【西口彰】事件の概要の判決、犯人の生い立ちとは?家族・被害者の現在も

西口はその人格、行動から「サイコパス」、反社会的な精神病者なのではないかと言われました。サイコパスとは一般人に比べ非常に偏った思考や行動を平気でする人物のことを指します。例えば、口が非常に達者だが息を吐くように嘘をつく、道徳や倫理に反することに何の抵抗も感じない、人を傷つけることに躊躇や罪悪感を持たない、などです。

表面的にはコミュニケーションが上手く、自身の気分やこだわりによっては人に親切にするため、その落差に人は非常に驚きます。西口は5人もの人を殺害しましたが、前述したように家族、そして一部の他人には優しく、入れ込む一面がありました。このことから彼はサイコパスだと言われています。

 西口彰を始めとするサイコパスと言われる犯人たち

犯罪者の中には、西口以外にもサイコパスと診断された人間が沢山います。明確な怨恨などの動機、そして人を殺めた後の後悔、恐怖を全く持たないその行動は、私達一般人を驚かせるものがあります。ここでは、2人のサイコパスをご紹介します。

大阪姉妹殺人事件の山地悠紀夫

ふらっと買い物に行くように、ふらっと人を殺しに行ったのです(出典:Wikipedia)

こちらは16歳の時に金属バッドで母親を殺害、そこで殺人に快楽を覚え、21歳の時に大阪で、何の罪も関係もない20代の姉妹を強姦、殺害の上現場に火をつけた山地悠紀夫が話した言葉です。裁判で自身の死刑に対する嘆願書が提出されましたが、その感想を聞かれても「何も」と答え、「死刑でいいです」という無気力な言葉も残しています。

自らの快楽だけのために簡単に人の命を奪い罪悪感も持たないという点が、医師により正式に反社会的人格障害(サイコパス)だと診断されました。彼は逮捕後の車内を捕らえられた写真でも、ほのかに笑みを浮かべた異様な表情を見せています。

埼玉愛犬家連続殺人事件の関根元

死体を透明にする(出典:Wikipedia)

ひとめで異常性が高いと分かるこの発言は、妻と共謀し殺人事件を起こしたペットショップオーナー・関根元という犯罪者が残した言葉です。金銭トラブルをきっかけに、欲張りな人間は殺す、と発言し、口封じも含めて4人を殺害、その遺体も完璧に処理した異常な人物です。

人を殺した時に最も大切なのは死体の処理、いかに血を流さないかが重要、と発言し、実際に4人の遺体はほぼ形も残らず処理されました。また、殺人自体を楽しんでいるような発言も見られます。自身の財産や快楽のために迷いなく人を殺めそれを誇るかのような言動は、完全なるサイコパスであると診断されました。

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関根元、そして埼玉愛犬家殺人事件に関する詳しい内容は、こちらの記事をご参照ください。その事件の異常性、犯人の身勝手さやその後の判決などがご覧いただけます。

 他の犯罪者の意外なエピソード

犯罪者にはただの凶悪さだけでなく、意外性のある特殊なエピソードが多くつきまといます。それは西口だけではなく、他の犯罪者にも多々見られることです。そんなエピソードをいくつかご紹介します。

難読書を愛し記憶力に長けていた強盗殺人犯

1979年、昭和54年、三菱銀行殺人事件が起こりました。犯人は梅川昭美。30歳の時に銀行強盗を企て、結果失敗。そのまま立てこもり、5人の人間を殺害しています。そんな事件を起こした梅川ですが、高校中退ながら毎月難読書を何冊も紐解く読書家でもありました。

本にかける金額はひと月に1万円以上、ニーチェ、ドフトエフスキー、ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンなどの伝記、医学書、経営学書、六法全書など、家には600冊に及ぶ本があったと言います。また記憶力が非常によく、立てこもりの際も人質39名のフルネームと顔を覚えていました。

多すぎる犯罪を重ね8人をも殺害した有能消防士

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1972年から10年間に渡り「勝田清孝事件」という事件が起こりました。これは、勝田清孝という人物が24歳から34歳までの間におよそ300件の窃盗や強盗を犯し、8人もの人間を殺害したものです。あまりにも残虐かつ過激な犯行でしたが、実は犯人の表の顔は真面目な消防士でした。

しかも事件の真っ最中、勝田は夫婦でクイズ番組に出演、優勝を勝ち取っています。また、同じく犯行のさなかに仕事では20回の表彰を受け、全国消防救助技術大会に2年連続で入賞、消防士長に昇格していました。10年間で300回以上も人を傷つけ続けた勝田には、明るく社交的で人を助けることに長けているという皮肉な別の顔があったのです。

西口彰の逃走劇の警察への影響

戦後、日本では道路の整備や自動車の普及が加速しました。それにより犯罪者がより速く、より遠くまで逃走出来るようになってしまいましたが、西口彰事件当時、警察の都道府県同士での連携は万全ではありませんでした。そのため事件の早期解決が難解になっており、この事件でも被害者を増やす結果に繋がりました。

西口彰事件を受けて警視庁は、以上の状態を非常に深刻に捉えました。そして1964年に「広域重要事件特別捜査要綱」というものを制定します。これは犯人が都道府県をまたがって犯罪を繰り返したと思われる時、また他の都道府県に協力の要請が必要な時に、各県警が協力し合うための調整を警視庁がする、という規定でした。

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