝罪

2月25日、「2周年直前グラブル通信」と題した公式のニコニコ生放送に、春田プロデューサーが出演しました。番組の冒頭、春田プロデューサーは年末年始のイベントをめぐる一連の批判について、改めて謝罪を表明します。

衝撃的な謝罪会見としては、以下の記事で紹介している事件も有名です。

イベント期間中に課金した人へ同額の宝晶石を返戻

プロデューサーによる謝罪と同時に、運営側のお詫びと払い戻しの方針についても発表されました。まず、グラブルの全利用者に対し、宝晶石3000個を配布。さらに、問題の期間中にガチャを利用した人には、同額分の宝晶石を返戻すると発表します。

宝晶石とは、ガチャなどを利用するために必要な有料アイテムで、いわゆるゲーム内通貨です。これに対しては、「ゲーム内通貨ではなく、きちんと現金で払い戻ししろ」という批判が、新たに巻き起こりました。

消費者庁による調査も?しかし違法性はないとの結果に

この事件に際しては、数多くの署名が集まったこともあり、消費者庁も調査に乗り出しました。ただし、同庁は今回の件に関して、当初から慎重な姿勢を崩していません。

排出率の不透明性とコンプガチャ疑惑の双方について、最終的な結論は、「違法行為には当たらない」というものでした。結局のところ、利用者の不信はぬぐい切れぬまま、事件は幕を下ろしたのです。

アンチラ事件の影響?その後グラブルではどのような改善がされたのか

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事件に対する運営の責任については、うやむやの内に終息してしまいました。しかし、今回の事件によって、課金とガチャのシステムにおける、ゲーム運営の不備が明らかとなったといえます。このことを受けて、グラブル新たな仕様やシステムを導入することとなりました。

アンチラ事件後にはガチャでの個別排出率が記されるように

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アンチラ事件の根幹であった、ガチャでの排出率が不透明だとする問題。これを解消するため、グラブル運営はガチャで獲得できるアイテムの、個別の排出率を明記するよう、仕様を変更しました。

公表された確率のうち、最も低かったものは0.007%というだったということです。この数字に対しては、「闇が深すぎる」といった声や、「3%のアイテムが80種類あるのだから、個別で見れば妥当な数字」だとする意見も上がりました。

300回ガチャを回すと好きなキャラが選べる?「天井交換」

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さらに、業界においては画期的なシステムとされる「天井交換」が採用されました。これは、本来は何が出るかわからないガチャも、300回まわせば、好きなキャラを手に入れられるというものです。

これに関しては、「他社のサービスでも導入してほしい」との肯定的な意見も多く聞かれます。とはいえ、ガチャ300回には9万円分の投入が必要となるため、依然不満の声も上がり続けました。

アンチラ事件の他にもこれまでいくつもトラブルがあったグラブル

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アンチラ事件以外でも、グラブルの運営に対する批判は、度々噴出しています。ゲームの人気は依然として衰えませんが、運営の不備によって迷惑をこうむる利用者も多く、彼らからの不信感は、常に拭い去れない状態あるといえます。

グラブルとクレジットカードのコラボに関する事件?

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2016年4月、グラブルは三井住友VISAカードとコラボ企画を開催します。それに際し、対象のクレジットカードに入会した人には、特典として限定のSSRキャラがプレゼントされました。これに対して、利用者から批判の声が上がります。この限定キャラはこの企画でしか手に入らないとされたためです。

つまり、対象のクレジットカードを作れない未成年者は、親に頼むなどの方法以外にこのキャラを入手する手段がないのです。少年誌に広告を載せるなど、中高生を販売ターゲットにしているはずのグラブルが、未成年に不利な条件で限定キャラを配布するのはおかしいと指摘されたのです。

グラブルに参加する声優陣のIDが漏洩したトラブル?

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関係者の不用意なツイートにより、有名声優たちの個人的なゲームアカウントのIDが、次々と暴かれるという事態が起こりました。発端は、グラブルディレクターの福原哲也さんが、Twitter上で自身のアカウントを暴露してしまったことです。

利用者がこのアカウントを覗くと、出演声優からのものと思しき、メッセージを見ることができてしまいます。これにより、メッセージの送り主である、有名声優たちのアカウントIDが、ネットに晒されてしまったのです。

グラブルとのコラボカフェでアルコールの提供?

