アナタハンの女王事件の真相！女王蜂こと比嘉和子の人生とその後

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比嘉和子にはかつて南洋興発社員となる夫がいました。この夫は島の開拓の為、会社の上司から転勤を命じられます。当時、夫には妹がおり、サイパン島へ残す形でアナタハン島へと移住する事になります。

しかし、太平洋戦争は激化していき、米軍の攻撃は激しさを増していました。夫は妹の安全を確保する為、サイパン島へ迎えに行く事になります。しかし夫は妹を迎えに行ったきり、アナタハン島へ戻る事はありませんでした。

和子が島にきた理由

当時パガン島でカフェ店員として働いていた和子は南洋興発社員となる男性と結婚をします。男性は会社からアナタハン島への開拓事業として転勤を命じられます。そしてその男性の転勤の辞令に付き添うようにアナタハン島へと移住する事になります。

和子は島での生活・空爆のショックで夫との子供を流産

南洋興発社員の夫とアナタハン島へ移住する事になった和子は、当時この男性の子供を身ごもっていました。しかし、慣れない島での生活と太平洋戦争の激化に伴う空爆の衝撃によって子供を堕ろしてしまう事になります。

和子は流産後子供ができない体質だった？

アナタハン島では大勢の男性と関係を持ったはずの和子ですが、驚く事に一度も妊娠はせずに帰国しています。もちろん島には避妊道具などありません。一度も妊娠しなかった理由として、流産後子供が出来にくい体になってしまったのではないかと考えられています。

アナタハンの女王・比嘉和子とは②島からの帰還後

アナタハン島で31人の男性と壮絶な期間を過ごした比嘉和子ですが、米軍の救出によって無事帰還する事になります。帰還後は静かに暮らすはずでしたが、事件が明るみになり、新聞や雑誌などでは和子に対してのバッシングが酷くなっていきます。

アナタハンの女王・女王鉢・男を惑わす悪女と呼ばれる

31人の男性を惑わしたとして、マスコミは和子に対して非難、中傷し始めます。なかには和子に対して同情的な記事を上げる所もありましたが、ほとんどは誹謗・中傷で書き上げられ、事実ではないゴシップ記事も上げられました。

誹謗・中傷ばかりが目立つなか、事件を知って和子に興味を持った方も多く存在します。大注目を浴びた結果、和子は人気を得て女優の道へと進む事になります。世間ではアナタハンブームの到来とされていました。

アナタハンブームの到来！女優としての活動・プロマイドの発売

連日アナタハン関連の記事が取り上げられる事によって、人々の目は完全に比嘉和子に集中していました。注目を集める中、和子はプロマイドを発売する事になります。プロマイドは爆発的に売れ、その流れで和子は女優としての活動を始める事になります。

芝居の巡業・ストリッパーとしての活動

女優として活動を始めた和子は全国で舞台を踏む事になります。初めての芝居にも関わらず、主演という形で約2年間、全国を巡業しました。巡業が落ち着いてからは、カフェを開業、ストリッパーとしての仕事等、様々な活動をしていきます。

また、和子は舞台だけではなく映画にも出演する事になります。1953年に公開された映画、アナタハンの眞相はこれだという作品にて主演を演じる事になります。この映画を監督したのが吉田とし子という女性であり、劇映画として女性初の監督作品となります。

カフェアナタハンの開業

女優の活動が落ち着いた頃、和子は故郷である沖縄へ戻り、｢カフェアナタハン｣というカフェを開業させました。映画や舞台等を経験している等、知名度の高い和子がカフェを開業させるという事で繁盛が期待されていました。

お店の繁盛を期待していた和子でしたが、相変わらずマスコミによる誹謗・中傷が絶える事がなく、結局お店の経営は上手くいかずに仕方なくカフェを閉店する事になります。カフェを閉店させた和子ですが、その後出会う男性によって再びお店を経営する事になります。

子連れ男性との再婚後の穏やかな人生

沖縄でカフェアナタハンを開業させた和子ですが、経営が上手くいかず、お店をたたんで本土に戻る事にしました。本土に戻った和子はしばらくの間ストリッパーとして働き、再び沖縄へ帰る事にします。

沖縄に帰った和子は当時34歳の子連れ男性と再婚します。和子はこの男性とかき氷屋、たこ焼き屋を開業させます。当時は誹謗・中傷も落ち着き、人の目を気にせず、再婚相手と穏やかな人生を過ごしていました。

脳腫瘍により死亡

たこ焼き屋、かき氷屋の経営は軌道に乗り、お店は繁盛していました。これでやっと普通の人生を歩めると思った矢先、夫と死別してしまいます。当時40代半ばとされています。そして和子自身も夫を追いかけるように49歳という若さで脳腫瘍により死亡しています。

アナタハンの女王事件を扱った作品①ノンフィクション

その衝撃的な内容から、アナタハン島事件を取り扱った映画が数多く作られる事になります。ノンフィクション、フィクション等、様々なアナタハン映画がある中、和子が真実を伝えるためにとった映画もなかには存在します。

本人出演「アナタハン島の眞相はこれだ」

様々な作品がある中、人々の注目を集めたのが、なんと本人自身が出演する事になった｢アナタハン島の眞相はこれだ｣です。この作品は1953年に公開された映画で、和子をめぐる男性達の殺し合いがリアルに描かれた作品となっています。

この作品の特徴としては和子と男性達の恋愛感情を描くのではなく、男同士による女性の奪い合い、力による支配、殺し合いを誇張した作りとなっています。この描写がアナタハン女王事件の悲惨さを更に描かれたものとなっています。