カラスも食べないカラスウリ
白い不思議な特徴を持つ花を咲かせ、秋には赤い実をつけるカラスウリという植物が日本にも群生している植物です。手のひらサイズの実は一見したら何かの果物のように人に食べられていそうですが、実はカラスでも食べないとされている実なのです。
秋に実をつけるカラスウリ
日本でも色々な場所でふと目にすることがあり、少し大きめのトマトのような見た目をしています。昔から自生しているため、秋の季語としても古くから俳句に登場しています。しかし、虫も鳥も食べることがないため、秋の終わりには実が腐って地面に転がる姿が。
童謡「真っ赤な秋」にも登場する秋の風物詩
日本の童謡として秋の日本の風景を歌った「真っ赤な秋」という童謡があります。その歌詞の中で子供のうちから知らず知らずのうちにカラスウリという歌詞を歌っているのを知っていましたか。秋の風物詩として親しまれていたことがこの歌詞からもわかります。
カラスが食べないカラスウリの由来
カラスすら食べないとされていますが、なぜ名前にカラスという単語を持っているのでしょうか。実際のところ動物種のカラスとは関連がなく、昔の人々は秋に実が長く残っている実が鳥の食べ残しだろうと考え、この名前になったと言われています。
カラスウリの特徴は真っ赤な実!
特徴は何といっても赤く光沢があり、ぱっと視線を奪う大きな実です。果物として売られていても違和感がないようなおいしそうな見た目をしています。そんなカラスウリという植物自体の生態特徴をこちらではご紹介させていただきたいと思います。
カラスウリはつる性植物
林や森の中で他の植物にぐるぐると巻き付いて存在しています。多年草として日本の秋には常連となっており、知らぬ間に目にしているからも多いのではないでしょうか。、特徴としてツルを持つウリ科の植物なのです。
そのため、カラスウリの単独株としてちゃんと目にした方は少なく、様々な木々や他の植物に巻き付いているカラスウリを道端で目にしている方がほとんどなのです。しかし、園芸店などで単独株などが販売されるようになり、現代では単独株の姿を目にする機会も増えてきました。
「カラスウリ」夏にはエコカーテンに
温暖化が進み、エコを気にしなければいけなくなった現代では、朝顔やゴーヤのようにエコカーテンとしてカラスウリを使用できるといった点で注目を集めています。夏には爽やかなハート型の葉を茂らせ、グリーンカーテンとしてのインテリアの可能性も秘めているのです。
「カラスウリ」秋には真っ赤な実をつける
観賞用として使用されていても秋になると赤く光沢のある綺麗な実を成します。その実はとても美味しそうな印象を持ち、試しに食べてみたいと思う方も少なくはありません。実の苦みからお家に鳥や虫の被害をもたらさないのもカラスウリの特徴です。
カラスウリの美しい「神秘の花」
グリーンカーテンや赤く熟した美味しそうな実で注目を集めているカラスウリですが、実を成す前に花を咲かせます。その花の見た目はとても特徴的で、一度目にしたら忘れることのできないような形状をしています。しかし、カラスウリの花を見たことはありますか。
レースを纏うカラスウリの花
花の見た目としても特徴的で、純白レースのような神秘的で不思議な見た目をしています。花弁1枚1枚の先端が糸のように細く分岐しており、それが絡み合う姿がまるで繊細なレースのように見えるという独特な花を形成するのです。
カラスウリの花は夜開く
神秘的で忘れられない花を見たことがない、という方も多いのではないでしょうか。それもそのはず、夜にしか花を見ることが出来ない珍しい特徴を持ちます。7~9月ごろの日が落ちた後に開花し、日の出前に花を終えてしまうため、目にする機会が少なくなっています。
カラスウリの花言葉「男嫌い」
カラスウリの花言葉は「男嫌い」ですが、なぜそのような花言葉がついているのでしょうか。その理由は特徴的な開花の仕方に関係しており、日没語にレースのような可憐な女性をイメージする花を咲かせ、日の出前にはその姿を終える事であるとされています。
カラスウリに実がならない?
お家で栽培しているカラスウリが、カラスウリの特徴である赤い実がならないという方がいらっしゃいます。それはなぜなのでしょうか。カラスウリの中に赤い実をつけない理由についてご紹介させていただきます。
カラスウリは雌雄異株
実はカラスウリという植物は雌雄異株であり、雄株と雌株が存在します。栽培される際に雄株のみを栽培し、近くに野生の雌株もない状況では勿論実がなりません。赤い実を風物詩として楽しみたいという方は必ず雌雄株両方栽培するようにしましょう。
見分け方は?
もちろん雌雄株の見分け方が存在します。雌雄の見分け方で最もわかりやすい方法は花茎の付け根を見る事です。付け根の部分に膨らんだ箇所(子房)があるものが雌花、ないものが雄花です。花が咲く前の時期でも膨らみがあるのが見て取れます。
美味しそうな「カラスウリ」が食用にならないワケ
日本にも群生しており、手短な果実として利用できそうであるカラスウリは何故食用として利用されていないのでしょうか。中には自身で様々な処置を施して食している方もいらっしゃいますが、万人に向けた食料としては市場に出回っていません。
カラスウリに毒はない
カラスウリは動物や虫でさえ食べない植物、ということからかなりの毒性があるのでは、と思われがちです。しかしながら、カラスウリ自体に食べることによる体への悪影響はこれといってありません。そのため食べようと思えば普通に食べれてしまいます。
カラスウリの味
カラスウリの実の味は未熟な果実のように、ヒトが食べても美味さを感じられるものではなく、美味さとはかけ離れた苦みや渋みが勝るような味をしています。さらには1つ全て食べきると、その酸味やアクによって舌がイガイガするような感覚を受けます。
結論「カラスウリは食用に向かない」
様々な処置をして食べようとする方も中にはいらっしゃいますが、残念な事にカラスウリは食べるのも一苦労の植物です。その苦みやお世辞にもおいしいと言えない味はどのような工夫を凝らしても除去することは難しく、食べないという選択肢がベストなのかもしれません。
秋の風物詩として食欲の秋を彩る食材は沢山あります。その中でもサンマは調理方法によっても様々な楽しみ方があり、是非秋を楽しめるようカラスウリを食べる前に、こちらの記事も参考にしてみてください。
苦味マックス!カラスウリを食べた猛者たち
世の中には頑張って様々なものを食べようとする方もいらっしゃいます。ここでは人が食べるべきではない味を持つカラスウリをどうにかして食べれるようにできないかとチャレンジしている強者をご紹介させていただきます。