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2017年7月に大阪で開催された、グラブルとのコラボカフェで起こった事件です。ソフトドリンクとして提供された飲み物に、アルコールが入っているとの報告が、SNS上に相次いで投稿されます。体調不良を訴える人や、中には救急搬送されたという人もいるという事態になりました。

これに関して、運営会社は公式に謝罪文を公開。原因は、調理担当者がレシピのシロップと、よく似たリキュール酒を取り間違えたことによるものだったと発表されます。

「エルシャダイ」のキャラクターにそっくり?キャラ類似問題

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2018年に実装されたグラブルのキャラクターである「ベリアル」をめぐって噴出した問題です。このキャラクターの見た目が、他社の人気ゲーム「エルシャダイ」の登場キャラ「ルシフェル」に酷似していると、ネット上で指摘されたのです。

この問題をめぐっては、エルシャダイの権利元が直接、グラブル側に権利侵害を通告し、経緯の説明を求めるという事態となります。結局、グラブル側は権利侵害を否定。エルシャダイ側もそれ以上追求しないという形で、問題は終息しました。

下方修正が行われた?コルワ事件とハレゼナ事件

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「コルワ」は2016年4月に登場したグラブルのキャラクターです。ところが、その実装直後から、このキャラの性能があまりに高すぎると話題になります。ゲームバランスに影響するとの指摘を受け、運営はコルワの性能を下方修正。お詫びと払い戻しを行いました。実装から約18時間後のことです。

同じくグラブルのキャラクター「ハレナゼ」も、異常なほど強力な性能を持って排出されましたが、そのわずか4時間後に下方修正が入ります。これによりハレナゼの性能は大幅に低下し、炎上にまで発展する事態となりました。

ソーシャルゲームをめぐる社会問題

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グラブルをはじめとしたソーシャルゲームは、2010年前後から急速に普及した新しいエンタメコンテンツです。それ故に、規制の整備や利用者のリテラシーが追い付いていないことにより、様々な問題やトラブルが頻出しています。今回取り上げた「確率表示」や「コンプガチャ」の問題他に、どのような懸念が挙げられているか、解説していきます。

ゲームが出会い系サイトと化している

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コミュニケーションツール、もしくはコミュニティ形成ツールとしての側面も兼ね備えているソーシャルゲーム。チャット機能を備え、ギルドなどの仲間を作ることのできるゲームも多くあります。このようなソシャゲの利用者の中には、ゲーム自体よりもプレイヤー同士の交流を求める人も少なくありません。

問題となるのは、男女の出会いを求めてゲームを利用する人がいること。そして、そのようなゲームを子どもがプレイすることもできるということです。出会い系サイトやマッチングアプリは、未成年が登録することはできませんが、ゲームであればそれができます。未成年が悪質な利用者に狙われる危険性が危惧されているのです。

課金地獄で困窮し強盗殺人を犯してしまう

2014年11月に起こった事件です。群馬県前橋市で、高齢の女性が自宅に侵入した強盗に殺害され、現金約5万円などが持ち去られました。犯人は26歳の男性で、翌年の2月に逮捕されます。

この男性は月4~5万円というソシャゲへの課金がやめられず、100万円以上の借金も作っていました。仕事もしていなかったため生活に困り、犯行に及んだとのことです。

「ゲーム依存症」が世界保健機関(WTO)にも認定される

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ゲーム依存症とは、普通の生活がままならないほど、ゲームにのめり込んでしまう精神症状です。2018年6月に世界保健機関(WTO)が、正式に障害として認めました。

返済できないほどの借金をしても課金がやめられなかったり、仕事や学校に行けなくなるほどゲームにはまったりするなどのケースが挙げられます。現代社会が新しく生み出した、深刻な障害です。

大人気ゲーム・グランブルーファンタジーで起きたアンチラ事件

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アンチラをめぐる一連の騒動は、グラブルという一つのゲームの問題にとどまらず、ソシャゲ業界の提供者や利用者、そして規制する側の抱える課題点が、浮き彫りになった事件と言えます。

グラブルは何千万という利用者を抱える、最王手のソーシャルゲームです。それ故に、課金やガチャなどに顕著な、業界全体の闇が顕在化しやすいという側面もあるでしょう。スマホゲームやソーシャルゲームといった新しいコンテンツが健全に発展するために、グラブルにはその牽引役を担ってもらうことが望まれています。

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