彼岸花の花言葉は実は怖くない!色別の花言葉や不吉な別名もご紹介

・蛇花(ヘビバナ)…この花の有毒性を毒蛇になぞらえてつけられたとされる蛇花。他にも毒花(ドクバナ)、痺れ花(シビレバナ)といったような有毒性からの由来によりつけられた別名が存在します。

彼岸花の咲き方による異名

・剃刀花(カミソリバナ)、狐花(キツネバナ)…この花の細長い葉が剃刀のように見えるのに、花の開花時には妖艶な姿を現しながらその葉は一切見せず、まるで狐に騙されているようだと、この名前がついたと言われます。

・捨子花(ステゴバナ)…この捨子花という別名は、この花の咲き方に由来します。花が咲き終わった後に葉が出てくるといった生態が花と葉が一緒に共存しない、子と親が一緒に居られないといった悲しい状態を表しているのです。

彼岸花が実は良いイメージの別名もある

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彼岸花には怖い不吉な悪いイメージの別名が多い中、赤や白などきれいに咲いたその姿から良いイメージの別名もあります。代表的なものとして曼珠沙華や天蓋花などが挙げられます。曼珠沙華は様々な歌もありなんとなくわかりますが、天蓋花と聞いてもすぐにはイメージが湧きませんね。

彼岸花の良いイメージの異名の由来

・曼珠沙華(マンジュシャゲ)…サンスクリット語のmañjūṣakaからきている言葉で、意味は天上界に咲く赤い花と言われ四華の一つになります。四華とは曼荼羅華(白花)・摩訶曼荼羅華(大白花)・曼珠沙華(赤花)・摩訶曼珠沙華(大赤花)の天から降る四種の蓮華花のことをいい、めでたいことが起こる前兆と言われています。

・天蓋花(テンガイバナ)…この花の形状が、お寺にある御本尊の上にかけてある金色のシャンデリアのような天蓋に似ているところから天蓋花とも呼ばれています。このように仏教に関連した花で別名「天上の花」と呼ばれる優曇華があります。優曇華の記事はこちらからどうぞ。

彼岸花の毒性について

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前にも記述しているように、この花は有毒植物ですので、異名も悪いイメージが多く付きまとってしまうのでしょう。球根植物ですが、その毒は球根部分だけではなく花全体にあります。その毒性を活かした植生やその毒の危険性と活用性についていくつか見ていきましょう。

彼岸花の毒性を利用したモグラ除けに

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農作物に悪さをするモグラやネズミたち。彼らから稲などを守るために、毒性を持ったこの花を先人たちが田畑の周りに植えたとされています。墓地周辺に彼岸花を多く見られるのも同じようにご先祖様を守るためだと言われています。

彼岸花は水にさらせば食用に

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この毒の成分、それは「リコリン」。このリコリンは水溶性なので水でしっかりと毒抜きをすれば食用にできるといわれております。しかしながら素人の毒抜きでは完全ではないので気をつけなければなりません。その昔、年貢の取り立てが厳しかった頃に毒性の彼岸花は年貢作物には含まれず飢餓を乗り越えるために食していたようです。

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